第II部 国土交通行政の動向 

第2節 公共事業改革の推進

1.徹底した事業評価の実施

 国土交通省の個別事業の公共事業評価の取組みとしては、平成10年度から新規採択時評価及び再評価を実施し、11年度から事後評価を試行しているところである。しかしながら、依然として公共事業に対して厳しい目が向けられており、事業実施の意思決定プロセスの客観性、透明性の一層の向上を図ることが求められている。
 そのような状況の中、1)事業完了後の評価を実施し、計画・調査、評価方法に反映するための新規事業採択から事後評価に至る一貫した評価制度の導入、2)より分かりやすい評価手法の導入、3)アカウンタビリティの向上、を目指し、下記の取組を実施している。

・平成15年度からの事後評価の本格実施に向けた事後評価実施要領の策定への取組
・「公共事業評価システム研究会」の提言を踏まえて、費用対効果分析を含め、事業の波及的影響、実施環境を含めた新しい評価手法である総合評価方式の試行
・費用便益比(B/C)に加え、事業の内容・必要性・整備効果を分かりやすく公表

 
図表II-1-2-1 公共事業評価システム研究会の提言

公共事業評価システム研究会は平成14年8月30日に提言をまとめた。特徴は以下の2点。 現在行われている費用便益比を含めた、共通の考えに基づいた総合的な評価方法。誰からも分かりやすい方法を目指す。ポイントは以下の4点。費用便益分析では捉えられていない評価項目をできるだけ多元的に取り込む。既往事例との比較衡量が可能な評価値を評価項目ごとに設定する。評価項目間の相対的な重要度を設定し、評価者の価値規範を明らかにする。同種事業間の優先順位を明らかにする。評価方法としては、1)評価項目の体系化、2)評価指標の設定、3)評価値の設定、4)評価値の総合化、5)総括票の作成を行う。

 

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