水資源

地下水保全と地盤沈下の現状

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 地盤沈下は不可逆な現象で一旦生じると回復が困難である。また、地下水の塩水化などの地下水障害は、回復に極めて長期間を要する。
 地下水は、年間を通じて温度が一定で低廉であるなどの特徴から、高度経済成長期以前までは良質で安価な水資源として幅広く利用されてきた。しかし、高度経済成長の過程で、地下水採取量が増大したため、地盤沈下や塩水化といった地下水障害が発生し大きな社会問題となった。このため、地下水障害が顕在化した地域を中心に、法律や条例等による採取規制やダム等の整備による河川水への水源転換などの地下水保全対策が実施された結果、近年では大きな地盤沈下は見られなくなった。しかしながら、依然として沈下が続いている地域が多数存在していることや、渇水時には過剰な採取により地盤沈下が進行する事を踏まえ、今後も地下水の保全を図りつつ持続可能で適切な地下水利用が図られる必要がある。

地盤沈下の現状

 地下水の過剰採取による地盤沈下については、関東平野南部では明治中期(1890 年代前半)から、大阪平野でも昭和初期(1930 年代中頃)から認められ、さらに、30 年以降(1955 年以降)は全国各地に拡大した。地盤沈下は、地下水の採取規制や表流水への水源転換などの措置を講じることによって、近年沈静化の傾向にある。
 依然として沈下が続いている地域が多数存在していることや、渇水時には過剰な地下水の採取により地盤沈下が進行することを踏まえ、今後も地下水の保全を図りつつ持続可能で適切な地下水利用を図っていく必要がある。また、臨海部では、地下水の過剰採取によって帯水層に海水が浸入して塩水化が生じ、水道用水や工業用水、農作物への被害等が生じている地域もある。

 平成24 年度(2012 年度)の環境省における全国の地盤沈下状況によると、年間2㎝以上沈下した地域数は、7地域(前年度は14 地域)であり、年間2cm 以上沈下した面積が1.0㎢以上の地域の面積は2.0 ㎢(前年度は5,919.5 ㎢)であった。

地下水保全に関わる対策

 地下水の保全を目的に地下水の採取規制が行われています。工業用地下水を対象とする「工業用水法」、建築物用地下水を対象とする「建築物用地下水の 採取の規制に関する法律」があり、それぞれ地下水障害の発生地域を指定して地下水の採取規制をしています。
 また、多くの地方公共団体で地下水の採取を規制 する条例等を制定しています。広範囲に著しい地盤沈下が見られた、関東平野北部、濃尾平野、筑後・佐賀平野の3地域については関係閣僚会議において決定さ れ た地盤沈下防止等対策要綱によって総合的な対策がとられています。

地下水関連法制度について

地下水の水質と新たな問題

 水質保全の観点から、1989年より都道府県は水質汚濁防止法に基づき地下水質の汚染の状況を常時監視するようになりました。また、1996年には 水質汚濁防止法を改正し、汚染された地下水の水質浄化措置についての制度整備が行われています。 東京では地下水の揚水規制の効果が顕著であり、1960年代に比べ地下水位が約20m回復しています。そのため、地下水位が低い当時に建設された建築物の基礎が不安定になるなど地 下水位の回復に伴った新たな問題も生じてくるようになっています。

地下水の水質汚濁に係る環境基準について(環境省)

お問い合わせ先

国土交通省 水管理・国土保全局 水資源部 水資源政策課
電話 : 03-5253-8111
直通 : 03-5253-8386
ファックス : 03-5253-1581

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