近代土木遺産リスト |
番号 |
都道府県 | 名称 | 完成年 | 概要 |
1 | 北海道 | 千歳第一取水堰堤 | 明治43年 | 玉石コンクリートバットレス重力式ダム/明治期の発電用重力式ダムでは(取水堰堤でダム発電ではない)先進的/重力式だがバットレスを付ける(バットレス式ではわが国最古)/王子製紙の関連施設 |
2 | 笹流堰堤 | 大正12年 | 鉄筋コンクリートバットレスダム/日本初のバットレス・ダム=水道用では唯一/昭和60(1985)年に鉄筋コンクリート梁柱を巻き立て補強 | |
3 | 小樽運河 | 大正12年 | 練積コンクリート護岸(間知石)/かっての北海道の物流の中核地/部分埋立てなど大胆な改変と修景=小樽観光のシンボル的存在/運河沿いの倉庫が観光化利用 | |
4 | 青森県 | 大湊第一堰堤 | 明治43年 | 粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム(アーチ状、安山岩)/堤体の溢流口のアーチが美しい |
5 | 宮城県 | 鴇波洗堰 | 昭和7年 | 鉄筋コンクリート堰(暗渠によるオリフィス部+溢流部)/現存最大の戦前の固定堰/北上川分水事業の要 |
6 | 脇谷洗堰 | 昭和7年 | 鉄筋コンクリート堰(暗渠によるオリフィス部+内部のラジアルゲート+溢流部)/北上川分水事業の要 | |
7 | 脇谷閘門 | 昭和7年 | 鉄筋コンクリート造、引上戸(鋼)/北上川分水事業の要 | |
8 | 石井閘門 | 明治13年 | 煉瓦閘門、単純・合掌戸(木→鋼)/現存最古の閘門/北上運河のシンボル/ファン・ドールン | |
9 | 北上運河 | 明治13年 | 護岸: 掘削・張芝→一部石組→一部コンクリート改修/両岸の木立が美しい/ファン・ドールン | |
10 | 貞山運河(新堀) | 明治23年 | 護岸: 一部石組/廃藩置県に伴う士民救済事業/両岸の木立が美しい | |
11 | 明治穴堰 | 明治43年 | 煉瓦トンネル/品井沼放水路/岩盤が脆いため煉瓦巻/ファン・ドールン | |
12 | 秋田県 | 藤倉堰堤 | 明治44年 | 粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム/明治期の水道用ダム=地方都市の水道ダムとしては異例に早い/流水が美しい |
13 | 小滝温水路 | 昭和18年 | 練積コンクリート堰堤群/流水中に日照を取り込むため水深を浅く落差工を増やした水路/風景として最も美しい | |
14 | 福島県 | 安積疏水十六橋水門 | 大正3年 | コンクリート水門(石+煉瓦張、ローラーゲート)/ファン・ドールンの安積疎水のシンボル(ファン・ドールン時代の構造物ではない)/16連の大型可動堰/水切のように尖った石積ピア |
15 | 茨城県 | 関宿水門 | 昭和2年 | 鉄筋コンクリート堰(スト二−ゲート)/8連の大型可動堰/利根川改修事業(利根川→江戸川に分流)のシンボル的存在/現役の大型堰 |
16 | 関宿閘門 | 昭和2年 | 鉄筋コンクリート閘門、単純・合掌戸(鋼)/利根川改修事業(利根川→江戸川に分流)のシンボル的存在 | |
17 | 横利根閘門 | 大正10年 | コンクリート(煉瓦張)閘門、複式・合掌戸(鋼)/大正期の閘門で唯一現役/利根川改修計画(利根川〜霞ヶ浦の水運)のシンボル的存在/最も保存状態の良い煉瓦閘門 | |
18 | 栃木県 | 外山原取水堰堤 | 明治30年 | 練積コンクリート堰堤(自然堰乱張)排砂門(切石布積)/明治30年代の発電用堰堤・排砂門も石造 |
