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第5回 工法評価選定会議 資料2 滑走路上における継ぎ手構造について(埋立・桟橋組合せ工法)ー海外空港事例調査ー〔資料2-4〕

各空港の比較


フンシャル空港 ラガーディア空港 羽田空港埋立・桟橋組み合わせ工法
桟橋構造 PCの桁及びスラブをRCの杭で支持 PCの桁及びスラブを、鋼管をケーシングとしたRCの杭で支持 鋼製ジャケットの桁上にPC床版を敷設
支持層の深さ 7-60m 29-46m 73m
陸上部 地山 軟弱地盤を埋め立て 軟弱地盤を埋め立て
陸上部の沈下 なし あり(過去36年間で約60cm) あり(供用後100年間で約30cmを想定)
桟橋部と陸上部の接続構造 ゴムジョイント フィンガージョイント モジュラージョイントを介した渡り桁
接続部の許容変位量 軸方向275mm
軸直角方向±176mm
軸方向32mm
軸直角方向32mm
軸方向600mm
軸直角方向600mm
対象航空機荷重 ボーイング747-400 (369t) ボーイング767-400 (204t) LA-0 (680t)
杭の防食対策 なし あり(海面下は電気防食、飛沫帯は塗覆装) あり(海面下は電気防食、飛沫・干満帯は耐海水性ステンレスライニング)
地震への対応 再現期間100年の地震を考慮 当初設計においては考慮せず、2年前のフィンガージョイントへの取替えにあたって考慮 再現期間数百年の地震を考慮

地震規模の比較(再現期間475年)

地盤加速度(再現期間475年)
ゾーン0 0-0.05g
ゾーン1 0.05-0.15g
ゾーン2 0.15-0.25g
ゾーン3 0.25-0.35g
ゾーン4 0.35-0.45g
ゾーン5 0.45-0.55g
A:浅層地殻断層地震ゾーン
B:深層逆断層地震ゾーン
C:浅層地殻断層と深層逆断層の混合地震ゾーン
D:地殻内地震ゾーン
出典:Bea, 1997; Background for the Proposed International Standard
Organization Reliability Based Seismic Design Guidelines for Offshore Platforms

地震規模と頻度の比較(参考)


単位:地震発生回数
マグニチュード 関東周辺
(約309,000km2)
ニューヨーク州
(約141,000km2)
1951~2000年
(50年間)
1949~1998年
(50年間)
5.0~5.9 725 1
6.0~6.9 76 0
7.0~ 5 0
出典:関東周辺:気象庁震源データ
ニューヨーク州:United States Geological Survey


羽田空港再拡張事業埋立・桟橋組み合わせ工法の検討にあたっての比較検討(1)

●フンシャル空港
      ●桟橋部と陸上部の複合構造からなる空港であり、滑走路上に接合部を有しているが、走行性の
          問題は生じていない。
      ●地震を考慮しているため、継ぎ手部の許容変位量は比較的大きくとっている。現在まで、地震の
          被災例はない。
      ●陸上部は地山であるため、沈下は生じない。

羽田空港再拡張事業埋立・桟橋組み合わせ工法の検討にあたっての比較検討(2)

●ラガーディア空港
      ●桟橋部と陸上部の複合構造からなる空港であり、滑走路上に接合部を有しているが、走行性の
          問題は生じていない。
      ●地震の少ない地域であるため、継ぎ手部の許容変位量は比較的小さくとっている。
      ●陸上部は軟弱地盤上に建設されており、沈下が生じているが、定期的なメンテナンスにより対応
          している。

羽田空港再拡張事業埋立・桟橋組み合わせ工法の検討にあたっての比較検討(3)

●羽田空港再拡張事業について提案されている埋立・桟橋組み合わせ工法
      ●桟橋部と陸上部の複合構造からなる空港であり、滑走路上に接合部を有しているが、走行性の
          問題は生じないと考えられる。
      ●地震の規模が両空港に比べて大きい地域であるため、継ぎ手部の許容変位量を大きくとる等地
          震への十分な配慮が必要であると考えられる。
      ●地震後は、比較的短期間で供用の再開が可能となる復旧方法が求められる。
      ●陸上部の沈下は、定期的なメンテナンスにより対応可能であると考えられる。


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