V−5 新・都市環境創造型

■地区のイメージ

@新たな拠点形成を図るため、主要な施設を段階的な土地利用により形成する地区

A鉄道により分断される市街地の拠点づくりにふさわしい基盤整備が求められる地区

B住工混在地域で工場の環境の向上と住環境の改善が求められる地区

 

■個別調査の主な提案理由
  • 近年の社会情勢の変化により工場跡地が発生し、また、道路整備のための用地として取得した町有地についても利用計画は未定となっている。駅前広場は新幹線の開通にあわせて整備された。町の中心には、「伝統的建造物群」が残っており、年々、訪れる人々が増大していることから、町としても中心部の観光の更なる活性化を望んでいる。その中で、駅前周辺の地域特性をいかしながら工場跡地や町有地の有効活用を図りたい。
  • 当市は、近年、産業構造の転換等の利用から、郊外の工業団地へ移転する企業もあり、中心市街地において工場跡地、オープンスペース、密集住宅地などの低・未利用地や工業地が混在する市街地となっている。このため、公共施設の拡充整備、住工混在の解消など地場産業の高度化と活性化と合わせて、早急に市街地の再編整備のための計画策定を図りたい。
  • 住工混在する当地区は、近年、中小工場が転出し、地域の活力が失われつつあり、跡地の宅地開発などにおいては、土地利用はさらに混乱し、生活環境上の問題が山積している。このことから、地区内に点在する小〜中規模の低・未利用地を有効に活用又は誘導することにより、良好な住工共存地区の形成をめざしたい。
■有効活用を阻害している問題設定   ■土地有効活用の課題と方策

  • 地区内では、区画整理事業や連続立体交差化事業が計画されているが、事業が進んでおらず、地区内の低・未利用地の有効活用も進んでいない。
  • 街の地域特性をいかしつつも、低・未利用地を活用して都市の拠点を整備したい。


1.地域の将来像の明確化

◆街の将来像を共有できる地元組織づくり
◆戦略的なまちづくり


  • 住工混在地域であり、大規模な土地が多くかつ権利関係が輻輳しているため、土地利用の方向性が定まらない。住工共存、共生のための居住環境、労働環境が職住近接のまちづくりの手法に苦慮している。
  • 地域に特色がないために、まちづくりの手がかりがない状況である。地球環境時代にふさわしく、新しい時代に対応したまちづくりの開発テーマに苦慮している。


2.周辺環境に応じたまちづくり

◆環境共生型のまちづくり
◆人にやさしいまちづくり

■有効活用の視点
 新・都市環境創造において、低・未利用地を核とした「都市発展に係わる主要な位置での都市の将来像」「基盤整備済である大規模な土地利用」「住工混在の土地利用」などの特定のコンセプトに基づく新しいまちづくりを掲げ土地利用転換を行う実現化方策が求められます。
 例えば、上位計画や既往計画があっても条件整理が十分になされていないために、まちの将来像が見えないケースがあげられ、長期的なビジョンを備えた総合的、かつ戦略的なアプローチによるまちづくりの観点から、地元組織づくりと合わせた有効活用が考えられます。
 住工混在市街地や密集市街地においては、地球環境やボーダーレス時代に配慮したまちづくりの視点から、職住近接型のまちづくりの提案や生活環境の改善などを柱とし、周辺環境に応じた低・未利用地の有効活用が考えられます。