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5.空港機能、アクセスに係る検討

5−3.検討結果

(1)新都市において必要とされる空港の滑走路長の検討(機能別整理)

[1]国内線の運航に必要とされる滑走路長

  • 大型ジェット機の運航を前提とすれば概ね2,500mの滑走路が必要
  • 中小型ジェット機の運航を前提とすれば概ね2,000mの滑走路が必要
表5−1空港土木施設設計基準(運輸省航空局)による滑走路の標準長さ(国内線)
設計対象航空機 滑走路
B-747、B-777、MD-11など大型ジェット機 原則として、2,500mの滑走路長を確保するものとする
A-300、B-767、B-727などの中小型ジェット機 原則として、2,000mの滑走路長を確保するものとする
YS-11などのプロぺラ機 原則として、1,500mの滑走路長を確保するものとする
ドルニエ228-200、DHC-6-300などの小型機 原則として、800m〜1,000mの滑走路長を確保するものとする

(注)表は国内線用の滑走路長の標準的な値を示すものであり、国際線が就航する場合や暫定的にジェット化する場合等は別途検討する必要がある。

[2] 国際線の運航に必要とされる滑走路長

運航する機材、展開路線により必要滑走路長は相当異なるが、一般的に

  • 大型(多発)機で北米、欧州等の長距離直行便を運航する場合は少なくとも3,000m級以上、可能な限り3,500m級の滑走路が望ましい
  • アジア近距離、アジア・オセアニア方面には、小中型(双発)機も運航しており、2,000〜2,500mの滑走路でも対応は可能
  • 代表的な航空機材の航続距離、必要滑走路長は図5−1のとおり
  • 新東京国際空港(滑走路長4,000m)、関西国際空港(滑走路長3,500m)以外の長距離国際定期航空路線線の就航状況は表5−2のとおり
  • 中小型(双発)機の国際定期航空路線の就航状況は表5−3のとおり

図5−1 航空機材の航続距離と離着陸滑走路長

航空機材の航続距離と離着陸滑走路長の図

代表的な航空機材の乗客数、航続距離、離陸滑走路長、着陸滑走路長
航空機型式 乗客数 航続距離 離陸滑走路長 着陸滑走路長
[1] A320-200型 166人 3,040km 1,780m 1,470m
[2] 747-300型(国内線用) 563人 3,490km 2,230m 2,230m
[3] 747-400D型(国内線用) 568人 3,940km 1,790m 1,940m
[4] 777-200型(国内線用) 376人 4,300km 1,740m 1,650m
[5] 767-300型 270人 5,130km 2,580m 1,660m
[6] 767-200型 235人 6,280km 1,680m 1,400m
[7] 777-200型(国際線用) 250人 8,740km 2,710m 1,550m
[8] MD-11型(国際線用) 252人 11,480km 3,200m 2,280m
[9] 747-400型(国際線用) 430人 12,300km 3,250m 2,070m

(注)1 航続距離は、最大乗客数の乗客を載せ、最大離陸重量とした場合の距離を示す。設定条件で数値は異なり、搭載量を減じて更に長い航続距離を安全に得ることが可能。
(注)2 離陸滑走路長、着陸滑走路長は15℃海面上、無風、乾いたコンクリート滑走路、勾配0の場合の最大離着陸重量に対して通常使用されているフラップ角度での値。離着陸重量を減じること、またフラップ角度を変更するなどの方法により、更に短い滑走路長を使用して安全に離着陸することが可能。

〈数字でみる航空1998〉等より国土庁大都市圏整備局作成

表5−2 新東京、関西国際空港以外の長距離国際定期航空路線(抜粋)
空港名 滑走路長 路線 運航距離(mile) 使用機材
新千歳空港 3,000m アムステルダム 5,653 B747
名古屋空港 2,740m ロンドン 6,136 MD11
パリ 5,976 A340
フランクフルト 5,844 A340
ポートランド 4,989 MD11
福岡空港 2,800m ポートランド経由
アトランタ
5,332
(7,564)
MD11

(注)平成11年3月時刻表、運航距離については運航会社からヒアリング、1mile=約1.6km

表5−3 中小型(双発)機の国際定期航空路線(抜粋)
空港名 滑走路長 路線 運航距離(mile) 使用機材
新潟空港 2,500m 上海 1,156 A320
富山空港 2,000m ソウル 1,000 B737
名古屋空港 2,740m クライストチャーチ 5,870 B767
関西国際空港 3,500m シドニー 4,842 B767
福岡空港 2,800m マニラ 1,445 A300

(注)平成11年3月時刻表、運航距離については運航会社からヒアリング、1mile=約1.6km

[3]政府専用機の運航に必要とされる滑走路長

政府専用機には高度の運航の安定性が求められると考えられることから、今後とも少なくとも3,000m以上の滑走路が必要と考えられる

  • 東京サミットの際、各国元首が使用した専用機の離着陸性能を、他の民間航空機と同等のものと考え表5−4のとおりまとめた。なお、各国元首等は羽田空港(当時最長滑走路長は3,150m)を利用
  • 現在も国公賓の来日時に羽田空港(最長滑走路長は3,000m)を利用
表5−4 東京サミットの際各国元首の使用した専用機
国名 使用機材 最大離陸重量
(トン)
離陸滑走路長
(m)
着陸滑走路長
(m)
アメリカ B747 395 3,250 2,070
カナダ A300 165 3,200 2,280
イギリス MD11 280 3,200 2,280
フランス B747 395 3,250 2,070
ドイツ A310 150 2,410 1,480
ロシア IL62 165 3,300 2,500

