「平成6年建設部門延長産業連関表」の完成に伴う建設経済等の分析

平成9年10月16日
建設経済局調査情報課

 建設省では、建設投資や公共投資の経済効果の分析等のため、経済構造の全体像を産業別の物やサービスの生産・流通面からとらえた各種の産業連関表を作成・公表している。(建設省の「産業連関表」の説明

 「建設部門延長産業連関表」は、建設活動と他産業の関連や公共投資の経済効果等の分析に用いられるもので、今回作成したのは、1992年、1993年、1994年の3カ年の表である。対象年次の関係から、特に、バブル崩壊後のわが国の経済構造の変化に焦点を当てるものとなっている。

この「建設部門延長産業連関表」の完成に伴い、これを用いて以下のような分析を行った。

各ページの目次項目をクリックするとこのページに戻ります。


1.1990〜1994年のわが国経済構造の変化

    1. バブル経済崩壊により「民間総固定資本形成」が大きく落ち込み、一方、相次ぐ補正予算の追加により「公的総固定資本形成」は高い伸びとなった。(図表−1)
    2. 輸出は円高等により低下し、輸入も民間設備投資等の落ち込みにより低下した。
    3. このような中で、産業の生産活動は、鉄鋼・金属製品をはじめ、製造業の殆どが低下した。建設業は、1992年以降低下はしているものの高水準で推移している。(図表−2)
    4. 経済のサービス化は引き続き進展し、殆どのサービス業の生産額は増加した。

        図表−1 最終需要項目額の推移     (単位:百万円,%)

       

      最終需要額

      年平均伸率

      1990年
      (基本表)

      1992年
      (延長表)

      1993年
      (延長表)

      1994年
      (延長表)

      94/90

      平均

      92/90

      93/92

      94/92

      民間消費支出

      264,459,316

      287,997,592

      294,918,068

      297,882,994

      3.0

      4.4

      2.4

      1.0

      一般政府消費支出

      38,302,061

      42,689,011

      44,191,509

      45,218,647

      4.2

      5.6

      3.5

      2.3

      国内総固定資本形成(公的)

      31,712,615

      39,261,600

      45,812,020

      46,651,148

      10.1

      11.3

      16.7

      1.8

      国内総固定資本形成(民間)

      107,014,385

      105,521,563

      98,556,421

      94,824,814

      ▲ 3.0

      ▲ 0.7

      ▲ 6.6

      ▲ 3.8

      在庫純増

      2,620,159

      1,777,621

      -1,400,304

      -905,613

      − 

      ▲17.6

      − 

      ▲35.3

      輸  出

      47,881,754

      49,297,739

      46,340,836

      46,261,440

      ▲ 0.9

      1.5

      ▲ 6.0

      ▲ 0.2

      (控除)輸入

      -45,833,337

      -41,247,075

      -37,663,454

      -38,942,377

      ▲ 4.0

      ▲ 5.1

      ▲ 8.7

      3.4

      最終需要部門計

      446,156,953

      485,298,051

      490,755,096

      490,991,053

      2.4

      4.3

      1.1

      0.0

              注)民間消費支出は、家計外消費支出を含む。

       

      国内生産額(単位:兆円)

      年平均上昇率(単位:%)

