第3章 裁決における海難原因 8/9
4 漁船が関連した事件の海難原因
 漁船関連事件の裁決415件中、対象船舶502隻の事件種類の内訳は右図のとおりです。
(1) 衝突事件
 衝突事件の裁決における、対象船舶312隻の海難原因は右図のとおりです。
(2) 機関損傷事件
 機関損傷事件の裁決における、対象船舶75隻の海難原因は右図のとおりです。
(3) 乗揚事件
 乗揚事件の裁決における、対象船舶50隻の海難原因は右図のとおりです。
〜漁船H丸転覆事件〜
 7月2日夜間、H丸(19トン)は、船長ほか8人が乗り組んで、さけ・ます流し網漁の操業を終えて帰航中、燃料の消費及び積荷の状況により徐々に船体が傾斜し、波浪が高まってくるなかを続航中、高波を受けて海水が打ち込み、海水が船内に侵入し、転覆した。
 転覆の結果、H丸は沈没し、乗組員2人が死亡、1人が骨折等の負傷を負った。

・船長が、夜間、荒天下、満載状況で帰航中、これまで同様の条件で無難に航行していたことから大丈夫と思い、大幅に減速して海水の打ち込みを減じて更なる復原力の低下を防止し、燃料油消費による船体傾斜を修正して海水の滞留を防止するなど復原性に対する配慮が不十分であったこと。
・乗組員の死亡については、船長が、転覆の危険が生じた際、動転して乗組員に救命胴衣の着用を指示しなかったこと。

〜漁船M丸遊漁船K丸衝突事件〜
 7月20日早朝、視程約50mの視界制限時、M丸(14トン)は、船長が1人で乗り組んで航行中、正船首方に漂泊して遊漁中のK丸が存在したが、レーダーによる見張りを十分に行わなかったのでそのことに気付かず続航して衝突した。
 衝突の結果、M丸は船首部を破損し、K丸は左舷側を圧壊し、K丸乗組員2人及び釣り客10人が負傷した。

・ 船長が、平素その付近に釣り船を見かけたことがなかったので、前路に他船はいないと思い、霧中信号を行わず、安全な速力とせず、レーダーによる見張りが不十分で、K丸と著しく接近することを避けることができない状況となった際、針路を保つことができる最小限度の速力に減じず、また、必要に応じて行きあしを停止しなかったこと。

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       表紙     海難レポート2003概要版
メッセージ-CONTENTS-外国船の海難-最近の海難審判庁の動き-海難審判庁のしごと-裁決における海難原因-海難分析-資料編
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