−記者発表資料−
平成9年11月25日
建 設 省
東南アジア・オセアニア地区のISO9000s並びに14001に関する調査結果について
建設省は、品質管理・品質保証システムの国際規格であるISO9000シリーズ(以下「ISO9000s」と記す)、環境管理・監査のための国際規格であるISO14000シリーズ(以下「ISO14000s」と記す)等の国際規格を、我が国の公共工事に適用することの意義、適用にあたっての課題および対応策等について、「品質・環境・労働安全衛生等に関する国際規格の公共工事への適用に関する調査委員会」(委員長 大臣官房技術審議官)を設け、検討を進めている。
その検討にあたっては、「建設業界へのISOに関するアンケート」、「ISO9000シリーズに沿ったパイロット工事の試行」、さらに「欧州、東南アジア、アメリカと今回の東南アジア・オセアニア地区についての5回にわたる海外調査」を実施し、その動向と導入効果の把握に努めてきた。
この検討の一環として、平成9年5月に香港・シンガポール・ニュージーランド・オーストラリアについての海外調査を行い、その結果を報告書としてとりまとめた。なお、本報告書は、(財)先端建設技術センターの支援を得て取りまとめたものである。
今回の調査で得られた、各国のポイントを以下に列記する。
オークランドに近い、ノースショア市では、責任と権限の明確化と文書管理の効率化と市民・議会へのアカウンタビリティ(説明責任)を果たすため、ISO9000sを各部局単位で取得しつつある。また、公共工事の発注にあたり、ISO9000sを取得している建設企業について、企業評価点を加算することで評価している。
また、調査したニュー・サウス・ウェールズ州、西オーストラリア州、ビクトリア州のマニンガム市のいずれもが、行政機関として自らISO9000sを取得ないしは取得手続き中であった。各機関の実態に応じ、発注者と受注者のパートナーシップの確立、行政機関の透明性、公平性の確保、効率的な行政サービスなどそれぞれの観点から導入に努めている。
また、西暦2000年に開催されるシドニーオリンピックは「環境にやさしいオリンピック」をスローガンとし、オーストラリア連邦政府はオリンピック関連工事について工事受注者に対し、ISO14001に沿った環境管理計画書の提出と環境管理計画書に基づいた運用を求めている。さらに、ニュー・サウス・ウェールズ州では、本年7月よりISO14001に沿った環境管理計画書の提出を入札時の条件としている。また、ニュー・サウス・ウェールズ州政府としても、オリンピック関連部署を中心としてISO14001の認証取得を予定していることがわかった。
表−1に調査各国のISO9000sの取得状況を示すとともに、表−2に調査の概要をまとめた。
本報告書では、あわせて本年10月に行った英国 環境・運輸省の調査も付録として報告している。
ISO14001の英国における普及のため、中小企業への導入を助成するSCEEMAS、ISO14001とEU規則であるEMASとのブリッジレポート,地方自治体のISO14001取組み状況などについての調査結果である。なお、本報告書は(財)先端建設技術センターにて希望者に実費頒布を予定している。本報告書に関する問い合わせ先を以下に記す。
(財)先端建設技術センター 研究第一部長 戸谷 有一 03-3942-3983
主任研究員 濱野 隆司 03-3942-3993
問い合わせ先 建設省 大臣官房技術調査室 |
建設省本省のホームページ | 技術情報| ISO9000シリーズのホームページ