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1 昭和44年度の運輸関係施設整備
44年度における運輸関係施設の整備事業費の主要なものは 〔1−3−2表〕のとおりで,輸送需要の増大に対応する施設の拡充,公害,交通混雑の解消,サービス水準の向上等幾多の問題をかかえながらその整備が推進されている。
(鉄道)
(1) 国鉄の44年度における設備投資実績は,3,998億円で,43年度にくらべ0.9%の増加にとどまつた。これは,国鉄の一般財政状態の悪化によるものである。なお,44年度より実施された国鉄財政再建計画において,施設整備の重点目標として,都市間旅客輸送,中長距離大量貨物輸送,大都市通勤輸送があげられたが,整備実績は 〔1−3−3表〕のとおりとなつている。
(2) 鉄道建設公団は,44年度において646億円の投資を行ない, 〔I−(I)−18表〕に示すように3線区(延長28km)が開業に至り,さらに東京外環状線(武蔵野線,小金線,京葉線)等の建設,春蘭トンネル・本四連絡鉄道の調査を行なつている。
(3) 地下鉄の44年度における設備投資額は,公営および交通営団の合計で1,239億円であった。これにより44年度に新たに開業した線区は9線区延長36.6kmである。
また,最近の地下鉄新線建設は,その大部分が既設国鉄,私鉄各線との相互乗入れを予定したものとなつており,44年度においても営団東西線と国鉄,大阪市1号線と北大阪急行,大阪市6号線と阪急の相互乗入れが開始された。
(4) 大手私鉄14社による輸送力増強5カ年計画については,44年度に合計889億円の設備投資が行なわれた。
(道路)
44年度における道路投資額は12,396億円であつた。
一般道路有料道路の現況はそれぞれ 〔I−(II)−10表〕 〔I−(II)−11表〕のとおりとなつている。
44年度においては,東名高速道路の全線開通により,名神高速道路とむすんで首都圏,中京,阪神地区を直結する高速自動車道路の完成等,自動車専用道の建設が進む一方,一般道路の改築,舗装等道路の質的向上も進められた。しかし,常に20%近い伸びを保ちつづけてきた自動車保有台数は,44年度末には1,652万台に達し,このため, 〔1−3−2表〕でも示したように交通渋滞が増大し,さらには排出ガスによる公害問題まで発生するに至つている。
(港湾)
第3次港湾整備5カ年計画の第2年度にあたる44年度の投資額は,合計1,656億円であつた。
現在,港湾の整備を計画的に推進するとともに,その財源を確保するため,港湾整備特別会計が設置されているが,港湾整備勘定として,外国貿易港湾,産業港湾,地方開発のための主要港湾,主要航路の整備事業を進める一方,特定港湾施設工事勘定において,石油港湾2港鉄鋼等港湾9港,物資別専門埠頭港湾4港の整備事業が実施されている。
京浜および阪神外貿埠頭公団は,外航海運のコンテナ化に対応して,東京,大阪両湾地区においてコンテナ埠頭に重点をおいた外貿埠頭の整備を実施しているが,44年度の事業規模はそれぞれ65億円,70億円であつた。また,44年度中にそれぞれ250mバース,2バースずつを供用するに至つた。
(空港)
44年度においては,約314億円の事業費が投入された。第3年度をむかえた空港整備5カ年計画においては,第1種空港である東京国際空港についてはエプロン新設,国際線到着ビルの新設,大阪国際空港については,滑走路の新設,エプロン新設等が行なわれ,第2種空港,第3種空港についても滑走路延長等の工事が進められた。
国際交流の活発化,地域開発に伴う地域間交流の増大および航空輸送技術の進歩は,航空輸送需要の飛躍的な増大をもたらした。東京国際空港における航空機発着回数は毎年上昇の一途をたどり,44年度においては 〔1−3−2表〕のように能力の限界に近づいている。そのうえ,すでに45年3月よりジャンボ・ジエツト機の飛来がはじまり,今後さらに増加することがあきらかであり,近い将来SSTなど超高速機の実用化もみこまれている。このような航空輸送の量的拡大,航空機の大型化,高速化に備え,41年度に新東京国際空港公団が設立され,新空港の建設が開始された。44年度においては150億円の事業費をもつて,基礎工事が進行中で,45年度からは滑走路,誘導路,ターミナルビル等の工事が開始された。
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