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まちづくりアイディア募集 優秀賞

School Zone −首都機能都市における通学区システムの提案−

氏名: 大澤 博子
所属: 共立女子大学家政学部生活美術学科

今の子供達にとって、公立小学校の通学区は小学校の収容児童数と対応する地域の拡がりを区切った行政的な区画にすぎない。
そこで、この通学区として定められた1つの空間を、子供達が、生まれ育った地域社会に固有な歴史・文化・気候風土・人々の生活スタイルなどを理解し、地域の都市的な形態と構造を把握するために、積極的に活用するシステム、すなわち、スクール・ゾーンを提案する。

・システムの概要・

スクールゾーンは首都機能都市にある公立小学校の通学区の1つを単位として、次のようなシステムエレメントにより構成される。

1.通学路ネットワーク 学校を核とする歩道ネットワークで表道、裏道、抜け道、路地などのヒエラルキーをもつ。
2.サブエリア スクールゾーンを都市計画的な用途地域に準拠して区分したもので、地名地番の他にそれぞれの地区の特徴を表すあだ名とシンボルマークをもつ。
3.ノード 通学路の分岐点、他種道路との交差点におかれる道路システムネットワークの結び目の施設。その種類は、外部からの来訪者と地域の全ての人を対象にしたもの、サブエリアの大人と子供を対象にしたもの、子供達だけのものがある。登下校時のたまり場となり情報交換の装置がある。
4.ランドマーク 地域の大多数の人が知っている自然物、建造物で子供達の原風景を形成する。必ずしも遠くから確認できるものとは限らない。
5.境界 通学区単位の境界。次のスクールゾーンの始まり。

・提案1 通学路ネットワークシステム・

案1通学ルートの歩道幅の図

通学路となるルートの設置。
-他種道路との差別化、通学区内の統一性を図る
・幹線になる方向別ルート、小学校と幹線ルートを結ぶ中央ルート
・ルートネーム、ルートカラーの作成 小学生が覚えやすい単純なもの、
例えば、
桃色:中央ルート 水色:水星ルート 黄色:金星ルート
青色:地球ルート 赤色:火星ルート 緑色:木星ルート
-歩行者優先道路としての役割
ルート内の歩道の幅員を上級生と下級生が手をつないで歩き、対向する歩行者(自転車・車椅子)とすれ違うことのできる幅として230cmに設定する。

・提案2 サイン・

案2-(1)シンボルマークの図

1つのサブエリアと道の種別を示すサインの設置。
-単純、明快なサインにより、通学区内の統一性を図り通学路の認識を高める
-(1)シンボルマークの設置
通学区独自のデザインとする。設置箇所は、それぞれのルートの始(終)点とし、設置高さは小学校低学年・高齢者・障害者(車椅子利用者)の目目線の高さである110cmとする。
車止めへの変形:通学時間帯のルートの車両通行止めの役目
-(2)カラーガードレールの設置
広範囲でのカラーサインとなる。通行車両に対しての注意を促し、歩行者の安全を確保するだけでなく、ルートの識別が容易になる。
-(3)システム案内図の設置
全体システム図を案内図として設置する。通学区内での位置確認の手段となり得る。

・提案3 ノードシステム・

案3-(1)ノード1のデザイン

通学ルートの結節点となるポケットパークの設置。
3つの大中小のグレードを設ける。
-(1)ノード1 中央ルートと幹線ルートの結節点
小学生の登下校時の寄り道の場となり、様々な遊びを誘発する。
地域の人々が気軽に利用でき、小学校との接点をもつ。
施設規模:200平方メートル前後
設置アイテム:1. 学校ギャラリー 小学生の作品を展示し、地域の人々に授業の様子を知らせる。
2. 子供ポスト 幹線ルート間での子供同士の情報伝達手段。
3. 掲示板トイレ 小学校と地域との情報交換を行う。
4. 景観のための植栽と段差による腰掛け 子供の遊びを誘発する。
-(2)ノード2 幹線ルート同士の結節点
小学生の登下校時の待ち合わせ場所となったり、大人達の井戸端会議の場となる。また、道路景観のアクセントとしての役割をもつ。
施設規模:50平方メートル前後
設置アイテム:1. 立ち話ポケット歩道からつながる安全地帯で、通行者の動線の邪魔をせずに話ができる。
2. 植え込みベンチ・電話ボックス 待ち合わせの場の機能。
-(3)ノード3 裏道や抜け道に子供達が自由につくる特別な設備はなく、他の通行人の邪魔にならない程度に道路から引っ込んでいる。

・提案4 総合的学習プログラム・

全体システム図

学校は、子供達が家と学校の間の登下校を繰り返しながら、自分達のスクールゾーンを観察して記録し、維持や改修について地域の大人と協力する総合的学習のプログラムをつくる。

このようなシステム全体を通じて、子供達は地域の空間的な構成と上位計画とのつながりを、通学路を通して学ぶこととなる。子供の頃から、身近な地域把握に馴染むことで、成長するにつれ、もっと広範囲に都市全体の構造を理解することが容易になり、住民として地域社会に積極的にコミットする基盤が養われる。

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問い合わせ先

国土交通省 国土計画局 首都機能移転企画課
Tel:03-5253-8366 Fax:03-5253-1573 E-mail:itenka@mlit.go.jp