[1]国内線の運航に必要とされる滑走路長
設計対象航空機 | 滑走路 |
---|---|
B-747、B-777、MD-11など大型ジェット機 | 原則として、2,500mの滑走路長を確保するものとする |
A-300、B-767、B-727などの中小型ジェット機 | 原則として、2,000mの滑走路長を確保するものとする |
YS-11などのプロぺラ機 | 原則として、1,500mの滑走路長を確保するものとする |
ドルニエ228-200、DHC-6-300などの小型機 | 原則として、800m〜1,000mの滑走路長を確保するものとする |
(注)表は国内線用の滑走路長の標準的な値を示すものであり、国際線が就航する場合や暫定的にジェット化する場合等は別途検討する必要がある。
[2] 国際線の運航に必要とされる滑走路長
運航する機材、展開路線により必要滑走路長は相当異なるが、一般的に
図5−1 航空機材の航続距離と離着陸滑走路長
航空機型式 | 乗客数 | 航続距離 | 離陸滑走路長 | 着陸滑走路長 |
---|---|---|---|---|
[1] A320-200型 | 166人 | 3,040km | 1,780m | 1,470m |
[2] 747-300型(国内線用) | 563人 | 3,490km | 2,230m | 2,230m |
[3] 747-400D型(国内線用) | 568人 | 3,940km | 1,790m | 1,940m |
[4] 777-200型(国内線用) | 376人 | 4,300km | 1,740m | 1,650m |
[5] 767-300型 | 270人 | 5,130km | 2,580m | 1,660m |
[6] 767-200型 | 235人 | 6,280km | 1,680m | 1,400m |
[7] 777-200型(国際線用) | 250人 | 8,740km | 2,710m | 1,550m |
[8] MD-11型(国際線用) | 252人 | 11,480km | 3,200m | 2,280m |
[9] 747-400型(国際線用) | 430人 | 12,300km | 3,250m | 2,070m |
(注)1 航続距離は、最大乗客数の乗客を載せ、最大離陸重量とした場合の距離を示す。設定条件で数値は異なり、搭載量を減じて更に長い航続距離を安全に得ることが可能。
(注)2 離陸滑走路長、着陸滑走路長は15℃海面上、無風、乾いたコンクリート滑走路、勾配0の場合の最大離着陸重量に対して通常使用されているフラップ角度での値。離着陸重量を減じること、またフラップ角度を変更するなどの方法により、更に短い滑走路長を使用して安全に離着陸することが可能。
〈数字でみる航空1998〉等より国土庁大都市圏整備局作成
空港名 | 滑走路長 | 路線 | 運航距離(mile) | 使用機材 |
---|---|---|---|---|
新千歳空港 | 3,000m | アムステルダム | 5,653 | B747 |
名古屋空港 | 2,740m | ロンドン | 6,136 | MD11 |
パリ | 5,976 | A340 | ||
フランクフルト | 5,844 | A340 | ||
ポートランド | 4,989 | MD11 | ||
福岡空港 | 2,800m | ポートランド経由 アトランタ |
5,332 (7,564) |
MD11 |
(注)平成11年3月時刻表、運航距離については運航会社からヒアリング、1mile=約1.6km
空港名 | 滑走路長 | 路線 | 運航距離(mile) | 使用機材 |
---|---|---|---|---|
新潟空港 | 2,500m | 上海 | 1,156 | A320 |
富山空港 | 2,000m | ソウル | 1,000 | B737 |
名古屋空港 | 2,740m | クライストチャーチ | 5,870 | B767 |
関西国際空港 | 3,500m | シドニー | 4,842 | B767 |
福岡空港 | 2,800m | マニラ | 1,445 | A300 |
(注)平成11年3月時刻表、運航距離については運航会社からヒアリング、1mile=約1.6km
[3]政府専用機の運航に必要とされる滑走路長
政府専用機には高度の運航の安定性が求められると考えられることから、今後とも少なくとも3,000m以上の滑走路が必要と考えられる
国名 | 使用機材 | 最大離陸重量 (トン) |
離陸滑走路長 (m) |
着陸滑走路長 (m) |
---|---|---|---|---|
アメリカ | B747 | 395 | 3,250 | 2,070 |
カナダ | A300 | 165 | 3,200 | 2,280 |
イギリス | MD11 | 280 | 3,200 | 2,280 |
フランス | B747 | 395 | 3,250 | 2,070 |
ドイツ | A310 | 150 | 2,410 | 1,480 |
