V−1 大規模工場跡地等利用転換型

■地区のイメージ

@駅前等の大規模工場跡地で、駅前にふさわしい土地の有効利用が求められる地区

A港湾地域内の大規模工場跡地で、産業構造の変化に伴い土地利用の転換が求められる地区

B市街地に隣接した港湾地域内の大規模工場跡地等で、市街地にふさわしい土地利用転換が求められる地区

 

■個別調査の主な提案理由
  • 近い将来工場を閉鎖することとなり、休止後の活用方策を検討中である。工業専用地域などで土地利用が限られており、また、企業の財政状況が厳しい状況であるため、どのような土地利用転換が可能か知りたい。
  • 臨海部に存し、また、広大な敷地であるため、どのような市場ニーズがあるかが見えづらく、また、道路、公園等の基盤整備も必要となるため、事業リスクが高く、どのような形で土地利用転換を進めたらよいかが分からない。
  • 駅前の大規模工場の移転に伴い、大規模工場跡地と周辺の敷地を含めた土地利用転換を行い、まちの玄関口にふさわしいに土地利用としたい。
■有効活用を阻害している問題設定   ■土地有効活用の課題と方策

  • 地域の位置づけや将来像が明確でないために、開発への投資に不安がある。
  • 土地利用転換にあたって用途地域等の見直しが必要であるため、円滑な転換が困難。


1.地域の将来像の明確化

◆公民協働によるまちづくり
◆用途地域等の見直しや地区計画策定


  • 土地利用転換を行うに当たって、基盤整備が必要であるが、自己資金では困難。
  • 既存施設の撤去や基盤整備に莫大な投資がかかる。
  • 大規模な敷地であるため、全体の有効活用方策が見出せない・土地の売却をしたいが買い手が見つからない。


2.開発リスクの低減

◆基盤整備への支援措置の活用
◆暫定利用を含めた段階的な活用
◆パートナーシップによる事業推進
◆多様な資金調達手法の検討

 

■有効活用の視点

 大規模工場跡地等の低・未利用地は、開発規模が大きく計画の自由度が高いものの、地域に及ぼす影響が大きく、地域全体のまちづくりの方向性と整合の取れた有効活用が求められます。用途地域等の見直しや、アプローチ道路等の都市基盤の整備については、地域全体の土地利用や交通計画などの将来像の明確化を図り、整合性のある計画を策定とする必要があります。

 このために、計画段階から地元市町村等と十分な調整を図りつつ、周辺地区のまちづくりと調和のとれた公民協働によるまちづくりが重要となります。

 また、施設立地需要が低く、すぐには活用ができなかったり、資金的な負担が大きく全面的な開発が困難な場合には、暫定利用や段階的な活用方策等による開発リスクの低減を検討する必要があります。例えば、定期借地権や不動産の証券化等による多用な資金調達手法を検討するとともに、専門的な知識や資金力のある民間企業や公的機関をパートナーとした事業推進方策等を検討する必要があります。