19 | 那須疎水第一次取水隧道 | 明治18年 | トンネル抗口を思わせる重厚な取水口 | |
20 | 那須疎水第三次取入口水門 | 明治38年 | 整然とした切石布積の石水門 | |
21 | 黒部ダム | 大正1年 | 粗石コンクリート(表面布積)重力式アーチダム/日本初の発電用コンクリートハイダム/戦前の重力式アーチダムは数少ない | |
22 | 群馬県 | 八幡川砂防堰堤群 | 明治14年〜18年 | 巨石空積堰堤/榛名砂防/一部に巨石を組み込む/最奥部の5号石堰堤が最大 |
23 | 丸沼ダム | 昭和12年 | 鉄筋コンクリートバットレスダム/日本一高いバットレス・ダム/2つの湖に挟まれた特殊なスタンディング | |
24 | 岩神の霞堤群 | 明治30年代 | 石堤防(玉石積)/典型的な不連続堤(霞堤)が都市内で大規模に残る=公園化/利根川 | |
25 | 埼玉県 | めがね橋堰(旧倉松落大口逆除) | 明治24年 | 煉瓦水門/現存最古かつ最大級の埼玉の煉瓦水門=4連の煉瓦水門/上部は改修大 |
26 | 五会門樋(五ヶ門樋) | 明治25年 | 煉瓦水門/現存する2番目に古い埼玉の煉瓦水門 | |
27 | 千葉県 | 柳原水閘 | 明治37年 | 煉瓦水門/4連の煉瓦水門(関東地方の煉瓦水門の中で第一級)楯状迫石/鼻黒煉瓦を使用 |
28 | 利根運河 | 明治23年 | 計画:ムルデル/年平均2万隻が利用した大運河 | |
29 | 江戸川水門 | 昭和18年 | 鉄筋コンクリート水門/水門通路の高欄に米型の飾り(閘門ゲートの補剛板と同じパターン)/東京都も含む | |
30 | 江戸川閘門 | 昭和18年 | 鉄筋コンクリート閘門/引上戸(鋼)/戦前最大の閘門/閘門ピアに花崗岩の隅石/東京都も含む | |
31 | 東京都 | 羽村堰 | 明治44年 | コンクリート堰(溢流堰)+鉄筋コンクリートピア(投渡堰)、段差工(曲線、布石) 3連の固定堰=投渡しの技術を継承する全国唯一の例/曲線を描く3段の石の護床 |
32 | 岩淵水門 | 大正13年 | 鉄筋コンクリート堰(スト二−ゲート)/高い耐震性/ピアに入る等間隔の横目地、縦縞のスリット高欄の組み合わせがモダン/赤く塗られたゲート=「赤水門」/荒川放水路の要/青山の碑文/島状に保存 | |
33 | 六郷水門 | 昭和6年 | 鉄筋コンクリート閘門(鉄筋煉瓦基檀)、引上戸(鋼)/多摩川 | |
34 | 閘門橋(旧弐郷半領猿又閘門) | 明治42年 | 煉瓦水門(逆水止)/関東に残る最大の煉瓦樋門=5連の煉瓦水門/上下流で門数が変わる | |
35 | 羽田赤煉瓦堤防 | 昭和9年 | 煉瓦防潮堤(薄い胸壁)/多摩川 | |
36 | 重箱掘石積護岸 | 大正2年 | 隅田川河口の浚渫土を用いて造成された埋め立て地の護岸/芝浦運河 | |
37 | 神奈川県 | 堀川親水護岸 | 大正13年 | 鉄筋煉瓦造/煉瓦護岸は非常に珍しい/都市河川の一部として見事に保存・活用/多摩川 |
38 | 川崎河港水門 | 昭和3年 | 鉄筋コンクリート閘門(鉄筋煉瓦基檀)、引上戸(鋼)/フロントローラー式スライドゲート/色ガラスの埋込み、葡萄と梨(川崎の名産品)の彫刻/第一次大戦後の(実現しなかった)運河・港湾計画の名残り/多摩川 | |
39 | 新潟県 | 鹿瀬ダム | 昭和3年 | 玉石コンクリート重力式ダム(テンターゲート)/堤長300mを越える重力式ダム/ゲート数20も最多級/肥料工場が主な電力供給先 |
40 | 大河津分水可動堰 | 昭和6年 | 鉄筋コンクリート堰(スト二−ゲート)/戦前最大の放水路事業のシンボル的存在 | |
