防災

流域治水について

近年、全国各地で水災害が激甚化・頻発化するとともに、気候変動の影響により、今後、降雨量や洪水発生頻度が全国で増加することが見込まれています。

このため、ハード整備の加速化・充実や治水計画の見直しに加え、上流・下流や本川・支川の流域全体を俯瞰し、国や流域自治体、企業・住民等、あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の実効性を高めるため、様々な取り組みを推進しています。

災害復旧事業における流域治水

■流域治水型災害復旧

堤防の決壊や越水が発生した場合に、下流の追加対策も含めトータルで国費・総事業費ともに安くなる場合、下流への負荷を抑えつつ、再度災害防止・減災を図る復旧方法として、災害復旧事業において輪中堤や遊水地による復旧が可能です。

輪中堤や遊水地、排水施設等の整備により遊水機能を確保しつつ、家屋浸水を防御することにより、下流における改修を待つことなく、被災箇所の再度災害防止を実現します。

〇災害復旧で行う際のポイント

  • 「災害査定時点で河川整備計画又は流域水害対策計画が策定されており、当該箇所における輪中堤又は遊水地の整備内容が記載されていること」が採択要件の1つであるため、平時からの流域治水対策の検討、整備計画等の策定・変更を進めることが重要です。
  • その他の採択要件について十分に確認することが必要です。なお、要件に合致しない場合においても、改良復旧による手法もあることから、適宜相談をお願いします。

〇実施事例
令和4年度発生災害において、流域治水の考えを取り入れた復旧事業が採択されました。

■遊水地内の堆積土砂撤去

遊水地で洪水貯留を行ったのち、土砂等(土砂、流木、塵芥)が遊水地内に堆積し、洪水調節機能や施設機能に影響を及ぼす場合には、早期に機能を復旧させるため、災害復旧事業として堆積土砂等の撤去が可能です。

○採択要件

【洪水調節機能に影響を及ぼす場合】 
土砂:1,000m3以上
流木:500m3以上 のいずれかの堆積の場合 
※いずれも塵芥を含む
【施設機能に影響を及ぼす場合】
遊水地に係る河川管理施設等の機能に支障を及ぼす場合
※土砂や流木等が要件の数量以下でも対象

○災害復旧で行う際のポイント

  • 土砂等の堆積量は、原則として被災前1年以内の現地状況と十分に比較検討し、算定する必要があるため、事前の測量データの取得が重要です。
  • 土砂等の堆積により河川管理施設等の機能が確保されていない状況については、被災前後が確認できる写真等を整理する必要があります。
  • 地役権等の方式の場合、平時より関係施設管理者等と対象とする施設、実施する事業、費用の負担等について調整し、覚書を締結しておく必要があります。

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