社会資本整備

5. 社会資本整備を支える建設業の状況は?

 

<建設技能労働者過不足率>
建設技能労働者過不足率
 

昨今、建設業の有効求人倍率(ハローワークでの求職者数に対する求人数の割合)が高いため、建設業の施工能力が不足しているのではないかとの一部指摘もありますが、建設業では、施工の際、自社の労働者だけでは不足する場合、協力会社や同業者に外注するのが通常です。よって、有効求人倍率は、足元の施工能力を図る直接的な指標とは言えません。

 

また、中小企業景況調査は、各会社単位で従業員(事務職員やパート等を含む)が不足していると答えた企業の割合と過剰と答えた企業の割合の差をDI(ディフュージョン・インデックス)として公表しているものですが、現場では、元請と様々な協力会社が協力して施工しているため、工事ができる、できない(施工余力がある、ない)ということには直接影響しません。

 

公共工事の足元の施工余力を測る指標として、現場ごとに、元請、下請含めて、本来必要であった人手に対して、実際にどの程度不足したか/余ったか、という指標(建設技能労働需給調査)がありますが、この指標でみると、直近で100人必要だった人手に対して1-3人程度の不足にとどまっており、人手不足で工事ができないというような状況にはありません。実際に建設業団体等からも「十分に施工余力がある」との声を頂いております。

 

他方、建設業は、若手の入職者が少なく高齢化が進んでいることや労働時間が長く休暇が少ないなどの状況が、有効求人倍率や中小企業景況調査の指標に表れている可能性があります。建設業の皆さんが中長期的な経営の見通しを持てるよう、公共事業の安定的・持続的な確保を図るとともに、官民あげて、建設業の働き方改革や賃金引上げに全力で取り組む必要があります。

 

 

公共工事では、年度内の時期によって工事の繁閑に大きな差が生じており、人材や機材の効率的な活用等に支障が生じていました。そこで、新・担い手3法による改正後の品確法(※1)において、発注者の責務として公共工事の適正な工期設定や施工時期の平準化を規定しました。また、入契法(※2)の改正を踏まえて適正化指針(※3)を変更し、これらの方策を公共工事の発注者が講ずべき措置として位置付けました。平準化の促進に向けては、「さ・し・す・せ・そ」(債務負担行為の活用、柔軟な工期の設定、速やかな繰越手続、積算の前倒し、早期執行のための目標設定)の取組などを推進しています。

(※1)公共工事の品質確保の促進に関する法律

(※2)公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律

(※3)公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針

 

<建設業の働き方改革の推進>
建設業の働き方改革の推進
 

建設産業・不動産業:新・担い手3法(品確法と建設業法・入契法の一体的改正)について - 国土交通省 (mlit.go.jp)

 

国土交通省では、自らの直轄工事での適正な工期設定・施工時期の平準化に取り組みつつ、都道府県や市区町村においても取組が進むよう働きかけや事例共有などを行っており、全体として取組が進んでいます。引き続き、遅れのみられる市区町村への更なる働きかけなどを行ってまいります。

 

 

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