(注)1 各国の専用機については関係機関等からヒアリング
2 機材の性能等は数字でみる航空1998(運輸省)より(離着陸滑走路長の計算の条件は15℃海面上、無風、乾いた滑走路、滑走路勾配0)
3 専用機材には若干の改造等が加えられている可能性があるが、基本的性能への影響はないものと仮定
4 同一機種であっても型式により離着陸に要する滑走路長が変動するため、その場合は最も大きな数値を引用

[4]まとめ

1)新都市において必要とされる空港機能に係る滑走路長

機能 必要とされる滑走路長
国内線
  • 中小型ジェット機・・・2,000m
  • 大型ジェット機・・・2,500m
国際線
  • 大型(多発)機で北米、欧州等の長距離直行便を運航・・・3,500m級
    (3,000m級でも運航技術的に対応可能)
  • 近・中距離(アジア、オセアニア方面等)直行便を運航・・・中小型ジェット機で2,000〜2,500m
政府専用機
  • 政府専用機の運航の安定性を考慮し少なくとも3,000m

2)調査対象地域に係る空港の施設面の対応に係るまとめ

調査対象地域に係る空港についての整理結果は下記の通りであるが、将来的に国際航空需要の増大する場合にも備え、新都市が形成されるいずれの地域においても3,500m級の滑走路の整備を視野に入れておくことが望ましい。

空港名 国内線 国際線 政府専用機
仙台空港
3,000m
○(対応可能) ○(対応可能) ○(対応可能)
福島空港
3,000m
○(対応可能) ○(対応可能) ○(対応可能)
百里飛行場
(現状2,700m)
○(対応可能) ○(対応可能) 滑走路を延長又は新東京国際空港を活用
新東京国際空港
4,000m
○(対応可能) ○(対応可能) ○(対応可能)
中部国際空港
3,500m
○(対応可能) ○(対応可能) ○(対応可能)
静岡空港
2,500m
○(対応可能) ○(対応可能:近・中距離)長距離には滑走路を延長又は中部国際空港を活用 滑走路を延長又は中部国際空港を活用
びわこ空港
2,000m
○(対応可能:中小型ジェット機) ○(対応可能:近・中距離)長距離には滑走路を延長又は中部、関西国際空港を活用 滑走路を延長又は中部、関西、大阪国際空港を活用
関西国際空港
3,500、4,000m
○(対応可能) ○(対応可能) ○(対応可能)

(注)1 既存又は第7次空港整備七箇年計画において何らかの位置づけがなされている空港及び滑走路長について整理中部国際空港、静岡空港(以上新設)及び関西国際空港(4,000m)は事業中、福島空港の3,000m化、百里飛行場(共用化)及びびわこ空港(新設)は計画中。
2 中部国際空港開港後、名古屋空港の定期航空路線は中部国際空港へ一元化することとされている。

(2)空港までのアクセス所要時間に係る概算結果
−関係府県表明地域内中心クラスター等中心からの事例計算−

関係府県 対象空港 直線距離 所要時間
宮城 仙台空港 約15〜30km 約10〜30分
宮城 新東京国際空港 約235〜265km 約145〜160分
福島 福島空港 〜約25km 〜約20分
福島 新東京国際空港 約155〜170km 約125〜145分
栃木 福島空港 約40〜55km 約40〜45分
栃木 新東京国際空港 約135km 約110〜115分
茨城 百里飛行場 約10〜45km 約10〜55分
茨城 新東京国際空港 約55〜95km 約60〜100分
岐阜 中部国際空港 約60〜95km 約55〜75分
愛知 中部国際空港 約45〜65km 約45〜55分
静岡 静岡空港 〜約65km 〜約55分
静岡 中部国際空港 約65〜125km 約50〜80分
三重 中部国際空港 約20〜40km 約45〜75分
畿央地域 びわこ空港 〜約40km 〜約35分
畿央地域 伊丹空港 約55〜80km 約65〜85分
畿央地域 中部国際空港 約55〜70km 約70〜85分
畿央地域 関西国際空港 約85〜115km 約80〜110分

(注)1 所要時間は高規格幹線道路又は地域高規格道路利用を前提とし、平均して80km/hの旅行速度と想定した。また、各中心クラスター等からは最寄りの高規格幹線道路等までの最短の枝線(80km/h)を想定した。
2 ただし、岐阜については、道路利用のほか、中央本線〜名鉄常滑線を利用するルートも最速(約55分)となる。
3 三重については、海上アクセスルートの整備が見込まれるが、その経路が未確定で所要時間の算定が困難であるため、ここでは自動車利用で計算している。
4 最寄りの空港の他に現時点で全方面への国際航空路線を展開している空港(中部国際空港は名古屋空港の実績を踏まえて全方面への路線展開が見込めるものと想定した)についても整理した。

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