(エ)現行スキームの限界

〜残り資産が減少し、債務の累増が不可避


 これまでの債務処理の状況は、前述したとおり、まさに金利等との競争と認識しており、年間1.3兆円ないし1.5兆円の金利等以上の自主財源収入をあげなければ、債務が累増し、最終的に残る債務額も増加することとなる問題を抱えている。
 一方、自主財源収入が、金利等と同額あるいはそれ以上になった場合であっても、一時的には債務は増加しないが、売却により資産額が減少することから、最終的に残る債務額は増加することとなる。また、地価の下落等により資産評価額が目減りすれば、更にその分だけ最終的に残る債務額が増加することとなるといった問題も生じている。
 資産が少なくなってきた現状において、債務の大幅な減少は期待できるものではないばかりか、自主財源を充ててもなお残る債務の累増は避けられない状況となっている。