1.検討の経緯
(1)検討対象とした工法について
本会議においては、空港整備におけるこれまでの施工実績や技術開発動向等から、桟橋工法、埋立工法、浮体工法を基本的な検討対象としたが、新滑走路の位置が多摩川の川岸延長線の内側に1000m入ることから、この部分については通水性を確保し、河川管理上支障のないものにする必要があるため、具体的な検討対象として、桟橋工法、埋立・桟橋組合せ工法、浮体工法の三工法を選択し、これらの各工法について、それぞれ知見を有する以下の団体からヒアリング等により協力を得ながら、各工法の評価作業を行った。
| ○桟橋工法 | (社)日本海洋開発建設協会 |
| ○埋立・桟橋組合せ工法 | (社)日本埋立浚渫協会 |
| | (社)日本海洋開発建設協会 |
| ○浮体工法 | (社)日本造船工業会 |
(2)工法評価選定会議の開催状況及び審議内容
本会議は、本年3月28日に設置された後、約7ヶ月にわたり計6回の審議行った。この間、各工法について様々な角度から専門的な検討と評価を行ってきた。その詳細は以下のとおりである。
-
- 第1回会議(平成14年3月28日)
- 羽田空港再拡張事業の概要の紹介及び今後の進め方に関する審議を行った。
-
- 第2回会議(平成14年4月16日)
-
- 第3回会議(平成14年4月30日)
- 三工法に関する各団体からの追加ヒアリングを行うとともに工法評価選定における主要論点(案)に関する審議を行った。
-
- 第4回会議(平成14年7月24日)
- 主要論点についての事務局の検討状況に関する審議を行うとともに、以下の項目について、事務局による有識者ヒアリング等の実施により、更に検討を深めることとした。
-
i) | 防食対策について(三工法共通) |
ii) | 接続部構造の安全性について |
| 滑走路上における継ぎ手構造について(埋立・桟橋組合せ工法) |
| 連絡誘導路と既設空港の継ぎ手構造について(浮体工法) |
iii) | 浮体構造及び係留施設の検討手法の妥当性について(浮体工法) |
iv) | 曳航計画について(浮体工法) |
v) | 工費・工期について(三工法共通) |
vi) | 工費・工期の変動リスクの負担について(三工法共通) |
-
- 第5回(平成14年10月9日)
- 第4回会議において事務局が実施することとされた有識者等ヒアリング等の結果、これを踏まえた主要論点の検討状況及び報告書のイメージ(案)について審議を行った。
-
- 第6回(平成14年10月23日)
(3)工法評価選定における主要論点について
本会議では、三工法の評価作業を行うに当たり、以下の事項を主要論点と位置付け、検討を行った。
-
- 空港として長期・安定的に機能すること
- 空港として必要な機能を有すること
- 構造物(地盤)が長期的に安定していること
- 想定を超える自然条件への対応が可能なこと
- 万一の事故・災害が発生した場合の対応が可能なこと
- 適切な維持管理が可能なこと
-
- 工費
- 確実に実現できる建設工費であること
- 確実に実現できる維持管理費であること
- 他のプロジェクト等へのコスト影響
-
- 工期
-
- 安全・確実な施工
- 工事中の安全対策がとられること
- 安全・確実な施工が可能であること
-
- 環境への影響
- 周辺環境に大きな影響を与えるおそれがないこと
- その他
-
- その他
- 工事中の海上交通及び東京湾各港の機能への影響
- 多摩川への影響
- 技術面での波及効果
- リスクの負担
|