資料8.年金資金の資産構成について


日本銀行「資金循環勘定」によると、年金については、年金基金(1)と社会保障基金の中の公的年金(2)とがあり、その金融資産総額は300兆円にものぼる。1999年3月末における、年金基金と公的年金の金融資産の構成は以下のとおりである。


グラフ

出典 日本銀行「資金循環勘定」(99年9月21日公表分)



構成上の特徴としては、

・年金基金: 株式以外の証券が37.3%(32兆円)、株式・出資金が26.4%(23兆円)で、合計では5割を超えているが、そのうち、株式以外の証券の6割以上が国債・地方債・政府関係機関債といった国内債で占められている(別紙参照)。

・公的年金: 厚生年金・国民年金積立金及び共済年金の一定割合については、大蔵省資金運用部への預託が義務づけられており、この預託金が全体の6割以上を占めている(66.8%、143兆円)。また、共済年金の一定割合については政府保証債や地方債の購入も義務づけられ、残った分はまた自家運用で債券投資されるため、株式以外の証券の比率が14.0%(30兆円)と他の資産に比べ高くなっている。

といったことが挙げられる。



(1) 年金・退職一時金給付のために積み立てられた基金の運用主体を指し、ここには、
 @企業年金(厚生年金基金、適格退職年金)
 Aその他(国民年金基金、勤労者退職金共済機構などの公的な主体)
が含まれている。
(2) 社会保険の運営を行う社会保障基金のうち、年金保険を運営するものを指し、ここには、
 @国の特別会計の一部(厚生保険特別会計・年金勘定、国民年金特別会計)
 A共済年金(国家公務員、地方公務員、私学教職員、農協漁業組合職員の四つの職域単位で運営する組合の長期計理)
 B農業者年金基金(農業従事者が対象の公的年金制度)
が含まれている。



( 別 紙 )年金資金における「株式以外の証券」の内訳

〔年金基金;32兆円〕
(単位:%)

グラフ


〔公的年金;30兆円〕
(単位:%)

グラフ



| 国土庁ホームページへ | 土地総合情報ライブラリへ | 目次へ | 次ページへ |