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ライフスタイルシナリオ募集 優秀賞

文化継承士

グループ名: 首都機能移転とテレワーク部会
代表者名: 和光 正司
構成メンバー氏名: 和光 正司、川野 史雄、田川 晋一郎
所属: 社団法人 日本テレワーク協会

■2020年の登場人物

年齢性別世代:72歳 男性 団塊世代
職業・仕事分野:社会復帰推進事業団
ライフステージ:定年退職し事業団に入る
家族構成:妻67歳
住居地域:ネイチャーライフ街区 一戸建て(純和風建築)
家族所在:同居・娘夫婦は東京在住
ライセンス:日本文化継承木工士・自動車免許
趣味:スポーツ・日曜大工・歌舞伎鑑賞
特技:日本料理・書道・やきもの

■世代の価値観

戦争体験はないが、父権家庭に育ち、戦前の価値観、文化、風習から欧米に影響を受けた新しい民主主義の価値観まで総てを体験し、理解できる世代である。いわば旧世代と新世代をつなぐトランスレーターとしての役割を一番認識しているのだ。
私は、戦後のヤミ市がまだ残っている東京で生まれ、清貧の小学時代を送った。遊び道具は自分達の手作りで、モノを創る楽しさを体で覚えてきた。また、技術の発達を享受し、モノを保有する幸福感、そして社会に参加する協調意識を持つ、参加型意識が強い世代である。また、「家族との絆の強さ」、飽食の時代の影響である「使い捨て文化」など、幅広い価値観をもつ、涙もろい世代である。

■ライフスタイル・ワークスタイル

父を教師に持ち、躾には厳しい家庭で育つ。日本文化に傾倒する家庭の影響から、「将来は何になるの?」と言う質問に対し、「大工さん」と答える純粋な少年であった。しかし、テレビの普及と共にアメリカ文化にのめり込んで行った。アイビールック、ロックンロールにコカコーラ。50〜60年代の米国文化をライフスタイルとして享受した。一方、ロックアウトに火炎瓶と学生運動にのめり込んだのも私達である。様々な現体制を壊し、新しい文化を創造してきた。時と共に回顧心が強くなり、表面は合理的、内心は日本人という古い生活観を持った私は、新都市にきて自宅(純和風建築)で着物を着始めた。

■メインストーリー

戦後ベビーブームという冠を敷いた私達の世代は、社会の発展と共に名称が変わり,、常にスポットライトを浴び続けた世代である。20世紀後半のバブルの頃は、定年後は優雅な年金生活を送れるはずであった。しかし、世紀末の急激な高度情報化の波と平成不況にさらされ、リストラの対象となり、定年も65歳から60歳(2005年)に戻り、ほぼ全員が失業の荒波に揉まれてしまったのだ。

私達の世代は、アメリカの文化をいちはやく取り入れた世代ではあるが、エレキギターよりはアコースティックギター、テクノサウンドよりロックンロールと、デジタル文化よりはアナログ文化に馴染みがある。また、世紀末の頃は会社における地位も管理職が多く、その結果コンピューター操作が出来ない人種が多かった。そのため、今の時代では全くといってよいほど使い物にならない情報オンチ人種と烙印を押されてしまった。あわせて、派閥政治に奔走した政治化のツケを一身に浴び、年金支給開始年齢が70歳からとダブルパンチを受けた人生最悪の晩年を向かえようとしている。

しかし、新人類Jrの台頭で、意思の疎通が苦手な世代、地球環境への無関心、日本文化の衰退の危機、心の荒廃、物作りの匠の技術など、日本人の心、技術が再確認されだした。いつの時代でもそうだが、科学万能ではないことが、団塊の世代にとっての朗報であった。

政府は「社会復帰事業団*1.」を組織し、登録された65歳以上の各種技能者を企業に派遣し、雇用促進と「日本の文化の継承*2. *3.」に努めだした。しかし、この裏には5年後の年金支出費用の捻出という財政的問題を含んだ対策でもあった。さて、しの新都市での生活だが、住居クラスターの一戸建は、リサイクル率80%を完遂した環境芝生型住宅で、そのコンセプトに共鳴したシルバー世代にも人気があり、第二の人生を送る人も多い。そんな世代が社会復帰推進事業団の新都市支部を構成し、小学生を対象として、ベーゴマ・メンコなどの日本の20世紀子供風俗を伝えている。その輪は、徐々に広がり、日本料理の会・焼き物伝承の会・和風建築士の育成…と広がりをみせはじめている。

何回目かの命名になるのだろうか、団塊の世代は、終生働き続ける「回遊世代*4.」と名を変えた。これからもハーメルンの笛吹きのように、彼等は国家の笛に踊らされ、海へと一路歩み続けるのだろうか。

*1. 「社会復帰推進事業団」…日本文化継承士を育成し、企業に派遣する機関で全国職業安定所の下部組織として設置される。

*2. 「日本文化継承法」…日本の心、技術を継承することを図り、新時代を作る事を前提に施行された法律。企業は 100人に対して10%の継承士を雇用しなければならない。

*3. 「日本文化継承士」…学校に派遣され、ベーゴマ回し、メンコに代表される日本の遊びを子どもに伝える玩具士。・食堂、レストランに派遣される日本調理師。・子どもの躾を継承する作法士・木工技術を継承する木工士等、全12分類 258技能士からなる、あらゆる生活に渡る文化を残すため制定された技能士のこと。

*4. 「回遊世代」…大洋を大きな一団となって回遊し続ける鮪になぞらえた。鮪に代表される回遊魚は一生泳ぎ続け、(働き続け)泳ぎをやめたときは死を意味する。

●文化継承士 イメージスケッチ

新都市の小学校で、ベーゴマ・めんこ・といった、日本の20世紀子供風俗を教える

文化継承士 イメージスケッチ

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問い合わせ先

国土交通省 国土計画局 首都機能移転企画課
Tel:03-5253-8366 Fax:03-5253-1573 E-mail:itenka@mlit.go.jp