昨年度までにマルチメディアに対応した今後の運輸関連情報システムのあり方について調査を行ってきたが、その中で、今後のマルチメディア技術活用の方向として、公共交通情報のオープン化の促進やマン・マシン・インターフェース(操作性)の向上の必要性が指摘されている。
このような認識のもと、地理情報システムの整備や携帯端末を用いた移動制約者支援システム開発の検討を進めている。
GISとは、地理的位置や空間に対応付け可能な自然・経済等のデータを統合的に処理、管理、分析し、その結果を表示するコンピュータシステムの体系で、地図上で情報処理が可能なことから、各種の行政計画や企業の経営戦略の策定等広範な分野で効果が期待されている。阪神・淡路大震災等を背景に、社会基盤としてのGIS整備の必要性の議論が高まってきたことを受け、政府においてもGIS関連省庁連絡会議を設置し、そこで策定した長期計画に基づいて政府全体として国土空間データ基盤の構築を進めている。
運輸分野は地理情報との関連が密接で、防災や環境保護対策の効果的な実現、公共交通サービスの向上等GIS整備により大きな恩恵を受ける。このため、運輸関連情報の標準化、リアルタイムな情報提供の可能性等の検討を通じて、メタデータ(データのカタログ)の作成、クリアリングハウス(所在案内)等の整備を行うとともに、政府全体としての取り組みに積極的に寄与していくことにしている。
(イ) 情報通信技術を活用した移動制約者支援
郵政省と共同・連携し、簡易無線機端末関連技術を活用した移動制約者支援システムの開発を進めている。
このシステムは現在、急速に普及している携帯電話等を活用し、位置確認機能等を加えることにより交通ターミナル等での案内サービスを可能とし、高齢者・障害者等移動制約者の公共交通機関の利用を支援するものである(P.130参照)。
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