41 | 大河津分水路 | 大正11年 | 信濃川の水害を防いだ「東洋一」の巨大プロジェクト | |
42 | 加治川運河水門・土砂吐水門 | 大正1年 | 石水門/合計8門の大型石水門/加治川放水路の要となる構造物/一部高欄に過剰な修景 | |
43 | 富山県 | 白岩堰堤 | 昭和14年 | コンクリート重力式ダム(本体)/日本一高い砂防ダム/立山砂防のシンボル的存在 |
44 | 小牧ダム | 昭和5年 | 玉石コンクリート重力式ダム(アーチ状、テンターゲート)/建造時東洋一の高さ(戦前で三番目の高さ)/3次元的なアーチ曲面/特異な魚エレベーターと材木コンベア | |
45 | 小屋平ダム | 昭和11年 | コンクリート重力式ダム(ローリングゲート)/小屋平・仙人谷の両ダムは自然に配慮した簡潔なデザインで統一/越流部の見事な造形 | |
46 | 五厘堤 | 明治29年 | 石堤防(玉石積、不連続堤)/北陸急流河川の不連続堤/早月川 | |
47 | 中島閘門 | 昭和9年 | 鉄筋コンクリート閘門、単純・合掌戸(鋼)/数少ない現役閘門/神通川に並行(急流河川のため閘門が必要に)/富岸運河を親水修景/下流側に巻石護岸 | |
48 | 石川県 | 甚之助谷堰堤群 | 昭和7年 | 巨石空積堰堤/白山砂防の第一号/未だに崩落が続く荒れた沢に連続して残存=堰堤の損傷が大 |
49 | 七ヶ用水給水口 | 明治34年 | 煉瓦トンネル/石川県最大の農業用水/盾状追石のアーチ環が3つ並ぶ特異な景観/取川 | |
50 | 山梨県 | 芦安堰堤 | 大正5年 | 練積コンクリート堰堤(下段:重力式、上段:アーチ状)/大正期の砂防/最初期の練積堰堤/大正末期の嵩上げ時点で当時最も高い砂防堰堤/御勅使川 |
51 | 勝沼堰堤 | 大正6年 | 練積コンクリート堰堤(アーチ状)/大正期の砂防/堤長100mに迫る大型砂防堰堤=当時最大級/カーブを描いた流水が美しい/日川 | |
52 | 長野県 | 牛伏川フランス式流路工 | 大正7年 | 空積(一部練)堰堤+流路 /フランス式砂防の代表(フランスのデユランス川のサニエル渓谷を参考に)カスケードを思わせる美しい渓流/丸味を帯びた三面石積 |
53 | 南向取水堰堤 | 昭和4年 | コンクリート堰堤(ローリングゲート、ゲートピア=機器被覆式)/R型断面のゲートピアと円形窓/ローリングゲートが良くマッチ(機能とデザインの見事な調和) | |
54 | 西天竜幹線水路円筒分水群 | 昭和13年 | 鉄筋コンクリート造円筒分水/約35基の円筒分水が4市町村にまたがって散在する=全国最大規模 | |
55 | 岐阜県 | 羽根谷一号堰堤 | 明治21年 | 巨石空積堰堤/デ・レイケの指導による養老砂防ダムのシンボル的存在/明治期で最大級の砂防ダム |
56 | 大井ダム | 大正13年 | 玉石コンクリート重力式ダム(テンターゲート)/日本初の本格的コンクリートダム=大正期までで最も高いダム/玉石コンクリートだが人間大の巨石も混入/オベリスク風の照明台/観光名所・恵那峡を生み出す/木曽川 | |
57 | 上麻生ダム | 大正15年 | 玉石コンクリート重力式ダム(ローリングゲート、ゲートピア=表面布積)/ゲートピア:石張/現存最古・大型のローリングゲート・日本で大正期の雰囲気が最も残るダム/飛騨川 | |
58 | 忠節の特殊堤 | 昭和15年 | コンクリート堤防(玉石積) 拡幅余地のない市街地の急勾配石堤防/パラペットに角落工(畳をはめた)Y字形の階段(庭園的要素)/背景に金華山/長良川 | |
