自動車の点検整備
点検整備不十分・整備作業ミスに起因する事故
● その他の事故
ブレーキ装置の整備不良による事故
整備不良が原因となった事故の中で、ブレーキ装置の整備不良に関する事故が約2割と分析の結果確認されました。
また、ブレーキ装置のメンテナンスを怠るとブレーキ液の劣化や漏れが発生し、自動車の停止距離が長くなること等のブレーキ性能への影響が確認されています。
事故を防ぐためには
定期的にブレーキ液を交換していないユーザーの方へ
» 注意すべき事例
ブレーキ液は、交換を怠ると、その劣化(空気中の水分の吸収)により沸点が下がります。これにより、ブレーキ使用時の熱によってブレーキ液が沸騰して気泡が発生し、油圧がかからなくなり、ブレーキの利きが悪くなる現象(ペーパーロック)が発生する確率が高まり、停止距離が長くなる恐れがあります。
» 必要な対策
ブレーキ液は、自動車の使用の有無にかかわらず、経年劣化するため、メーカーが車両毎に推奨するブレーキ液の交換時期を参考にして定期点検等の機会を捉えて整備工場等で交換しましょう。
ブレーキホース等の点検整備を定期的に行っていないユーザーの方へ
» 注意すべき事例
ブレーキホース等の点検整備を怠ると、経年劣化や外的要因により亀裂や損傷が発生した場合、そのまま放置すると、やがてはホースに穴が開き、ブレーキ液の漏れにつながる恐れがあります。液漏れが発生すると、ブレーキをかけたときの停止距離が長くなり、最悪の場合、ブレーキの利きが悪くなる恐れがあります。
※車齢11年以降は整備が必要となる割合(要整備率)が急激に増加し、車齢15年の要整備率は車齢11年に比べて約5倍に達することが確認されています。
» 必要な対策
ブレーキホース等については、亀裂や損傷がないか、定期点検(マイカーの場合は 1 年ごと)をはじめ、適切な点検により容易に発見できるので、整備工場等で確実に点検しましょう。