第3章 裁決における海難原因 9/9
5 プレジャーボートが関連した事件の海難原因
 プレジャーボート関連事件の裁決182件中、対象船舶212隻の事件種類の内訳は右図のとおりです。
(1) 衝突事件
 衝突事件の裁決における、対象船舶125隻の海難原因は右図のとおりです。
(2) 乗揚事件
 乗揚事件の裁決における、対象船舶34隻の海難原因は右図のとおりです。
〜モーターボートM丸乗揚事件〜
 9月14日夜間、M丸(全長7.21m)は、船長ほか1人が乗り組み、知人2人を乗せて回航中、初めて通航する海域であったがGPSプロッターを見ながら航行すれば大丈夫と思い、事前に水路調査を十分に行わなかったので浅所の存在について認識していないまま進行し、浅所に向首して乗り揚げた。
 乗揚の結果、M丸船底外板に亀裂が生じ、船長及び同乗者1人が負傷した。

・船長が、初めての海域を通航する際、GPSプロッターを見ていれば安全に航行することができると思い、事前にヨット・モーターボート・小型船用参考図を精査するなどして水路調査を十分に行わなかったこと。

〜水上オートバイE丸防波堤衝突事件〜
 6月17日、E丸船長は、海水浴場にてレジャーを行っていたところ、無資格者から操縦を教えて欲しい旨の申し出を受け、無資格者をE丸(全長2.84m)の前席に座らせ、船長が後席に座り、無資格者が操縦して航走中、防波堤手前で停止しようとしたところ、無資格者が停止するつもりでスロットルレバーを握り締め、急加速して防波堤に衝突した。
 衝突の結果、E丸は船首部に亀裂を生じて廃船となり、船長、無資格者及び防波堤上の釣り人がそれぞれ負傷した。

・船長が、少しならば無資格者に任せても大丈夫と思い、自ら操縦しなかったこと。
・無資格者が、停止するつもりでスロットルレバーを握り締め、誤操作したこと。

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       表紙     海難レポート2003概要版
メッセージ-CONTENTS-外国船の海難-最近の海難審判庁の動き-海難審判庁のしごと-裁決における海難原因-海難分析-資料編
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