59 | 五六用水逆水樋門 (牛牧閘門) |
明治40年 | たたき水門(アーチ:切石)/庄内用水元圦樋と並び服部人造石で造られた最も典型的な石樋門/輪中の排水:逆流防止 | |
60 | 静岡県 | 大間ダム | 昭和14年 | コンクリート重力式ダム(テンターゲート)/一段高くなったゲートピアの上の通路と昇降用の階段が特徴/高欄まわりのデザインが見どころ |
61 | 愛知県 | 岩津取水堰堤 | 明治30年代 | 練積コンクリート堰堤(全面溢流式)/明治30年代の発電用堰堤(栃木の外山原と並び現存・現役最古で保存状態が良い)/直線状の越流部(撥ねるような流水が美しい) |
62 | 木曽川ケレップ水制群 | 明治44年 | 石水制(T型、玉石積)/デ・レイケの木曾三川改修事業の枢要である木曾川付替えを技術的に可能にした水制工(戦前で最大規模の水制群) | |
63 | 船頭平閘門 | 明治35年 | 煉瓦閘門、複式・合掌戸(鋼→ステンレス鋼)/明治期の閘門で唯一現役/木曽・長良川を結ぶ木材輸送/平成6復元 | |
64 | 松重閘門 | 昭和7年 | 鉄筋コンクリート閘門、引上戸(鋼)/双塔をもつ運河閘門の中で最も装飾的/ゴシック要素を入れたアール・デコ(塔頂部:ゴシック趣味/基部:アール・デコ)/両双塔間に高速道路が通り景観を損なう | |
65 | 立田輪中悪水樋門 | 明治35年 | 煉瓦+石水門/輪中地域で最大の様式樋門=8連の煉瓦水門(煉瓦水門ではわが国の現存最大)/計画ミスですぐに使用不能となったため保存状態は最良 | |
66 | 庄内用水元圦樋 | 明治43年 | たたき水門(アーチ:切石)/五六用水逆樋門と並び服部人造石で造られた最も典型的な石樋門/アーチ内部にボート牽引用の鉄鋲 | |
67 | 百々貯木場水門 | 大正7年 | たたき水門/水門から仕切堤まで全て石積/あやめの咲く歴史公園として整備 | |
68 | 三重県 | 緑橋防潮水門 | 大正7年 | 石水門(アーチ部のみ煉瓦)/5連の石水門/海潮による米穀被害の救済/高欄:御影石を円形断面に加工 |
69 | 滋賀県 | 草津川オランダ堰堤 | 明治22年 | 切石空積堰堤(階段状、花崗岩)/最大規模の階段状砂防堰堤/周辺の砂防公園と巧く一体化している |
70 | 宇曽川流路工 | 大正1年 | 空積水路(U字断面)/100m以上真直ぐに延びる半円形断面の石張水路=牛伏川砂防と並ぶ大正期のユニークな砂防 | |
71 | 南郷洗堰 (旧瀬田川洗堰) |
明治37年 | 煉瓦堰/戦前最大(ゲート数)の可動堰/もし当初の32門がそのまま残っていたら超A級の遺産であった | |
72 | 京都府 | 木津川取水堰堤 | 大正8年 | 練積コンクリート堰堤(切石布積)/発電用堰堤で堤高最大/高さ10mを越える保存状態の良い練積坊主堰堤/切石布積の堰堤/木津川 |
73 | 琵琶湖疏水インクライン | 明治23年 | ドライ方式のインクライン/日本で唯一のインクライン/ドライ方式は当時の標準(現在はウエット方式)、水位差は当時世界でも2番目?、船のトン数は最少の部類、電気動力は最先端 | |
74 | 琵琶湖疎水第一疎水第三隧道 | 明治22年 | 石トンネル(石ポータル) | |
75 | 琵琶湖疎水第一疎水第二隧道 | 明治20年 | 石トンネル(呑口:石ポータル、吐口:煉瓦ポータル) | |
76 | 琵琶湖第一疎水第一隧道 | 明治23年 | 石トンネル(煉瓦ポータル)/滋賀県も含む | |
77 | 大阪府 | 堂島川可動堰 (水晶橋) |
