七 まとめ
1 以上のとおり、本件においては、本件堰ゲート扉の閉鎖により、地震、洪
水、高潮、津波などの災害の際に、控訴人ら個人個人の人格権が侵害される
具体的な危険が存することや、本件堰のゲート扉閉鎖を伴う運用を継続する
ことによる地盤漏水、環境破壊等により、控訴人ら個人個人の人格権が侵害
される具体的な危険が存することは認定することはできない。また、河床浚
渫による河床変動、板取ダム間題により生じ得る被害は、仮にそれが存する
としても、本件堰を原因とするものとは認められない。
2 控訴人らは、本件堰が公共性を待たないとして、原審及び当審において縷
々主張するが、上記のとおり、控訴人ら個人個人の人格権が侵害される具体
的な危険が存することを認定することができないのであるから、すすんで公
共性に関する主張について判断をする必要は存しない。
3 よって、本件堰ゲート扉の開鎖禁止請求は、当事者のその余の主張につい
て判断をするまでもなく、理由がない。
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