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緑の丘の首都機能都市

氏名: 有田 洋人
所属: 関西学院大学総合政策学部

テーマ:緑の丘の首都機能都市
登場人物紹介:
A…視察に訪れた外国の若い役人
B…その同僚
H…首都機能都市の案内人(観光関連の部署に出向している若い役人)
時間:首都が東京から首都機能都市に移転して半年

東京から首都が首都機能都市に移転して半年、ようやく首都機能が上手く機能始めた時にとある国の若手の役人2人が日本の新首都と視察しに訪れました。彼らを案内するのは最近観光関連の部署に出向を命じられたまだ若手の役人である私、Hです。私には疑問があります。なんで観光担当の私が外国の役人を案内するのかがわかりません。視察に来ているのだから首都機能移転担当の部署の役人が案内するべきではないだろうかとかなり大きな疑問を感じています。この疑問は後で解決されることになりますから置いておいてそろそろ首都機能移転都市の案内にをすることにします。

首都機能移転都市から車で30分のところに新しく国際空港が出来ました。敷地の都合上この新国際空港はアジアで最大規模とはいきませんが日本にある国際空港にしては大きく国際ハブ空港の機能も有しています。空港から首都機能都市までは環境にやさしい新交通システムが24時間営業で運行しています。あまり自動車は使ってもらいたくないのでタクシーやバス以外は許可を得た車両しか空港に行けません。その空港でHは視察に来た外国の役人と待ち合わせをしています。今日は新交通システムを使ってもらおうと思ったのですがHは予定を変えて車でまず首都機能都市の周りをドライブして外観を見てもらうことにしました。さて2人は到着したようです。Hは2人を車に乗せて、当然、新空港のことも話し今日は許可をもらっているから車でも良いと説明し、首都機能都市に向けて車を走らせました。実は、空港から首都機能都市の間、また他の近郊都市との間には高速道路はありません。狭い2車線の道が首都機能都市の東西南北に1本ずつ通っているだけです。関係車両以外は首都機能都市には入ることは出来ません。都市内では公共交通機関と作業車両と公用車両しか入れません。そろそろ3人は首都機能都市に近づいてきたようです。Aが不思議そうな顔をしています。それは、Hが目の前に都市があると言うのですが緑で覆われた丘しか見えないからです。

この首都機能都市は環境に配慮された都市で世界に同じものが存在しない高度な技術を用いた都市です。都市の構造は外から見たら緑の丘です。首都機能都市にある建物は、国会議事堂・首相官邸・官公庁・迎賓館・公務員宿泊施設・駅・病院・娯楽施設(スポーツ、温泉、ゲームなど)・ショッピングセンター・総合リサイクル施設・総合発電所(太陽エネルギー、風力エネルギー、バイオマスエネルギー、人力エネルギー)、ホテルです。民間人は一切住んでいません。また、都市で働く人々も外から通ってきています。3権分立の立法と行政の機能だけがこの首都機能都市にあります。司法や経済は東京が今だに中心地です。というHIROの説明をAとBは熱心に聞いています。2人には疑問がありました。建物の数は首都機能都市を外から見た限り聞いているだけの方が多いが、一体それだけの建物が何処にあるのだろうか。答えは大部分が地下です。森の中にある小屋がこの首都機能都市のイメージです。小屋では小さいので上に建物を作る高層建築ではなく下に作って行く建築方法を取りました。地上にあるのは建物の入り口です。首都の移転の際に予定地の地形をなるべく原型のまま留めてそこにある豊かな自然景観になるべく影響を与えないようにし、また世界に例のない緑の中の都市を作りました。都市内での交通手段は新交通システムです。従来型の自動車はすべて入り口の駐車場に止めます。緊急車両も作業車両も環境に配慮された最新の車両です。Bは納得しましたが、Aには疑問がまだあります。防災はどうなっているのかです。地下だと火災があった場合にどのように対処するのかです。この首都機能都市にはコントロールルームがあります。犯罪やテロから避けるために場所は秘密になっています。そのコントロールルームですべてをコンピューター管理しています。この都市は最新の通信設備が使われているのでこの通信も管理しています。そして、何か問題が発生した場合にはまず最初にコントロールルームから消火装置の遠隔操作で対処しその後に消防用機械・車両や救急用機械・車両が来ます。避難する時は各建物の各層が繋がっていてそこから脱出するようになっています。Aは首都機能都市での人々の生活がとても気になりました。なぜなら、建物自体がほとんど地下にあるので時間の感覚が麻痺したり移動が不便なのではと疑問に感じたからです。時間の感覚は問題ないとしても移動に関してはとても疑問に感じます。

Hは、AとBを首都機能都市の内部に案内しました。そこでAが抱いていた移動に関しての疑問が解決されました。地下街と同じような広さのある通路が至るところにあったからです。完全な地下都市ではないが巨大な地下壕のような都市です。一見、軍事都市のような構えですがこれは自然景観に配慮した結果です。地下都市に近いので莫大な電気が使われますが自然から得られるものでなるべく得るようにしていますが、都市内での人の動きからもエネルギーが得られるようになっています。通路の床には人が床に与える力をエネルギーに利用する特殊な装置が使われています。

取り敢えず、今日の視察は終わりです。Hは、AとBを首都機能都市の近郊にある町のホテルまで送りました。ホテルは首都機能都市内部にもありますが、現在国会の期間中なので国会議員用の宿舎になっています。議員宿舎は近郊の都市に別に設けられていますが、遠いので国会期間中はホテルに寝泊りしています。だから、部屋が取れなかったのでAとBは近郊の都市に泊まることになりました。

この首都機能都市は珍しいタイプの都市なので世界各国から視察の役人や観光客が来ます。完成して半年なので首都機能都市移転担当の部署の職員だけでは案内が出来なくて観光関連の部署の職員も動員されています。政治都市が今は観光都市としての機能を備えてしまったという訳です。

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問い合わせ先

国土交通省 国土計画局 首都機能移転企画課
Tel:03-5253-8366 Fax:03-5253-1573 E-mail:itenka@mlit.go.jp