国土交通省
 「設計の総点検」の実施結果について
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平成16年10月1日
<問い合わせ先>
大臣官房技術調査課
(内線22352)
 公共事業調査室
(内線24294)

TEL:03-5253-8111(代表)


 


  1. 「設計の総点検」の目的
     「設計の総点検」とは、現時点でストックされている予備設計から施工段階に至る直轄事業の設計等について、コスト縮減の観点から、一斉に点検を行うもので、コスト縮減への取り組みの推進等を図ることを目的としています。

  2. 点検の概要
    • 直轄事務所等、国土交通省の各発注機関においてストックされている全ての設計を対象(ただし、明らかに点検によるコスト縮減の余地が小さいものを除く)
    • 予備設計から詳細設計、契約、施工まで様々な設計の段階に応じた点検を実施
    • 基本的に整備局の職員等により点検を実施するが、より専門的な検討が必要である場合については、学識経験者、設計者等の外部のメンバーによる委員会を設置

  3. 実施結果の概要(別紙1)
    • 全体で3,982件の点検を実施し、その内、設計の見直しによりコスト縮減の効果が見込まれる設計が2,143件(54%)、最適な設計であることから設計の見直しが必要ない設計が1,839件(46%)であった。
    • 今回の総点検の実施により見込まれるコスト縮減の効果(縮減率※)は、予備設計段階10.4%、詳細設計段階10.5%、発注段階5.0%、施工段階2.8%であり、点検対象の設計全体では9.4%となった。予備設計段階や詳細設計段階など、設計自由度の高い設計の上流段階でのコスト縮減の取り組みは効果的であると考えられる。一方、発注段階や施工段階の工事発注直前や工事発注済みの設計については、それまでの段階で既に詳細な検討や見直しを行い、設計の熟度を上げているので、コスト縮減の余地が少ないものと考えられる。
    • 高度な専門的知見を要する場合において、学識経験者、設計者等の外部のメンバーによる委員会を活用することで、比較的高いコスト縮減の効果が得られた。
    • 点検による設計の見直しは、「設計・施工条件、技術基準類の見直し」、「周辺事業・施設との関係調整」及び「構造物の形状・規格・形式見直し」等の内容において、見込まれるコスト縮減効果が大きい。
    • 平成15年度の「設計の総点検」の実施事例は別紙3のとおり。
       ※縮減率とは、総点検前の想定事業費と見直し後の想定事業費との比較によるもの

  4. 今後の取り組み
    • 今回の設計の総点検により見直しを行った設計については、その後の設計に反映させ、着実にコスト縮減を図っていく。
    • 設計の総点検により、ストックされた全ての設計について点検を実施したところであるが、今後も、設計与条件の変化や技術の進展に合わせて、ストックされた設計の点検・見直しが必要である。今回の設計の総点検を実施するなかで得られた点検ノウハウを事例集などとして取りまとめ、今後の設計ストックの点検の際に活用することとする。
    • 設計の見直しによるコスト縮減は、予備設計、詳細設計、発注、施工段階のそれぞれの段階において一定の効果が得られることが確認できた。今後も引き続き、設計VEや契約後VEなど各段階での設計の見直しによるコスト縮減の取り組みを推進するとともに、専門的な検討が必要な設計で、外部のメンバーによる見直しにより高いコスト縮減効果が見込まれるものについては、設計の早期段階から設計VEを行い、専門家の活用を図ることとする。

    注)点検を実施した段階の定義

    • 予備設計段階:概略の設計、事業費算出が完了してから、地元への計画の説明・公表を行うまでの段階
    • 詳細設計段階:地元説明・整備計画の公表を経て測量立入し、現地に適合する詳細の設計を実施、同時に用地買収が完了するまでの段階
    • 発注段階:発注用の設計・数量計算を終了し、積算が完了するまでの段階
    • 施工段階:工事を契約締結し、工事準備または一部着手している段階


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