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国土交通白書 2021

第4節 健全な水循環の維持又は回復

コラム 下水道での使用済み紙オムツ受入に向けて

 人口減少や少子高齢化の進行などが社会問題となっている昨今、高齢者の介護において使用済み紙オムツの保管・処理・処分が大きな負担となっている一方で、少子化の改善に資する子育てしやすい環境づくりも求められています。下水道分野においても、人(執行体制脆弱化)・モノ(施設老朽化)・カネ(使用量収入減少)という経営資源を取り巻く環境が厳しさを増しており、より効果的・効率的な下水道事業を展開していくため、社会インフラとしての新たな使命や住民の利便性向上といった下水道の付加価値向上も必要となっています。これらの課題解決策のひとつとして、使用済み紙オムツの下水道受入を検討することで、介護・育児の負担軽減や健康的な生活確保への貢献を目指しています。

下水道への紙オムツ受入による効果
下水道への紙オムツ受入による効果
紙オムツ処理装置による処理の様子
紙オムツ処理装置による処理の様子

 国土交通省では、下水道管理者が地域特性や下水道施設に応じた導入検討を実施できるように、紙オムツ処理装置に関する技術的・制度的な検討を行っています。

 令和2年度には、新潟県南魚沼市の社会福祉施設にて紙オムツ処理装置を設置した社会実験を実施し、下水道への水質等の影響、廃棄物削減量、福祉分野での労働環境等の影響を評価・検証しました。3年度には前年度と異なるタイプの処理装置を他都市の社会福祉施設に設置した社会実験を進める予定です。

【関連リンク】

国土交通省 下水道のページ

https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/index.html

下水道における紙オムツの受入実現に向けて

https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000572.html