(2)貨物輸送

〜低落傾向に歯止め、長距離コンテナ輸送に活路


 昭和45年度にピークを迎えて以降長期低落傾向にあった国鉄貨物輸送量(トンキロベース)は、JR貨物になった後、好調な国内景気に支えられるとともに、コンテナ化、ピギーバック輸送等の荷主ニーズに対応した輸送サービスを充実させたことにより、63年度から平成2年度は高い伸びを示した。4年度以降は、景気後退の時期もあったこと等により減少したが、7年度は前年度の阪神・淡路大震災の影響の反動もあり、増加した〔1−3−4図〕
 JR貨物の輸送量を国鉄時代と比較してみると、分割・民営化直前の10年間(昭和52年度〜61年度)の輸送量の平均伸び率が、年平均7.9%減であったのに対し、分割・民営化後9年間(昭和62年度〜平成7年度)では年平均2.4%増となっている。
 国内貨物輸送全体におけるJR貨物の分担率(トンキロベース)は、分割・民営化後は横ばいあるいは若干低下しているものの、国鉄時代に比べると低下傾向に歯止めがかかったといえる〔1−3−4図〕。また、JR貨物輸送量(トン数ベース)の距離帯別の推移を昭和61年度から平成6年度まででみると、500km超の距離帯では、コンテナ化の推進等により、輸送量が他の距離帯に比べて大きく伸びており、長距離コンテナ輸送においては競争力を維持している〔1−3−5図〕