

建設省住整発第六号
昭和五四年五月一一日
建設省住宅局長通知
改良住宅等管理要領
第1 目的
この要領は、国の補助又は住宅地区改良法附則第八項の規定による無利子貸付(以下「無利子貸付」という。)に係る改良住宅、小規模改良住宅及び更新住宅(以下「改良住宅等」という。)の適正かつ合理的な管理を図ることを目的とする。
第2 管理義務
施行者(改良住宅等の管理を行う地方公共団体をいう。以下同じ。)は、常に改良住宅等及び地区施設等並びに改良地区、小規模住宅地区等改良事業及び改良住宅等改善事業の施行地区の状況に留意し、改良住宅等及び地区施設等の管理を適正かつ合理的に行うよう努めなければならない。
第3 借上型更新住宅に係る賃貸借契約の締結
建替事業の施行者が改良住宅等改善事業制度要綱第12第二項の規定に基づき借り上げる更新住宅(以下「借上型更新住宅」という。)を管理しようとする場合においては、当該住宅を借上型更新住宅とすることの約定、条件等について、当該住宅所有者と協定を締結するものとする。
第4 家賃の決定
1 改良住宅等の家賃は、次に定めるところにより、当該改良住宅等の工事費(当該費用のうち国の補助若しくは無利子貸付又は都道府県の補助に係る部分を除く。)を期間三〇年以上利率年六パーセントで毎年元利均等に償却するものとして算出した額に修繕費、管理事務費、損害保険料及び地代に相当する額を加えたものの月割額を限度として、施行者が定める。
一 償却の期間は次の表に定めるとおりとする。
住宅
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償却の期間
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耐火構造の住宅
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七〇年
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準耐火構造の住宅
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四五年
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木造の住宅(耐火構造及び準耐火構造を除く)
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三〇年
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ただし、公営住宅法施行令の一部を改正する政令(平成五年六月二三日政令第二〇九号)の適用を受ける前の、簡易耐火構造の住宅で二階建のもの、簡易耐火構造の住宅で平家建のものについては、次の表による。
住宅
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償却の期間
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簡易耐火構造の住宅で二階建のもの
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四五年
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簡易耐火構造の住宅で平家建のもの
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三〇年
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二 修繕費及び管理事務費は、次の表に定める住宅の工事費の額に同表に定める率をそれぞれ乗じた額を年額とする。
住宅
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修繕費の乗率
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管理事務費の乗率
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耐火構造の住宅
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一〇〇分の一・二
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一〇〇分の〇・一五
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準耐火構造の住宅
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一〇〇分の一・五
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一〇〇分の〇・二
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木造の住宅(耐火構造及び準耐火構造を除く)
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一〇〇分の二・二
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一〇〇分の〇・三一
