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国土交通白書 2021

第2節 自然災害対策

コラム 土砂災害リスク情報の明確化に向けた取り組み

 土砂災害から国民の生命および身体を保護するため、土砂災害防止法注1に基づき、都道府県等により土砂災害警戒区域の指定及び警戒避難体制の整備などを推進しており、令和2年3月末までに土砂災害警戒区域に係る基礎調査が一通り完了し、区域に該当する箇所は約67万区域あることが明らかとなりました。

 一方、令和元年東日本台風等では土砂災害警戒区域に指定されていないなど、土砂災害のリスクが明示されていない箇所においても土砂災害による被害が発生しました。このため、土砂災害防止対策小委員会(社会資本整備審議会河川分科会)において課題の整理および分析を行い、近年の土砂災害における課題を踏まえた土砂災害対策のあり方について、「指定基準を満たす箇所の抽出精度向上のため、数値標高モデル(DEM)等のより詳細で高精度な地形図データを用いることが必要である。」などの答申を審議会より受けました。

 本答申を踏まえ、令和2年8月には土砂災害防止法に基づき、国土交通大臣の定める土砂災害防止対策基本指針を変更し、土砂災害リスクを更に明らかにしていくこと、また気候変動による豪雨の発生頻度の増加も見据えつつ、実効性のある警戒避難体制の整備を更に進めていくこととしました。

 今後も関係行政機関と協力しつつ、これらの取組みを通じて、土砂災害による犠牲者ゼロの実現に向けた土砂災害対策を推進してまいります。

高精度な地形図データを用いた地形判読例
高精度な地形図データを用いた地形判読例

【関連リンク】

土砂災害防止法の概要 https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/linksinpou.html

  1. 注1 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律