      90年

      92年 93年 94年

      94/90

      92/90

      93/92

      94/93

      農業・水産業

      58.6

      60.3

      57.9

      58.4

      ▲ 0.11

      1.43

      ▲ 3.96

      0.78

      製材・木製品

      9.2

      8.8

      8.6

      8.4

      ▲ 2.39

      ▲ 2.26

      ▲ 2.43

      ▲ 2.63

      石油製品

      9.3

      9.5

      9.6

      9.5

      0.78

      1.30

      1.45

      ▲ 0.90

      石油・化学製品

      37.0

      37.5

      35.3

      34.5

      ▲ 1.68

      0.67

      ▲ 5.69

      ▲ 2.23

      窯業製品

      11.9

      11.8

      11.4

      11.2

      ▲ 1.38

      ▲ 0.35

      ▲ 3.72

      ▲ 1.09

      鉄鋼・金属製品

      50.0

      47.9

      42.9

      39.6

      ▲ 5.62

      ▲ 2.11

      ▲10.48

      ▲ 7.51

      機械・機器

      133.6

      133.0

      123.6

      120.2

      ▲ 2.62

      ▲ 0.23

      ▲ 7.06

      ▲ 2.81

      他の製造品等

      48.3

      48.8

      44.8

      41.7

      ▲ 3.61

      0.50

      ▲ 8.23

      ▲ 6.85

      建   設

      89.2

      97.7

      95.8

      92.7

      0.96

      4.66

      ▲ 1.91

      ▲ 3.30

      電力・ガス・水道等

      21.5

      23.7

      23.9

      24.7

      3.53

      4.96

      0.88

      3.38

      商   業

      82.4

      90.6

      86.7

      87.1

      1.38

      4.83

      ▲ 4.31

      0.47

      金融・保険・不動産

      81.4

      88.9

      90.5

      90.0

      2.56

      4.55

      1.72

      ▲ 0.52

      運   輸

      33.1

      34.9

      35.0

      35.2

      1.55

      2.71

      0.16

      0.64

      賃 貸 業

      9.2

      9.6

      9.4

      9.5

      0.91

      2.26

      ▲ 2.26

      1.45

      他のサービス

      189.5

      206.3

      213.1

      214.5

      3.15

      4.34

      3.33

      0.64

      合   計

      864.2

      909.3

      888.5

      877.3

      0.38

      2.58

      ▲ 2.29

      ▲ 1.26

    1−2低下した生産波及効果

    1. 中間原材料比率は、1990〜1994年において一貫して低下し続けた。
      (注1)  (図表−3)
    2. 加えて、わが国経済がソフト・サービス化を辿っていること等から、生産波及効果は徐々に低下することとなった。
      (注2、3)(図表−4)

      中間原材料比率低下の主要因

      1. 相対的に、中間原材料の物価の方が付加価値関連の物価より下落率が大きかった。
             卸売物価指数 7.3%減(1990〜1994年)
             賃金指数   2.1%減(  同   )
      2. 原油価格の低下、円高等により、輸入原材料の価格が低下した。
      3. 生産において中間原材料比率が高く、かつその生産品も中間原材料として多く使用される製材、鉄鋼関連等の生産額が減少した。
      4. 粗付加価値率の高い(中間原材料比率の低い)サービス関連業の生産額が増加した。
      5. コスト削減等のために、流通マージン率が縮小された。

      注1)中間原材料比率とは、

         産業の生産活動に必要な原材料・燃料・輸送費等の財貨及びサービスの購入費用を中間投入額といい、その産業の国内生産額で除した値を中間投入率(中間原材料比率)という。

      注2)生産波及効果とは、

         ある産業(又は最終需要)に需要が発生した場合、各産業の生産が究極的にどれだけ必要となるかをいう。

      注3)サービス産業は、中間原材料が少ないことから、他産業への生産波及がとどまることになる。

      中間原材料比率(%)

    90年

    92年

    93年

    94年

    農業・水産業

    58.8

    57.7

    55.5

    55.6

    製材・木製品

    63.4

    61.1

    63.0

    60.4

    石油製品

    59.0

    52.4

    44.2

    41.8

    石油・化学製品

    65.9

    64.7

    63.1

    62.4

    窯業製品

    56.1

    54.7

    53.3

    53.5

    鉄鋼・金属製品

    67.7

    63.5

    61.8

    61.3

    機械・機器

    67.4

    66.8

    66.0

    65.3

    他の製造品等

    62.6

    60.7

    58.7

    58.6

    建設

    53.9

    51.8

    50.3

    49.6

    電力・ガス・水道等

    39.9

    38.5

    36.5

    36.1

    商業

    30.3

    29.8

    29.1

    28.5

    金融・保険・不動産

    21.3

    21.5

    20.2

    20.4

    運輸

    39.6

    39.4

    38.8

    37.9

    賃貸業

    34.5

    33.9

    30.1

    29.9

    他のサービス

    37.9

    37.1

    35.8

    35.3

    産業平均

    48.4

    46.6

    44.8

    44.0

            最終需要項目別生産誘発額の推移

       

      90年

      92年

      93年

      94年

      民間消費支出

       1.5845  1.5717  1.5383  1.5232

      一般政府消費支出

       1.5762  1.5638  1.5363  1.5241

       国内総固定資本形成(公的)

       1.9721  1.9101  1.8507  1.8264

       国内総固定資本形成(民間)

       1.9675  1.9219  1.8742  1.8245

      在 庫 純 増

       1.9949  1.9257  1.9310  1.9263

      輸     出

       2.2228  2.2045  2.1615  2.1226

      平     均

       1.7564  1.7270  1.6815  1.6555

      注1)民間消費支出は、家計外消費支出を含む。
      注2)最終需要項目別生産誘発額とは、需要1単位の発生により誘発される
      全産業の生産額を当該1単位に対する係数で示したものである。


2.公共投資の増加と全産業の生産額


3.事務所ビルの建設コストの変化


4.主要産業の建設需要依存度


5.住宅建設10万戸による経済効果

              注1)平成2年度基準の実質値を示す。
              注2)平成9年度における利用関係別・構造別・工法別の着工戸数、
               戸当たり平米、平米単価を予測した結果の値による。


基礎統計資料へ戻る   公表予定・所在情報     国土交通省ホームページ

    「平成6年 建設部門延長産業連関表」の

 ・内容に関するお問い合わせは、   国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統計課 03-5253-8111(内28-237・28-227)

 ・冊子の購入に関するお問い合わせは、(財)経済調査会 業務部 03-3542-9291 まで