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国土交通白書 2024

第7章 美しく良好な環境の保全と創造

第1節 地球温暖化対策の推進
■1 地球温暖化対策の実施等

 気候変動の影響により、自然災害が激甚化・頻発化するなど、地球温暖化対策は世界的に喫緊の課題となっている。 世界平均気温は上昇傾向にあり、1970年以降、過去2000年間のどの50年間よりも気温上昇は加速している。(IPCC AR6)世界気象機関(WMO)の報告によると、既に温室効果ガスの排出をはじめとする人類の活動が、産業革命以前の1850~1900年の平均と比較して2014~2023年に約1.20℃(±0.12)の地球温暖化を引き起こしている。特に2023年においては、世界の年平均気温が観測史上最も高く、産業革命以前より1.45℃(±0.12)高くなったと報告した。

 我が国においては、「2050年カーボンニュートラル」の実現及び2030年度温室効果ガス46%削減、さらに50%の高みに向けた挑戦を目標として掲げ、GX(グリーントランスフォーメーション)に係る取組みを加速化させている。令和5年5月には「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」が成立し、同法に基づき、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画である「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」を7月に閣議決定した。

 こうした中で、地域のくらしや経済を支える幅広い分野を所管する国土交通省では、民生・運輸部門の脱炭素化等に貢献するため、住宅・建築物や公共交通・物流等における省エネ化、インフラを活用した太陽光や水力、バイオマス等の再エネの導入・利用拡大(創エネ)、輸送・インフラ分野における非化石化等を推進している。