津波については、関係省庁で実施した調査に基づき、津波の履歴及び想定される最大津波高について整理した。
想定される最大津波高さは、
(1)既往津波地震2による最大津波高
(原則として実態調査結果を使用。実績値がない場合は数値解析結果を使用)
(2)想定津波地震4による最大津波高
(想定津波地震としては、太平洋沿岸を6地域に区分し、既往津波地震から各地域に最大級の影響を及ぼすものを一つずつ抽出。これら地震の震源域をプレート境界に沿って少しずつずらし、合計21の地震を設定)
(3)遠地津波の痕跡高
(遠地津波とは、気象庁の津波予報の定義によれば、震央が本州・四国・九州・北海道の沿岸から約600km以遠の地震に伴う津波を指す)
上記(1)〜(3)の津波高のうち最大のものを使用している。
想定地震 | 対象地域名 |
---|---|
1611年慶長三陸地震 1896年明治三陸地震 1933年昭和三陸地震 |
宮城県(仙台湾) |
1498年明応東海地震 1605年慶長東海地震 1707年宝永地震 1854年安政東海地震 1854年安政南海地震 1944年昭和東南海地震 1946年昭和南海地震 |
静岡県(駿河湾、遠州灘) 愛知県(遠州灘、三河湾) 三重県(伊勢湾) |
その他、全国で21の想定地震 |
なお、東京湾や伊勢湾など、湾内で発生する地震による津波は大きな津波高さを伴わないことが様々な調査・研究により明らかにされている。また、過去の津波事例(元禄地震、宝永地震、安政東海地震、関東地震、昭和東南海地震等)を見ても、東京湾や伊勢湾といった湾では大きな津波高さは発生していない。しかし、高潮と重なった場合などは、湾内で被害が発生する可能性があることに留意する必要がある。
津波高さと被害程度の一般的な関係について、表11に示した。
表11 津波高と被害程度
(国土庁等「津波災害予測マニュアル」より)