建 設 省
建設省では、1995年5月に「公共事業支援統合情報システム(建設CALS/EC)研究会」を設置し、公共事業の調査・計画、設計、工事、維持管理の各段階で発生する各種情報の電子化と、関係者間での効率的な情報の交換・共有・連携の環境を創出する「公共事業支援統合情報システム(建設CALS/EC)」の構築に向けた検討を進めているところである。
設計業務の成果品の引渡しなど、公共事業の受発注者間における図面データの交換においては、特定のCADソフトに依存しない標準的なファイル形式で行う必要がある。また、政府調達協定においては、技術基準としてISO1)などの国際規格の使用が義務づけられている(参考資料1)。
このため、建設省では、「図面流通データ交換基盤検討委員会」(委員長:千葉工業大学 寺井達夫助教授)を設置し、ISO国際規格であるSTEP2)を用いて、特定のCADソフトウエアに依存しない図面データの交換を行うための技術的検討を行うこととした(参考資料2)。第1回委員会は平成11年1月12日に開催したところである。
第1回委員会においては、活動の一環として、官民から構成される調査団を派遣することとした。調査団は、平成11年1月25日〜27日に米国サンフランシスコにて開催されるISO/TC184/SC43)ミーティング(ISOのSTEPに関する国際会議)において、STEPに関する最新の標準化動向を調査するとともに、我が国の建設分野におけるSTEPの取組状況を広く海外に情報発信する予定である(参考資料3)。
1)ISO (International Organization for Standardization) 国際標準化機構
製品のライフサイクルを通じ、個々の独立したシステムに依存しない形式で情報の共有、交換を可能とする標準のインターフェイスを提供する規格。
AP201(2次元製図)、AP202(製品モデルと図面表現)、AP203(構成管理設計)といった主に形状モデルを対象にした規格の他、各産業毎に製品モデルを交換するための規格からなる。