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まちづくりアイディア募集 最優秀賞

地球環境の再生をめざして

氏名: 竹内 秀夫
所属: 都市・建築工房

これは夫婦の会話からどのようにしたら地球環境を再生できるか、アイディアをまとめたものである。

プロフィール

夫:まちづくりと建築設計を専門としている。
妻:専門はイタリア語。大の猫好き。

1. 住宅における環境負荷の低減

妻:「何をしているの?」
夫:「『地球環境の再生をめざして』ということで、アイディアを考えているんだ。一緒に考えてくれる?」
妻:「いいわよ。何から考えればいい。」
夫:「そうだな、いきなり地球環境と言ってもピンと来ないだろうから、身近なところで家庭のゴミから始めようか。」
妻:「家庭のゴミというと、あなたね。生ゴミと粗大ゴミのどっちかな。」
夫:「冗談はそこまで。生ゴミはコンポストで堆肥化して庭や畑にまけばいいけど、粗大ゴミは困るね。」
妻:「各メーカーが引き取るシステムを作るべきじゃない。」
夫:「リユースやリサイクルの費用は、メーカーが商品価格に予め含めておけば実現できるね。ゴミにはあと可燃ゴミと不燃ゴミがあるけど。」
妻:「どちらもほとんど商品パッケージだから、まず過剰包装をやめて、素材を植物など土に帰るものにしたらどうかしら。」
夫:「リレハンメルや長野オリンピックでもそういう容器が話題になったね。それならコンポストで処理できる。次に生活排水を利用できないかな。」
妻:「生活排水って、台所やお風呂の水でしょ。」
夫:「それにトイレの汚水も。」
妻:「浄化槽できれいにできれば、トイレや庭や畑の水として使えるけど。」
夫:「もっときれいにできれば、上水として再利用することもできるよ。」
妻:「上水は無理でしょ。だってトイレの汚水も入っているんでしょ。」
夫:「でも今飲んでいる水だって河川の表流水だけど、上流に浄化センターがあるわけだから似たようなものだよ。あとはすごくきれいにできれば可能だよ。」
妻:「それなら雨水も利用できるんじゃない。」
夫:「そうだね。ただ、豪雨などであふれると汚水も一緒に流出する心配があるから、今の段階では雨水貯留槽は別にしておいた方が無難かな。次はエネルギーだ。地球温暖化を防止するにはCO2を排出するガスや石油は使いたくないのだが。」
妻:「それなら電気だけにすればいいじゃない。広告にオール電化の家というのがあったわ。」
夫:「でも発電所のことを考えると、一概に電気がいいと言い切れないところがある。原子力発電は東海村の事故のように、危険をはらんでいるし、火力発電はCO2を排出する。あとは水力、風力、太陽光といった自然エネルギーをもっと活用していくことだが。」
妻:「うちみたいに各家に太陽光発電池を設置したらいいじゃない。」
夫:「晴れの日はいいけど、雨や曇りの日、それに夜はどうするの。やっぱり発電所は必要だよ。」
妻:「電気を蓄えておければいいのに。」
夫:「バッテリーを付けるか。蓄電容量に問題がありそうだが、方向としてはいいね。これをすべての建物に設置すれば、原子力発電所や火力発電所はいらなくなるかも知れない。給湯設備も太陽熱を利用すればいいし、残りは冷暖房か。」
妻:「エアコンを使えば。」
夫:「エアコンは体によくないし、使用電力量も抑えたいから、なるべく自然エネルギーを利用したいんだ。」
妻:「そうね。冬でも天気のいい日は部屋の奥まで陽が差し込んで、暖房がいらないもの。」
夫:「冬の暖房は集熱塔で暖められた空気を床下へ送り、地熱を併用すれば大丈夫かな。夏の冷房は夜の冷気を換気塔から下へ送り、日中は熱い空気を換気塔から逃がしてやればよさそうだ。」

