国会等移転調査会報告によれば、「新首都づくりに当たってあらかじめ講ずべき措置」として、「環境との調和・共生の確保」について以下のように示されている。
第1章 4「新首都時代」の創出
4 新首都づくりに当たってあらかじめ講ずべき措置
(3)環境との調和・共生の確保
都市と自然環境との共生は、現代社会が共通に抱える大きな課題の一つである。最近では、開発・整備とあわせて人工的に自然的環境を創出する手法も採られるようになってきているが、新首都の建設は、土地利用計画、緑の保全や創造、交通手段、水資源開発等の様々な面で環境との調和・共生を図る方法について十分検討され、次世代の都市開発のモデルとなるようなプロジェクトとならなければならない。
また、新都市のイメージに関する記述の中では、基本理念を表現する象徴的空間のイメージとして、以下のような記述がある。
第3章 1 新首都のイメージ
2 新首都のイメージ
(1)基本的理念を表現する象徴的空間のイメージ
「環境」については、新首都づくりを「環境共生型の都市づくり」の先導的プロジェクトと位置づけ、生態系の保全・創出、様々な省エネルギー、省資源、リサイクルのための技術等の導入を図るほか、大気や水環境、緑の保全、廃棄物等の処理に配慮するとともに、例えば風の通りみちとなる緑地帯を都市内に貫入させるなどの環境づくりの技術の導入を含め、人と自然とが近接する都市形態とする。
ここに記されている新都市と自然的環境との関わりについては、緑地等に関連する生物環境を中心とする共生系の観点と、環境負荷等に代表される循環系の観点に大きく分けることができる。循環系の観点に基づく調査は別途行っている。
共生系に関連する観点としては、以下のように整理する。
(1)自然環境を中心とする環境の保全
自然環境からみて開発にふさわしくない地域を明らかにする。
(2)良好な環境の創出・形成
自然環境からみて、新都市の良好な環境の形成に有利な点を明らかにする。