資料14.我が国国債市場の特徴(G7諸国との比較)


(1)発行残高、現物売買高、先物売買高 1)

グラフ
1)  発行残高は、97年末時点。当時のレートで1兆米ドル単位に換算(US$1 = 130円 = DM1.80 = FFr6.02 = ITL1,770 = C$1.43、£1 = $1.65)。また、売買高(97年、1兆米ドル単位)は、アウトライト売買についての往復ベース(売買合計ベース)の計数(例:ディーラーAが顧客Bに1億円分の国債を売った場合、Aの売り1億円とBの買い1億円を合計し、売買高2億円として計上)。ドイツ、フランスの売買高は不詳(当該中銀からの回答なし)。


(2)売買回転率および現物/先物比率


日本 米国 ドイツ 英国 フランス イタリア カナダ
売買回転率 1) 6.9 22.0 NA 7.0 NA 7.7 21.9
現物/先物比率 2) 0.7 2.7 NA 1.0 NA 4.1 33.7
  1)現物年間売買高/発行残高。
  2)現物売買高/先物売買高。


(3)発行年限の配分 1)


日本 米国 ドイツ 英国 フランス イタリア カナダ
発行年限の数 9 2) 7 3) 6 5 8 10 7
発行年限
(M−ヵ月、Y−年、イタリック体はベンチマークが存在する年限)
3,6M,1,2,4,5,6,10,20Y 3,6M,1,2,5,10,30Y 6M,2,4,5,10,30Y 3M,5,10,20,30Y 3,6M,1,2,5,10,15,30Y 3,6M,1,1.5,2,3,5,7,10,30Y 3,6M,1,2,5,10,30Y
ベンチマークの数 1 7 4 4 7 5 7
  1)インデックス債は含まず。
  2)99年4月に1年物TBを発行開始。
  3)98年に3年債の発行を中止した結果、発行年限の数は7となった。


(4)発行年限別発行残高

グラフ
1)米国は1年超10年以下の内訳不明。
2)英国は残存期間ベース。


(5)市場性のある国債についての政府・中央銀行の保有比率 1)

グラフ
1)ドイツのデータは不詳。
2)英国は政府・中銀の保有を合わせたベース。
3)フランスの政府保有はゼロ、中銀保有は不詳。


(6)ストリップ取引

〇−可能、統一されている、×−不可能、統一されていない

日本 米国 ドイツ 英国 フランス イタリア カナダ
ストリップ取引 × 1)
クーポン支払日の統一 × × × × ×
  1)98年7月より開始。


(7)インデックス債


日本 米国 ドイツ 英国 フランス1) イタリア カナダ
発行年限 - 10、30
2)
- 様々 11年 - 30年
発行残高(10億ドル)3) - 33.0 - 51.9 3.3 - 5.9
全体に占めるウエイト 3) - 1.0% - 11.3% NA - 2.1%
銘柄数 3) - 2 - 13 1 - 2
発行方式 - ダッチ方式の入札 - ダッチ方式の入札 4) シ団引受 5) - ダッチ方式の入札
インデックスの種類 - CPI - CPI CPI - CPI
インデックスへの連動の方法 - キャピタル・インデックス方式 6) - キャピタル・インデックス方式 6) キャピタル・インデックス方式 6) - キャピタル・インデックス方式 6)
1) 98年9月に発行開始。
2) 98年に30年債の発行を開始するとともに、5年債の発行を打ち切った。
3) 97年末時点(フランスは初回発行分)。
4) 98年11月に売出(タップ)発行からダッチ方式の入札に切り替えた。
5) 初回発行はシ団引受で行われたが、次回以降は入札発行に移行する予定。
6) 元本部分の償還額は、額面に期間中のインデックスの変化を掛けた額。クーポン支払額は、固定されたクーポンレートをインデックスに従って調整された元本に掛けて求められる。


出典: 井上広隆「G7諸国の国債市場」(1999年5月)
日本銀行金融市場局ワーキングペーパーシリーズ99-J-2



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