水管理・国土保全

  

| 河川トップ | 川の歴史 | 主な災害 | 地域と川 | 自然環境 |   


球磨川の自然環境

球磨川の自然環境
球磨川の自然
"球磨川は、源流から中流域の殆どが狭隘部を抜ける急流河川であるため、日本三急流の一つとして数えられています。流域内には、昔ながらの自然環境を多く残しており、動植物も数多く生息しています。特に球磨川のアユは大きく、30cmを超すアユは尺アユと呼ばれています。"

 球磨川源流部の市房山には、熊本県の天然記念物にも指定されている九州特産のツクシアケボノツツジが生育しています。また、市房ダム周辺は桜の名所として、シーズンには多くの人が訪れます。
 上流部は人吉・球磨盆地の田園地帯が広がっており、初夏にはゲンジボタルが広く見られます。また、あさぎり町から錦町にかけての河川敷で貴重種のツクシイバラが群生自生しています。人吉地区にはカジカガエルが生息し、美しい鳴き声は夏の風物詩となっています。
 中流部は、山間狭窄部で急流となっており、河岸は巨岩・奇岩が連なり瀬と淵が連続して交互に出現しています。水際の河原にはツルヨシ群落が分布しており、エノキ、アラカシの高木林はヒヨドリやサギ類のねぐら、繁殖場となっています。
 下流部は八代平野の八代市街地を貫流しており、高水敷は大規模な公園として利用されています。ヨシ群落やヤナギ林が分布しており、ヒバリやセッカ等の草地性の鳥類などの生息の場となっています。
 河口部は八代海の干満の影響を受ける感潮域で、環境省の「日本の重要湿地500」にも選定されてます。ハクセンシオマネキ等の干潟特有の生物が多く生息しており、チギ・シドリ類やカモメ類等の渡り鳥の中継地・越冬地となっています。




市房ダム周辺の桜


河川敷に自生するツクシイバラ



球磨川総合水系環境整備事業
「八の字床固め工」の整備
球磨川下流域にはかつて良好な瀬が存在し、アユをはじめとする水生生物の良好な生息場となっていましたが、過去に行った砂利採取や河川改修によって瀬の多くが減少しています。その結果、球磨川の観光資源の一つでもあるアユ等の魚類も年々減少傾向にあります。
 また、球磨川下流にある遙拝堰は昭和40年代に現在の可動堰へと改築されていますが、それ以前は漢字の「八」の字の形をした堰で、その堰の下流には良好な瀬が存在し、大型のアユの重要な産卵場となっていました。この八の字堰は約400年前に加藤清正によって築造されたといわれており、巨石による石組み構造でした。
 現在、この「八」の形態を忠実に再現することで、多様な河川環境を生み出す「良好な環境再生」と、かつてそこに在った風景と地域の歴史を蘇らせる「歴史的土木遺産の再現」を融合させた試みとして、「八の字床固め工」の整備工事を進めています。


「八の字床固め工」完成イメージ


施工中の「八の字床固め工」




ページの先頭に戻る