■2 ストック効果の「見える化」
1では、ストック効果が企業の生産活動や地域経済にも貢献している例を見てきたが、その効果を最大化するためには、民間側にその効果に着目してもらい、最大限有効活用してもらうことが重要である。ここでは、インフラのもたらす多様なストック効果を民間事業者や国民などインフラ利用者に分かりやすく示すため、ビッグデータや利用者等へのアンケート調査等を活用することで客観的に把握し、公表している事例について紹介する。
■京都縦貫自動車道の例〜ビッグデータの利用〜
近畿地方整備局は、携帯情報から得られる位置情報というビッグデータを活用し、2015年7月の京都縦貫自動車道開通による京都府北部地域の各観光地の訪問者数の分析を行った。「どこにどれだけの方が訪れていたのか」を詳細に把握分析することができ、各観光地で訪問者の数が増加していることが分かった(図表2-1-40、図表2-1-41)。