これまで水資源開発施設の建設を推進してきた結果、水を供給する施設のストックが増大し、人々の生活や産業を支えています。そのため、これらの施設の改築・更新を適切な時期に行い、施設の老朽化に伴う漏水や破断事故を防ぎ、安定的な水の供給を確保することが重要になっています。
近年の社会経済情勢の変化等によって、地域の水利用に対する意向が当初と異なっている場合には、関係者の相互の理解と合意を得た上で、用途間をまたがった水の転用が行われています。全国の一級水系では1965年度から2012年度末までの間に農業用水や工業用水から水道用水等の他用途に転用しています。これによって毎秒約63m3/sの水道用水の供給が可能になりました。
既存施設の効果をさらに高めて、施設を有効に活用するために様々な工夫がなされています。
統合管理
同一の流域内で複数のダムが運用されている場合に、これらのダム群の貯留水を総合的に管理し、最も効果的な用水の補給を行っています。
ダムの再開発
ダムの嵩上げや堆積土砂の除去等による貯水池容量の増大や、取水・放流設備の新設等によるダムの運用の変更により、ダムの治水・利水機能を増大させます。
ダム群連携事業
複数ダムを水路で連絡し、無効放流されている水量を他のダムに貯留することにより、既設ダムの容量を有効利用します。
ダム群再編事業
治水機能が高いダムと利水機能が高いダムの貯水池容量を効率的に再配分することにより、洪水調節効果や河川環境改善効果を高めます。
〔ダム群再編事業の考え方〕