(ア)JR北海道等についての課題

〜設備投資の確保、経営安定基金の運用益の確保


 

(a)設備投資資金の確保

 3社の営業範囲内においては、高速道路の整備の急速な進展等により、他の交通モードとの競争が激化しており、収入の過半数以上を占める都市間輸送の競争力を将来にわたって維持するためには更なる高速化等の輸送サービスの向上が求められている。また、都市圏輸送においては、地元自治体による道路混雑の緩和等の要請から、輸送力増強のネックとなっている単線区間の改良が必要とされている。
 しかしながら、3社の経営状況では、自己資金のみでは円滑にこれらの投資を実施することができないと見込まれるため、これについて如何に対処するかが課題である。

 

(b)経営安定基金の運用益の確保

 JR北海道等の3社については、会社発足時にその運用益で営業損失を補填し得る収益が生み出されるよう設けられた経営安定基金の運用益が、近年の低金利により急激に減少していることなどから、3社の徹底した経営努力にもかかわらず経営状況が悪化してきており、当面この状況が続くと見込まれることから、早期に完全民営化の実現が可能となる経営基盤の強化が図られるよう、3社の経営状況の悪化の要因である経営安定基金の運用益をいかにして確保するかが課題である。