空き家対策の高度化と業務効率化
令和5年(2023年)の住宅・土地統計調査の結果では、空き家数は900万2千戸と過去最多、空き家率も13.8%と過去最高となりました。空き家の増加が全国的な課題となるなか、自治体では実態把握やモニタリングに必要な人員や予算の確保が難しく、従来手法には限界があります。 このため、空き家対策を所管する自治体や国では定期的な調査が進められていますが、国の調査はサンプリング調査が中心で地域単位での詳細な把握に向かず、自治体の実態把握手法は網羅的な把握に大きなコストがかかる上、5年~10年に1回程度と頻度が少なく施策効果が見えにくいといった課題も顕在化しています。
ファイル名 | 主なデータ項目 | データ形式 | 年次 | 範囲 | ファイル数 |
---|---|---|---|---|---|
住民基本台帳データ | ・世帯番号 ・住所 ・性別 ・生年月日 ・住定日 |
csv | 2020-2024年 | 愛知県豊田市 愛知県豊橋市 |
それぞれ5つ |
水道栓データ | ・水道栓番号 ・開閉区分 ・住所 ・使用開始日 ・使用中止日 |
csv | 2024年 | 愛知県豊田市 愛知県豊橋市 |
それぞれ1つ |
水道使用量データ | ・水道栓番号 ・検診年月日 ・使用水量 |
csv | 2020-2024年 | 愛知県豊田市 愛知県豊橋市 |
それぞれ5つ |
PLATEAU3D都市モデルデータ | 建物モデル(LOD0) | GeoPackage | 2023年 | 愛知県豊田市 愛知県豊橋市 |
それぞれ1つ |
空き家調査結果データ | 空き家の住所 | csv | 2023年 | 愛知県豊田市 愛知県豊橋市 |
それぞれ1つ |
ジオコーディング済データ | ・住所 ・緯度 ・経度 |
csv | 2024年 | 愛知県豊田市 愛知県豊橋市 |
それぞれ1つ |
国勢調査小地域境界データ | ・KEY_CODE ・S_AREA |
shapefile | 2020年 | 愛知県豊田市 愛知県豊橋市 |
それぞれ1つ |
①3D都市モデル(Project PLATEAU)
発行元:国土交通省都市局
参考URL:https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/plateau
②国勢調査 小地域(町丁・字等)
発行元:総務省統計局
参考URL:https://www.e-stat.go.jp/
空き家推定システム LINKS SOMA(Smart Observation and Mapping system for AKIYA)
住民基本台帳や水道使用量などの庁内データを活用し、AIで空き家の可能性が高い建物を建物単位で推定する自治体向けシステムです。 建物単位で空き家の可能性を推定することで、調査業務の効率化や、予防的な施策立案の実現を目指します。個人情報を含むデータを安全に扱えるよう、オフライン環境に対応し、業務端末上で利用できる他、ノーコード操作や直感的なダッシュボードにより、分析・可視化・調査業務の効率化を支援します。
1.名寄せ処理
庁内の複数のデータをシステムに取り込み、住所や日付の表記を統一したうえで、住所を基点に建物単位の情報として1つに統合する機能です。名寄せ処理によって作成されたデータは、AIモデルの構築や空き家推定に活用します。
2.モデル構築
教師データ(空き家調査結果)を含む名寄せ処理済データをもとに、空き家のなりやすさを学習し、推定AIモデルを作成する機能です。地域のデータを学習することにより、地域特性を踏まえた空き家確率を建物単位で推定できます。
3.モデル構築
構築したAIモデルを用いて、建物単位で空き家の確率を推定し、その結果をダッシュボード上で可視化する機能です。建物ごとの推定結果に加え、地域単位での表示や、インプットデータから算出した高齢者率・空き家率の推移などもグラフ化でき、分析に活用できます。
愛知県豊田市・豊橋市の職員を対象に、有用性検証会を実施しました。庁内データをもとに空き家の確率を推定し、可視化・分析する一連の流れを体験し、グループごとに推定結果をもとに地域課題を議論し、具体的な施策の検討を通じて、システムの使いやすさや業務への有用性について意見交換を行いました。
\ 利用者の声 /
システム自体は操作方法もさほど難しくなく、インプットデータが入手できれば自分で結果作成まで出来ると感じました!
推定空き家の資産価値や面積などが分かれば、市場流通、空き家バンク登録、転用、解体など、所有者により具体的・現実的な利活用策の提案ができそうです!