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我が国は、諸外国と比較して、急峻な山脈を多く有し、海岸線が複雑で可住地が少なく、地震や豪雨など自然災害が数多く発生するなどの脆弱な国土条件下にあります。これにより、耐震対策がより必要となったり、トンネル等の構造物の比率が高くなったりするなど、諸外国よりインフラ整備が高コストになります。
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特に近年は毎年のように全国各地で自然災害が頻発し、甚大な被害が生じています。地球温暖化により、100年に一度の大雨が50年に一度になり、将来はさらに洪水発生頻度が高まることが見込まれる中、国民の生活や経済活動を守るためには、事前防災を含めた防災・減災、国土強靱化が急務です。
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また、高度経済成長期以降に整備された社会資本の老朽化が加速度的に進行しており、不具合が生じてから対処する「事後保全型」から不具合が生じる前に措置を講じる「予防保全型」のインフラメンテナンスへの本格転換をはじめとする老朽化対策は待ったなしの課題です。
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戦災復興から高度経済成長を支えるインフラ整備を着実に進めてきた結果、高速道路、新幹線、空港、港湾、生活関連施設等の社会資本の整備水準は大きく向上しました。
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しかしながら、国民生活の質の向上、安全・安心へのニーズ、企業活動の高度化等に伴い、求められるインフラの水準も変わってきます。様々な観点から諸外国と比較した場合、我が国のインフラ整備状況は未だ十分とは言えません。また、インフラは一度作ったら終わりではなく、適切な維持修繕、更新などのメンテナンス投資が継続的に必要となります。本格的な人口減少社会や厳しい財政状況の中にあっては、集約・再編を図りながら、真に必要な投資を的確に行っていくことが求められます。