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ただし、公営住宅法施行令の一部を改正する政令(平成五年六月二三日政令第二〇九号)の適用を受ける前の、簡易耐火構造の住宅で二階建のもの、簡易耐火構造の住宅で平家建のものについては、次の表による。
住宅
|
修繕費の乗率
|
管理事務費の乗率
|
簡易耐火構造の住宅で二階建のもの
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一〇〇分の一・五
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一〇〇分の〇・二
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簡易耐火構造の住宅で平家建のもの
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一〇〇分の二・二
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一〇〇分の〇・三一
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三 損害保険料は、地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二六三条の二の規定により、施行者である地方公共団体の利益を代表する全国的な公益的法人が行う火災による損害に対する相互救済事業の事業費の負担率により算出した額を超えない額とする。
四 地代に相当する額は、次の表の上欄各項に定める区分に応じてそれぞれ中欄各項に定める額からそれぞれ下欄各項に定める額を控除した額を年額とする。
改良住宅等を建設するために必要な土地の所有権を取得した場合(次項の場合をく。)
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土地取得造成費に一〇〇分の六を乗じた額
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土地取得造成費の補助額等に一〇〇分の六を乗じた額
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改良住宅等を建設するために必要な土地の所有権を国又は地方公共団体から通常の条件より有利な条件で取得した場合
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通常の土地取得費及び宅地造成費の合計に一〇〇分の六を乗じた額
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土地取得費有利分及び土地取得造成費の補助額等の合計に一〇〇分の六を乗じた額
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改良住宅等の敷地が借地である場合(次項の場合をく。)
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次に掲げる額の合計
一 地代
二 借地権取得費の償却額
三 宅地造成費に一〇〇分の六を乗じた額
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次に掲げる額の合計
一 地代の補助等
二 借地権取得費の補助額等の償却額
三 宅地造成費の補助額等に一〇〇分の六を乗じた額
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改良住宅等を建設するために必要な土地を国又は地方公共団体から通常の条件より有利な条件で借り受けている場合
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次に掲げる額の合計
一 通常の地代
二 通常の借地権取得費の償却額
三 宅地造成費に一〇〇分の六を乗じた額
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次に掲げる額の合計
一 地代有利分及び地代の補助額等
二 借地権取得費有利分及び借地権取得費の補助額等の償却額
三 宅地造成費の補助額等に一〇〇分の六を乗じた額
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前各項以外の場合
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近傍類似の土地の固定資産税評価額に相当する額と宅地造成費の合計額に一〇〇分の六を乗じた額
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宅地造成費の補助額等に一〇〇分の六を乗じた額
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備考 この表において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 土地取得造成費 土地の所有権の取得に要した費用及び宅地造成費の合計額をいう。
