1) 2030年の日本は、良いコミュニティに溢れている。良いコミュニティとはまず、全国一律の金太郎飴ではなく、住む人々が誇り、アイデンティティを持てる町である。中央集権型ではなく、自律した適正規模のコミュニティがあり、それらが相互に影響しあう、そうしたコミュティが作られている。その中でやや大きなものはコンパクトシティと呼ばれる、適度な大きさで効率の良い町となっている。町全体が歩いて廻れる大きさで、ヨーロッパの美しい田舎町のような存在である。それぞれの地域ごとに、自然条件にあった自然エネルギーを活用している。なるべくコミュニティ内での自給自足を目指しているが、すべてが自給できるわけではないので、そのような場合にはコミュニティ間の連携がものを言う。
2) コミュニティの中には、実に多様な人々が共存している。もちろんすべての人とウマが合うわけではないが、そうでない人ともお互いなんとかやっていくことが重要だということを、皆が認識している。子供は夫婦二人だけではなく、こうしたコミュニティの人々にも助けられて成長していく。ITの発達で、こうした実コミュニティとは別に仮想コミュニティも存在するが、両者がそれぞれのメリットを活かし、うまく補完しあっているのが、この社会である。
3) こうしたコミュティ作りにあたっては、行政に仕事を任せるのではなく、いろいろなセクターが共存して行われる。本当の意味での自治が実現されている。
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