昭和4年 | 鉄筋コンクリート堰(テンターゲート)、鉄筋コンクリート閘門、鉄筋コンクリート開腹アーチ/典型的なアメリカン・タイプのデザイン=アーチ上の9つの小アーチが美しい/堂々とした親柱・階段 |
78 | 安治川(河底)隧道 | 昭和19年 | 沈埋函/戦前唯一の道路用河底トンネル | |
79 | 兵庫県 | 白水川堰堤 | 昭和8年 | 練積(鎧風)コンクリート堰堤(花崗岩)/鎧積、頂部に白石飾り(六甲砂防の特徴)/荒廃した神戸層特有の地形 |
80 | 布引堰堤 | 明治33年 | 粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム/日本初の粗石コンクリート重力式ダム/明治期で最も高いダム/滝を思わせる余水吐 | |
81 | 烏原堰堤 | 明治38年 | 粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム(アーチ状)/余水吐:連続アーチ/取水搭覆屋:新古典を装飾的に変容させたデザイン | |
82 | 千苅堰堤 | 大正8年 | 粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム(スト二−ゲート)/大正中期の時点で最も高い水道用粗石コンクリートダム/堤頂に並ぶスライドゲート=現存最古 | |
83 | 上田池堰堤 | 昭和7年 | 粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム 日本一高い農業用粗石コンクリートダム/兵庫県の定型的な貯水ダム=切石布積が美しい/溢流部に扁平連続アーチ/高欄:市松風透かし | |
84 | 島根県 | 神戸堰(神門堰) | 昭和3年 | コンクリート堰堤(多連アーチ状、全面溢流式)/日本で唯一の多連アーチ状の溢流式堰堤/小規模だが非常に美しい水流は他に例を見ない=近代河川構造物の傑作/竣工記念碑あり |
85 | 岡山県 | 井風呂谷川三号堰堤 | 明治33年頃 | 巨石空積堰堤/明治期で最大級砂防ダム/石の巨大な擁壁(所々波打つ)を思わせる堰堤 |
86 | 恩原ダム | 昭和3年 | 鉄筋コンクリートバットレスダム/現存最古の発電用バットレス・ダム(発電用の第一号は新潟の高野山ダム=既撤去) | |
87 | 勝山の舟着場 | 明治初年 | 石舟着場(玉石積、巻石)/巻石護岸/川と共存した町なみがよく保存されている/旭川 | |
88 | 大曲第二樋門 | 明治35年頃 | 石水門(アーチのみ煉瓦、花崗岩)/高崎・大曲地区の取排水樋門(大曲地区の残る1樋門は半壊)/笠石を載せた石柱が特徴=妹尾・丙川樋門と違い、近世の石樋門の延長線上にあるデザイン | |
89 | 大曲第三樋門 | 明治35年頃 | 石水門(アーチのみ煉瓦、花崗岩) 同上 | |
90 | 丙川三連樋門 | 明治37年 | 石+煉瓦水門(花崗岩)/3連の煉瓦水門/河口の防潮水門/楕円アーチの石組み(備前石工の伝統)/(丙川)機械化のため鉄筋コンクリートピアを追加 | |
91 | 妹尾三連樋門 | 明治37年 | 石+煉瓦水門(花崗岩) 同上 | |
92 | 酒津取水樋門 | 大正11年 | 鉄筋コンクリート水門/最大級(15連)の農業水門/(南配水)倉敷・備前樋・南部・西部・西岸の各用水、(北配水)八ケ郷・山根川・中川・三番川・浜川の各用水/花崗岩を使って装飾 | |
93 | 酒津南配水樋門 | 大正11年 | 鉄筋コンクリート水門 同上 | |
94 | 酒津北配水樋門 | 大正12年 | 鉄筋コンクリート水門 同上 | |
