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いつ移転するのか

1.早期移転の必要性

(1) 国政全般の改革を促進する契機

現下の緊要の課題となっている地方分権・規制緩和をはじめとする国政全般の改革は、わが国が変革に適応するために遅らせることのできない課題である。政治・行政と経済の中心地を地理的に分離することも、東京一極集中メカニズムを変え、国民が真に豊かさを感じられる社会を創るために急がれるものである。

また、今後のわが国の経済社会の成熟を考えると、首都機能移転は、わが国が投資余力のあるうちに実現しておくべき事業であろう。首都機能移転を現実のものとして目の当たりにすることは、新たに生まれ変わろうとするわが国の姿を国民や国際社会に示すことになり、国民が明るい未来を展望することにつながっていくであろう。

新首都の国会議事堂や内閣総理大臣官邸等の施設整備のあり方を検討する際には、そこで機能することが期待される政治・行政システムの望ましい姿を議論する必要があるだろう。また、首都機能の移転の範囲を具体的に決めていくことは、新首都にあるべき首都機能の望ましい姿についての議論をまき起こさずにはおかないであろう。このようなプロセスを通じて、首都機能移転は、国政全般の改革を促進する重要な契機となり得るものである。

(2) 首都機能移転による災害対応力の強化

首都機能は国政全般の運営に一時たりとも休止することが許されない機能である。特に、災害発生時には危機管理の中枢としての重要な任務を有しているが、仮に大規模な地震が東京圏に発生して首都機能自身が被災すると、応急対策の指揮・統括に支障を生じるばかりか、長期間内外の社会経済に大きな混乱をきたすおそれがある。

新首都を東京と同時に被災する可能性の小さい地域に早期に建設することは、災害に強い国土づくりのための基本的対応策であり、その実現が強く求められている。

2.早期移転のためのプログラム

このように様々な面から首都機能移転は早期に実現することが望ましく、国民が移転のプロセスについて具体的なイメージを描き、移転を目指して新しい一歩を踏み出すためには、首都機能移転の早期実現のためのプログラムを示すことが必要である。

(1) 世紀を画する年までに新首都の建設開始

「二十一世紀にふさわしい政治・行政機能を確立するため、国会及び政府機能の移転を行うべきである。」とする、「国会等の移転に関する決議」(平成2年11月)にもあるように、首都機能の移転は、時代の区切りを明確にすることによって、新時代に向けた国政全般の改革と国土構造の改編という効果をより鮮明に発揮できることから、世紀を画する年までに新首都の建設を開始することを目標とすることを提案する。

その後、建設開始から約10年を目途に新首都で国会が開設され、それに必要なあるいはそれと関連する従業者が移転し、執務面でも日常生活面でも必要な都市機能を満足できるように、新首都の都市づくりを進めることとする。

諸外国の事例を見ても、例えば、1800年には米国でフィラデルフィアからワシントンへ首都移転が行われ、1900年にはオーストラリア連邦憲法が成立し、新首都の建設とその場所の条件が定められている。また、2000年はドイツでボンからベルリンへの政府機関の移転が完了する目標年とされるなど、世紀を画する年に、首都移転等を行っている例が見られる。

(2) 今後2年程度を目途に移転先候補地を選定

首都機能移転の実現に向けた第一歩として、早急に移転先地を選定する必要があるが、一方、例えば自然災害に関する調査など、将来に禍根を残さぬように綿密な調査を行う必要があり、専門的選定機関において極めて精力的に調査・選定を行ったとしても、属地的な調査及び調査データの比較検討等に2年程度を要するものと考え、今後2年程度を目途に調査・選考を行い、移転先候補地を選定し、国会に報告することを目標とすることを提案する。

さらに、移転先候補地が選定されるまでに、土地対策等所要の法制度を整備し、土地投機の防止等を図るとともに、移転先地が決定された後、速やかに事業に着手できるよう、事業手法、事業主体等新首都建設を推進する体制についても並行して整備を進めることが必要である。

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