ロシア | IL62 | 165 | 3,300 | 2,500 |
(注)1 各国の専用機については関係機関等からヒアリング
2 機材の性能等は数字でみる航空1998(運輸省)より(離着陸滑走路長の計算の条件は15℃海面上、無風、乾いた滑走路、滑走路勾配0)
3 専用機材には若干の改造等が加えられている可能性があるが、基本的性能への影響はないものと仮定
4 同一機種であっても型式により離着陸に要する滑走路長が変動するため、その場合は最も大きな数値を引用
[4]まとめ
1)新都市において必要とされる空港機能に係る滑走路長
機能 | 必要とされる滑走路長 |
---|---|
国内線 |
|
国際線 |
|
政府専用機 |
|
2)調査対象地域に係る空港の施設面の対応に係るまとめ
調査対象地域に係る空港についての整理結果は下記の通りであるが、将来的に国際航空需要の増大する場合にも備え、新都市が形成されるいずれの地域においても3,500m級の滑走路の整備を視野に入れておくことが望ましい。
空港名 | 国内線 | 国際線 | 政府専用機 |
---|---|---|---|
仙台空港 3,000m |
○(対応可能) | ○(対応可能) | ○(対応可能) |
福島空港 3,000m |
○(対応可能) | ○(対応可能) | ○(対応可能) |
百里飛行場 (現状2,700m) |
○(対応可能) | ○(対応可能) | 滑走路を延長又は新東京国際空港を活用 |
新東京国際空港 4,000m |
○(対応可能) | ○(対応可能) | ○(対応可能) |
中部国際空港 3,500m |
○(対応可能) | ○(対応可能) | ○(対応可能) |
静岡空港 2,500m |
○(対応可能) | ○(対応可能:近・中距離)長距離には滑走路を延長又は中部国際空港を活用 | 滑走路を延長又は中部国際空港を活用 |
びわこ空港 2,000m |
○(対応可能:中小型ジェット機) | ○(対応可能:近・中距離)長距離には滑走路を延長又は中部、関西国際空港を活用 | 滑走路を延長又は中部、関西、大阪国際空港を活用 |
関西国際空港 3,500、4,000m |
○(対応可能) | ○(対応可能) | ○(対応可能) |
(注)1 既存又は第7次空港整備七箇年計画において何らかの位置づけがなされている空港及び滑走路長について整理中部国際空港、静岡空港(以上新設)及び関西国際空港(4,000m)は事業中、福島空港の3,000m化、百里飛行場(共用化)及びびわこ空港(新設)は計画中。
2 中部国際空港開港後、名古屋空港の定期航空路線は中部国際空港へ一元化することとされている。
(2)空港までのアクセス所要時間に係る概算結果
−関係府県表明地域内中心クラスター等中心からの事例計算−
関係府県 | 対象空港 | 直線距離 | 所要時間 |
---|---|---|---|
宮城 | 仙台空港 | 約15〜30km | 約10〜30分 |
宮城 | 新東京国際空港 | 約235〜265km | 約145〜160分 |
福島 | 福島空港 | 〜約25km | 〜約20分 |
福島 | 新東京国際空港 | 約155〜170km | 約125〜145分 |
栃木 | 福島空港 | 約40〜55km | 約40〜45分 |
栃木 | 新東京国際空港 | 約135km | 約110〜115分 |
茨城 | 百里飛行場 | 約10〜45km | 約10〜55分 |
茨城 | 新東京国際空港 | 約55〜95km | 約60〜100分 |
岐阜 | 中部国際空港 | 約60〜95km | 約55〜75分 |
愛知 | 中部国際空港 | 約45〜65km | 約45〜55分 |
静岡 | 静岡空港 | 〜約65km | 〜約55分 |
静岡 | 中部国際空港 | 約65〜125km | 約50〜80分 |
三重 | 中部国際空港 | 約20〜40km | 約45〜75分 |
畿央地域 | びわこ空港 | 〜約40km | 〜約35分 |
畿央地域 | 伊丹空港 | 約55〜80km | 約65〜85分 |
畿央地域 | 中部国際空港 | 約55〜70km | 約70〜85分 |
畿央地域 | 関西国際空港 | 約85〜115km | 約80〜110分 |
(注)1 所要時間は高規格幹線道路又は地域高規格道路利用を前提とし、平均して80km/hの旅行速度と想定した。また、各中心クラスター等からは最寄りの高規格幹線道路等までの最短の枝線(80km/h)を想定した。
2 ただし、岐阜については、道路利用のほか、中央本線〜名鉄常滑線を利用するルートも最速(約55分)となる。
3 三重については、海上アクセスルートの整備が見込まれるが、その経路が未確定で所要時間の算定が困難であるため、ここでは自動車利用で計算している。
4 最寄りの空港の他に現時点で全方面への国際航空路線を展開している空港(中部国際空港は名古屋空港の実績を踏まえて全方面への路線展開が見込めるものと想定した)についても整理した。