95 | 広島県 | 小部下砂留 | 大正初期 | 巨石空積堰堤(3・4段の谷積、底部は江戸期の乱積)/城石垣を思わせる隅角部の石積(流路に平行して副堤のあるのが特徴)/福山藩砂防の石積技術を継承 |
96 | 小部上砂留 | 大正初期 | 同上 | |
97 | 本庄堰堤 | 大正5年 | 粗石コンクリート(表面布積、白御影石、アーチ状)重力式ダム(石バットレス付)/緩やかなカーブする御影石の堰堤と5本のバットレスによって生み出される重厚かつ丹精なイメージ/ダム頂部に多様な飾り石積 | |
98 | 徳島県 | 大谷川堰堤 | 明治19年 | 巨石空積堰堤(アーチ状)/堤長100mに迫る大型砂防堰堤=当時最大か/3段で緩やかな曲線を描く明治の大堰堤 |
99 | 吉野川第十樋門 | 大正12年 | 鉄筋コンクリート水門(スルースゲート)/6連の水門/旧吉野川水路への洪水遮断 | |
100 | 香川県 | 豊稔池堰堤 | 昭和5年 | 玉石コンクリート(表面布積)/マルティプル・アーチダム/日本で唯一の形式/西洋の古城を思わせる造形/アーチ背面はコンクリートブロック |
101 | 福岡県 | 河内堰堤 | 昭和2年 | 粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム/戦前の貯水池ダムで最も高い/取水搭上屋・弁室:自然石張、矢狭間をもつキャッスル様式/産業用ダム(八幡製鉄所) |
102 | 筑後川導流堤 | 明治23年 | 石導流堤(空積、捨石)/デ・レイケ/壮大な導流堤=土砂の堆積防止(若津港への航路)/原形のまま現役(コンクリート被覆されていることが多い)/干潮時に見える/佐賀県も含む | |
103 | 長崎県 | 本河内高部堰堤 | 明治24年 | アースダム/日本初の水道用ダム/左右に分かれた石階段 |
104 | 西山堰堤 | 明治37年 | 粗石コンクリート(コンクリートブロック張)重力式ダム/明治30年代の水道ダム/頂部に2本の線+デンティル/新西山ダムの湖中に保存 | |
105 | 熊本県 | 郡築三番町樋門 | 明治33年 | 石水門(排水、アーチのみ煉瓦)/10連の石水門=石水門ではわが国の現存最古 |
106 | 大分県 | 白水堰堤 | 昭和13年 | 粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム(全面溢流式)/転波列が造りだすレース模様の流水が美しい/右岸:特異な曲面流路、左岸:円形の階段状流路 |
107 | 宮崎県 | 塚原ダム | 昭和13年 | コンクリート重力式ダム(テンターゲート)/戦前で最も高いダム/玉石を使用しない最初の硬練コンクリートダム |
108 | 沖縄県 | 喜友名泉 | 明治22年 | 湧き水の共同水汲み場/一畳敷大の石が特徴 |
109 | 我如古樋川井 | 明治25年 | 湧き水の共同水汲み場/立派な階段を持つ典型的な囲い込み井戸 | |
110 | 金武大川 | 大正13年 | 湧き水の共同水汲み場 |
注意 | |
・施設の区分は、「日本の近代土木遺産」の構造種類別リストを基本としている。 ・河川と直接関係がないと思われる橋梁・水路橋・水路トンネル(一部)は割愛した。 ・記載されていない県は、河川にかかわる最も重要な近代土木遺産(Aランク)の土木施設が現時点では確認できなかった。 ・概要は簡単に記述してあるため、詳細は文献を参考のこと。 ・複数の都道府県にわたる施設は、どちらか片方の都道府県にまとめて記載した。 江戸川水閘門(千葉と東京) 琵琶湖疎水第一隧道(滋賀と京都) 筑後川導流堤(福岡と佐賀) |