二 地代 地代の年額をいう。
三 通常の土地取得費 土地の所有権を取得したときの通常の条件による土地の所有権の取得に要する費用をいう。
四 通常の地代 通常の条件による地代をいう。
五 通常の借地権取得費 借地権を取得した時の通常の条件による借地権の取得に要する費用をいう。
六 土地取得費有利分 通常の土地取得費から土地の所有権の取得に要した費用を控除した額をいう。
七 地代有利分 通常の地代から地代を控除した額をいう。
八 借地権取得費有利分 通常の借地権取得費から借地権取得費を控除した額をいう。
九 補助額等 国の補助額若しくは無利子貸付額又は地方公共団体の補助額。
十 償却額 第一号の期間の例により利率年六パーセントで毎年元利均等に償却するものとして算出した年額をいう。
十一 固定資産税評価額 地方税法(昭和二五年法律第二二六号)第三四一条第一〇号に規定する土地課税台帳又は同条第一一号に規定する土地補充課税台帳に現に登録されている価格をいう。
2 施行者は、次の各号の一に該当する場合においては、前項の規定による家賃(第7第一項の規定により敷金を徴収している場合においては、敷金を含む。以下この項において同じ。)を変更し、又は第一項及び第5第一項の規定にかかわらず家賃を別に定めることができる。
一 物価の変動に伴い家賃を変更する必要があると認めるとき。
二 改良住宅等相互の間における家賃の均衡上必要があると認めるとき。
三 改良住宅等について改良を施したとき。
3 施行者は、前項の規定により、第一項に規定する限度を超えて家賃を定め、又は変更しようとするときは、公聴会を開いて利害関係人及び学識経験のある者の意見を聴いたうえで行わなければならない。
4 建設物価の変動を考慮して地域別に定める率(公営住宅法の一部を改正する法律(平成八年法律第五五号)の規定による改正前の公営住宅法第一三条第三項に規定する率をいう。)を当該改良住宅等の工事費に乗じて得た額を期間三〇年以上利率年六パーセントで毎年元利均等に償却するものとして算出した額に修繕費、管理事務費、損害保険料及び地代に相当する額を加えたものの月割額が、第一項に規定する限度と異なる場合においては、前項の規定の適用については、当該月割額を第一項に規定する限度とみなす。この場合において、当該月割額の算出に関し必要な事項は、第一項に準ずるものとする。
5 施行者は、第一項及び第二項の規定により家賃を定め、又は変更しようとするときは、別記様式第1から第1の2を参考とし家賃を算出するものとする。
第5 家賃等の減免及び徴収猶予
1 施行者は、入居者又は入居しようとする者の収入が著しく低額であることその他特別の事情がある場合において必要があると認めるときは、家賃又は敷金の減免をすることができる。この場合において、家賃又は敷金の減免は、入居者又は入居しようとする者の申出により、特別の事情があると認められるときに行うものとする。
2 施行者は、前項の規定により家賃又は敷金を減免する場合には、実施基準を定め、適正かつ合理的に減免を実施するよう努めなければならない。
3 施行者は、入居者又は入居しようとする者が病気にかかっていることその他特別の事情がある場合において、必要があると認めるときは家賃又は敷金の徴収を猶予することができる。
第6 借上型更新住宅の家賃の決定等
1 借上型更新住宅の家賃は、基準家賃(住宅金融公庫の賃貸住宅家賃算定基準(昭和五七年九月二〇日付け住公達第一三号)第三条に規定する額で住宅金融公庫法施行規則(昭和二九年大蔵・建設省令第一号)第一一条の規定等に準じて算定した額)を基準とし、近隣の民間の賃貸住宅の家賃水準等を考慮して適正な額となるよう管理主体が定める。
2 前項の規定は、家賃を変更する場合に準用する。
第7 敷金
1 施行者は改良住宅等の入居者から三月分の家賃に相当する金額の範囲内において敷金を徴収することができる。
2 施行者は、前項の規定により敷金を徴収した場合には、その経理を明確にするとともに、その運用に係る利益金がある場合においては、当該利益金を児童遊園、集会所等の地区施設の建設、植栽その他の環境の整備に要する費用に充てる等改良住宅等の入居者の共同の利便のために使用するよう努めなければならない。
第8 収入超過者に対する措置等
1 施行者は、改良住宅等の入居者が当該改良住宅等に引き続き三年以上入居し、かつ、当該入居者の収入(公営住宅法施行令(昭和二六年政令第二四〇号)第一条第三号の例に準じて算出した額をいう。)が公営住宅法第二三条第二号イに掲げる場合にあっては一七八、〇〇〇円以下で施行者が条例で定める金額、同号ハに掲げる場合にあっては一三七、〇〇〇円を超える場合においては、次の表の上欄に掲げる区分に応じてそれぞれ下欄に定める倍率を家賃の額に乗じた額を限度として、割増賃料を徴収することができる。
入居者の収入
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倍率
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公営住宅法第二三条第二号イに掲げる場合にあっては一七八、〇〇〇円以下で施行者が条例で定める金額、同号ハに掲げる場合にあっては一三七、〇〇〇円を超え二〇〇、〇〇〇円以下の場合
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〇・三