2. 住宅地における環境負荷の低減

夫:「今度はもう少し範囲を広げて、住宅地について考えよう。」
妻:「CO2を排出したくないんだから、自動車はダメね。」
夫:「ガソリン車やディーゼル車はダメだけど、電気自動車や水素自動車なら大丈夫だよ。もっとも水素自動車はまだ走ってないけど。」
妻:「でもガソリン車やディーゼル車が電気自動車に代わるだけなら、また新たな問題が起こりそうね。基本的に車の台数を減らした方がいいんじゃない。」
夫:「日本に馴染むか分からないが、数世帯で1台の車を共有するカーシェアリングという方法もあるよ。でも、なぜ車の台数を減らす必要があるのかな?」
妻:「だって車が多いから渋滞になるし、渋滞になるから広い道路を造らなければいけないし、広い道路を造ると車がどんどん入ってきて、また渋滞になる、という悪循環でしょ。それに車の多い道って、歩いていてちっとも楽しくないわ。歩いていて楽しければ、買い物にだって、駅へだって車を使わずに歩いて行くわ。」
夫:「確かに車のないイタリアのベネツィアやギリシャのイドラ島は歩いていて楽しかった。猫も多かったし。」
妻:「猫がたくさん居るところは、人にとっても暮らし易いはずよ。猫って居心地のいいところを見つけることにかけては天才だから。」
夫:「OK、幹線道路も補助幹線道路も区画道路も歩くのが楽しくなるような道にしよう。」
妻:「それから狭い路地もつくってね。猫にとって路地は天国だから。」
夫:「あれ、猫のために道をつくっているんじゃないよ。」
妻:「猫のためになることは、人のためでもあるのよ。」
夫:「分かった。路地もつくろう。」

3. 都市における環境負荷の低減

夫:「今度はさらに範囲を広げて都市全体について考えよう。住宅地と同様にガソリン車やディーゼル車を都市に入れないようにパーク&ライドを都市の入口に配置しよう。ここで電気自動車や水素自動車のバスやタクシーに乗り換えるんだ。」
妻:「それじゃ、都市と都市の間は今までと変わらないじゃない。」
夫:「そうだね。都市間幹線道路は地下にして排ガスを浄化しよう。地下なら地震にも強いし、騒音や振動も防ぐことができる。電車も地下にしよう。」
妻:「都市内の道路はすべて歩くのが楽しくなる道ね。」
夫:「そのとおり。商店街はどこに配置しようか?」
妻:「どこの住宅地からも歩いて行けるところがいいわ。それから大型店は便利だけどつまらないから、歩きたくなるようにいろんなお店を並べて。あとはここが中心なんだという仕掛けがほしいわ。」
夫:「イタリアのパレルモで見たような四つ角はどうかな。中心となる交差点に面した4つの建物の外壁に大きなレリーフが掲げられていて、それぞれ描かれているものは違うけれど調和がとれているんだ。」
妻:「そこまでやるのは難しいと思うけど、交差点に面した4つの建物は似たような表情にしてほしいな。」
夫:「確かに日本の交差点は建物がバラバラでつまらないね。次に商店街に一日中活気があるようにするには、商店街へつながる軸上に業務施設を配置すればよさそうだね。学校はどこに配置しようか?人口3万人規模だと3箇所ぐらい必要になるんだけど。」
妻:「これも住宅地から歩いて行けるところね。それに共働きの家も多くなっているから保育園や幼稚園は駅へ行く途中にあると便利かな。」
夫:「それなら都市内の会社に通勤する人もいるわけだから、都市の背骨にあたる幹線道路寄りで各住宅地の中央付近がいいね。最後は公園だ。」
妻:「人工的な公園じゃなくて、自然の中に身を置ける公園がいいわ。元からある山や川を生かしたらいいんじゃない。」
夫:「そうだね。そういうところでお弁当を食べたいね。自然の中で食べると美味しいからね。それと運動ができる公園もつくろう。」
妻:「駅前にも公園をつくったら。どこの駅前もバスやタクシーの乗り場と商店だけで、ホッとできる場所がないわ。」
夫:「人が集まる場所がくつろげるところというのもいいね。コンサートやお祭りにも使えるように芝の多目的広場にしよう。夏の日差しを避けられるように樹も植えて。どうやら完成だ。ありがとう。」
妻:「どういたしまして。」

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