また、高齢化による課題の一つに、まち全体の高齢化があげられる。
第1章でもみたとおり、全国的にみれば小規模な地方公共団体において高齢化率は高い
(注4)が、例えばニュータウン等の団地の高齢化といったように、局所的に高齢化率が高くなり、まちづくりの観点から対応が求められる場合もある。
また、高齢者は他の世代に比べ、地域とつながっておくことで災害など緊急時に助けてもらったり日々の暮らしを充実させたりすることへの期待が高いことがうかがえた。また、今後、地域とのつながりを強めたいという意向は、子育て世帯において高くなっている。
人との付き合い方は、対面に加えてインターネット等ITを利用したものも盛んになっている。他方で、国土交通省の調査において、現在でも多くの人々が対面で会う場が必要であると考えていること、また、地域の人々とのつながりを強化するために顔を合わせるような機会やつながろうとする個人の意識が最も必要であると考えていることがわかった。
地域活動をきっかけとして、地域とのつながりをもつことも考えられることから、取り組みやすい地域活動から参加したり、NPO等の団体による子育て支援や高齢者との交流などに協力したりすることにより、世帯や世代間のつながりを創出していくことが大切である。その際、交流の場として空き家などのスペースを活用し、地域の子どもやその親を支援することなども考えられる。
(注1)三世代世帯は、1989年に14.2%であったが、2009年には8.4%となっている(厚生労働省「国民生活基礎調査」)。
(注2)夫婦と子どものいる世帯(妻の年齢39歳以下)について、末子の年齢別に妻の有業率を2002年と2007年でみると、末子が3歳未満では29.1%から33.1%へ、3歳から5歳では46.1%から51.8%へ、6歳から8歳では58.0%から62.4%へ、9歳から11歳では68.6%から71.6%へと、それぞれ上昇している(総務省「就業構造基本調査」)。
(注3)単身高齢者の生活時間(睡眠時間を除く)を一緒にいた人別にみると、一人でいた時間が12時間2分で、睡眠を除く生活時間の76.8%を占めている(総務省「社会生活基本調査」(平成18年))。
(注4)
第1章第2節図表27「市町村の人口規模と高齢化率(2005年)」参照。