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二〇〇、〇〇〇円を超え二四二、〇〇〇円以下の場合
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〇・五
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二四二、〇〇〇円を超える場合
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〇・八
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2 施行者は、前項の規定する場合に該当する改良住宅等の入居者から他の適当な住宅に入居したい旨の申出を受けたときは、その者が他の適当な住宅に入居することができるようにあっせんする等その明渡しを容易にするよう努めなければならない。
3 第5の規定は、割増賃料の減免及び徴収猶予について準用する。
第9 家賃等以外の金品等の徴収の禁止
1 施行者は、改良住宅等の使用に関し、その入居者から家賃、敷金及び割増賃料を除くほか、保証金、権利金その他の金品を徴収し、又はその入居者に不当な義務を課することができない。
2 前項の規定にかかわらず、施行者は入居者から共同水栓等の水道料、廊下階段の照明灯、道路の街灯等の電気料及び衛生掃除等の共益費を徴収することができる。
第10 修繕の義務
施行者は、改良住宅等について修繕(破損ガラスの取替、畳表の取替、襖の張替等の軽微な修繕及び給水栓、点滅器その他の附帯施設の構造上重要でない部分の修繕を除く。)をする必要が生じたときは、遅滞なく修繕しなければならない。ただし、入居者の責に帰すべき事由によって修繕する必要が生じたときは、この限りでない。
第11 入居資格等
改良住宅等への入居は、次に定めるところにより行うものとする。
1 改良住宅に入居させるべき者
一 施行者は、住宅地区改良法第一八条各号に掲げるもので、改良住宅への入居を希望し、かつ、住宅に困窮すると認められる者を入居させなければならない。
二 施行者は、前号に規定する者が改良住宅に入居せず、又は入居した後、転居、死亡等の理由によって当該改良住宅に居住しなくなった場合には、当該改良住宅に入居する者を公営住宅法第二二条から第二五条第一項までの規定に準じて公正な方法で選考し、入居させなければならない。
2 小規模改良住宅に入居させるべき者
一 施行者は、小規模住宅地区等改良事業制度要綱第九条第一項に掲げる者で、小規模改良住宅へ入居を希望し、かつ、住宅に困窮すると認められる者を入居させなければならない。
二 施行者は、前号に規定する者が小規模改良住宅に入居せず、又は入居した後、転居、死亡等の理由によって当該小規模改良住宅に居住しなくなった場合には、当該小規模改良住宅に入居する者を住宅に困窮すると認められる者の中から公正な方法で選考し、入居させなければならない。
3 更新住宅に入居させるべき者
一 施行者は、改良住宅等改善制度要綱第13第一項各号に掲げる者で、更新住宅への入居を希望し、かつ、住宅に困窮すると認められる者を入居させなければならない。
二 施行者は、前号に規定する者が更新住宅に入居せず、又は入居した後、転居、死亡等の理由によって当該更新住宅に居住しなくなった場合には、当該更新住宅に入居する者を住宅に困窮すると認められる者の中から公正な方法で選考し、入居させなければならない。
第12 改良住宅等の保管
施行者は、入居者が改良住宅等を他の者に貸し又は入居の権利を他の者に譲渡すること、改良住宅等の用途を変更すること及び改良住宅等を模様替し、又は増築することを認めてはならない。ただし、次に掲げる入居者の行為についてやむを得ない事情があると認められる場合には、改良住宅等の機能若しくは地区等の環境を損なわず、又は現状回復を困難にするおそれのない範囲で承認することができる。
一 改良住宅等の一部の用途を変更する行為。
二 改良住宅等を模様替し、又は増築する行為。
第13 改良住宅等の明渡し
施行者は、改良住宅等の入居者が次の各号の一に該当する場合においては、当該入居者に対して、その改良住宅等の明渡しを請求することができる。
一 入居者が不正の行為によって入居したとき。
二 入居者が家賃又は割増賃料を三月以上滞納したとき。
三 入居者が改良住宅等又は地区施設等を故意にき損したとき。
四 入居者が施行者の承認を得ることなく第12各号に掲げる行為を行ったとき。
五 入居者が施行者の制定した管理に関する条例等に違反したとき。
第14 改良住宅等監理員
施行者は、その職員のうちから改良住宅等監理員を任命することができる。この場合において、当該改良住宅等監理員は、改良住宅等及び地区施設等の管理に関する事務を担当し、改良住宅等及びその環境を良好な状態に維持するよう入居者に必要な指導を行うものとする。
第15 改良住宅等又は地区施設等の譲渡処分
1 施行者は、次に規定する基準に適合する場合において特別の事由があるときは地方整備局長、北海道開発局長又は沖縄総合事務局長(以下、「地方整備局長等」という。)の承認を得て、改良住宅等又は地区施設等を入居者、入居者の組織する団体又は営利を目的としない法人に譲渡することができる。
一 改良住宅等が中高層の耐火性能を有する共同住宅以外のものであり、かつ、建設後耐用年数の四分の一を経過していること。
二 改良住宅等又は地区施設等の敷地を将来の都市施設用地等の公有地として保有する必要がなく、かつ、その敷地を譲渡しても都市計画上支障を生ずるおそれのないこと。
三 借地に建設された改良住宅等又は地区施設等については、その敷地の所有者が入居者に対し当該土地を譲渡し、又は賃貸することを承諾していること。
四 当該地域の実情から、改良住宅等又は地区施設等として維持管理する必要がなく、かつ、その戸数の増加を図る必要がないこと。
五 入居者(団地を形成している場合においては、原則としてその全戸の入居者)がその譲受けを希望しており、かつ、譲渡の対価の支払能力があること。
六 譲渡の対価が適正であること。とくに、敷地の価格は、原則として不動産鑑定士が更地として評価した額であること。
七 改良住宅等又は地区施設等の維持保全がその譲渡後も適正に行われると認められること。
2 譲渡価格は、次の式によって算出した改良住宅等の複成価格とその敷地(当該敷地が借地である場合を除く。)の時価の合計額を基準とし、災害による損傷その他特別の事由を勘案して施行者が定めるものとする。ただし、耐用年限を経過している場合の譲渡価格は、原則として残存価格(推定再建築費に簡易耐火構造の住宅で平家建のものにあっては〇・一、簡易耐火構造の住宅で二階建のもの又は準耐火構造若しくは耐火構造の住宅にあっては〇・二をそれぞれ乗じた額。)と同額とするものとする。
複成価格=推定再建築費−(年平均減価額×経過年数)
この式において、「推定再建築費」及び「年平均減価額」は、それぞれ次に定める額とする。
一 推定再建築費 当該改良住宅等又は地区施設等の工事費の額に地域別に定める率(公営住宅法施行規則(昭和二六年建設省令第一九号)第七条に規定する推定再建築費に係る率をいう。)を乗じた額。
二 年平均減価額 推定再建築費から残存価額を差引いたものを耐用年数で除した額。
3 第一項第一号及び前項の改良住宅等の耐用年限は第4第一項第一号の表に定めるところによる。
4 第一項の規定により、施行者が地方整備局長等の承認を求めようとするときは、改良住宅等又は地区施設等の譲渡処分承認申請書を地方整備局長等に提出しなければならない。この場合において、施行者が指定都市以外の市町村(特別区を含む。)であるときは、都道府県知事を経由するものとする。
5 第一項の規定による譲渡の対価は不良住宅等の除却、改良住宅等又は共同施設の建設、修繕又は児童遊園、集会所等の地区施設の建設、植栽その他の環境の整備に要する費用に充てなければならない。ただし、譲渡した改良住宅等の建設等の費用に充てるために起こした地方債等について償還すべきものがあるときは、譲渡した改良住宅等ごとにその償還に充てることを妨げない。
6 当分の間、過疎地域活性化特別措置法(平成二年法律第一五号)第二条第一項に規定する過疎地域その他の政令で定める地域内の改良住宅等に係る第一項の規定の適用については、同項中「次に規定する基準に適合する場合において特別の事由があるときは」とあるのは「次に規定する基準に適合する場合においては」とする。
第16 改良住宅等又は地区施設等の用途廃止
1 施行者は、改良住宅等又は地区施設等が次のいずれかに該当し、かつ、その補修又は移転をすることが不適当である場合においては、地方整備局長等の承認を得て、改良住宅等又は地区施設等の用途を廃止することができる。
一 老朽化により居住の用に供することが危険な状態にある場合において建替えを行うことが不適当又は不必要であり、かつ、当該改良住宅等又は地区施設(児童遊園を除く。)が建設後、耐用年限の二分の一以上を経過しているものであること。
二 災害により損傷を受けたとき。
三 入居者がなく、将来とも改良住宅等又は地区施設等として保有する必要がない場合で、かつ、当該改良住宅等又は地区施設(児童遊園を除く。)が建設後、耐用年限の二分の一以上を経過しているものであること。
四 都市計画事業等を施行するため必要があるとき。
五 その他やむを得ない事情があるとき。
2 前項第一号から第四号のいずれかに該当する場合において、施行者が改良住宅等又は地区施設等の用途を廃止し、用途を廃止した日から一月以内に地方整備局長等に報告のあったものについては、地方整備局長等の承認があったものとして取り扱うものとする。この場合において、施行者が指定都市以外の市町村(特別区を含む。)であるときは、都道府県知事を経由して、地方整備局長等あて進達するものとする。
3 第一項第五号に該当する場合において、施行者が改良住宅等又は地区施設等の用途を廃止しようとするときは、地方整備局長等に用途廃止承認申請書を提出し、用途廃止の承認を得なければならない。この場合において、施行者が指定都市以外の市町村(特別区を含む。)であるときは、都道府県知事を経由して、地方整備局長等に進達するものとする。
4 都市計画事業等の施行に伴って改良住宅等又は地区施設等の用途を廃止した場合において、当該事業等の施行者から補償金若しくは土地買収費の支払いを受けたとき、又は改良住宅等の除却によって発生した廃材の売払代金等の収入があったときは、第15第五項の規定に準じて同項に定める使途に充てるものとする。
5 施行者は、改良住宅等改善事業制度要綱第8第一項の規定に基づく改良住宅等建替計画の承認(同第三項の規定に基づく変更の承認を含む。)があったとき、第一項の規定にかかわらず、当該改良住宅等建替計画において除却すべきものとされた改良住宅等又は地区施設等の用途を廃止することができる。この場合において、当該建替計画の承認をもって当該計画において除却すべきものとされたすべての改良住宅等又は地区施設等については用途廃止の承認があったものとみなすこととする。
6 施行者は、二戸一改善等(改良住宅等改善事業制度要綱第2第二三号に定めるものをいう。)を行った場合において、当該改良住宅等のうち一戸(玄関を閉鎖したもの)については、第1の規定にかかわらず用途廃止したものとみなす。この場合において、施行者は二戸一改善等を行った日から一月以内に第二項の規定に準じて地方整備局長等に報告するものとする。
7 施行者は、改良住宅等改善事業補助金交付要領第8第四項で規定する補助を受けた借上型更新住宅で管理開始後二〇年以内のものについて、次の各号に該当する場合には、当該住宅の用途を廃止することができる。
一 管理期間が一〇年以上経過していること。
二 入居募集のための措置を講じたにもかかわらず、三ケ月以上の空家であること。
8 施行者は、改良住宅等又は地区施設等の用途廃止を完了した日から一月以内に、地方整備局長等にその旨を報告しなければならない。なお、第二項、第五項又は第六項による場合は、この限りではない。
9 第一項第一号及び第三号における改良住宅等又は地区施設(児童遊園を除く。)の耐用年限については、第4第一項第一号の表に定めるところによるものとする(地区施設の用途を廃止する場合には、「住宅」を「地区施設」と読み替えるものとする(次項において同じ。)。)。
10 建設大臣が定め期間(平成一二年建設省告示第二四九二号に規定する期間をいう。)を経過した改良住宅等又は地区施設(児童遊園を除く。)の用途を廃止する場合には、地方整備局長等の承認は不要とする。
第17 施行者の変更
1 施行者は、次に掲げる要件のすべてに該当し、かつ、その管理に係る改良住宅等又は地区施設等を引き続いて管理することが不適当と認められる事情があるときは、地方整備局長等の承認を得て、当該改良住宅等又は地区施設等を他の地方公共団体に譲渡することができる。
一 譲渡価格が次に定める算出基準により算出した額の範囲内であること。
イ 当該改良住宅等又は地区施設等の建設に要した費用(土地取得造成費及び附帯事務費を含む。)から国の補助額及び無利子貸付額並びに都道府県の補助額と家賃として徴収済の償却額を控除した額。
ロ 当該改良住宅等又は地区施設等について改良を施したときは、前号に定める額に改良工事費(国の補助額及び無利子貸付額並びに都道府県の補助額と、家賃として徴収済の償却額を除く。)を加算した額。
二 当該改良住宅等及び地区施設等に係る国庫補助金及び無利子貸付金について、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三〇年法律第一七九号)第一五条の規定による補助金及び無利子貸付金の額の確定が完了していること。
2 前項第一号及び第二号に該当する場合において、施行者が改良住宅等又は地区施設等を他の地方公共団体に譲渡し、当該改良住宅等又は地区施設等を譲り受けた地方公共団体の譲受完了を証する書類を添付して、施行者を変更した日から一月以内に地方整備局長等に報告のあったものについては、地方整備局長等の承認があったものとして取り扱うものとする。この場合において、施行者が指定都市以外の市町村(特別区を含む。)であるときは、都道府県知事を経由して、地方整備局長等あて進達するものとする。
3 第一項第一号又は第二号に該当しない場合において、施行者が改良住宅等又は地区施設等を他の地方公共団体に譲渡しようとするときは、当該改良住宅等又は地区施設等を譲り受ける地方公共団体の譲受承諾書を添付して、地方整備局長等に施行者変更承認申請書を提出し、施行者変更の承認を得なければならない。この場合において、施行者が指定都市以外の市町村(特別区を含む。)であるときは、都道府県知事を経由して、地方整備局長等に進達するものとする。
4 施行者は、第一項の規定により、施行者の変更を行ったときは、譲渡完了を証する書類を添付して、施行者の変更を行った日から一月以内に、地方整備局長等に報告しなければならない。
5 譲渡の対価の使途については、第15第五項を準用する。
6 改良住宅等の敷金については施行者の変更と同時に当該改良住宅等を譲り受ける地方公共団体に移管しなければならない。
第18 管理に関する条例等の制定
施行者は、改良住宅等及び地区施設等の管理について次に掲げる事項を条例で定めなければならない。
一 第4に規定する家賃の決定に関する事項
二 第5に規定する家賃等の減免及び徴収猶予に関する事項
三 第7に規定する敷金の徴収に関する事項
四 第8に規定する割増賃料の徴収に関する事項
五 第11に規定する入居者の選考に関する事項
六 第13に規定する改良住宅等の明渡しに関する事項
七 その他改良住宅等の管理について必要な事項
第19 管理状況報告書等
1 管理に関する報告書の提出
施行者は、次に掲げる事項に関し、毎年三月末現在の管理状況について、報告書を地方整備局長等に提出しなければならない。
一 改良住宅等の管理戸数
二 改良住宅等の空家状況
三 改良住宅等の家賃等の状況
2 前項に規定する報告書の様式等については、別に定めるところを参考とするものとする。
3 管理台帳の作成
施行者は、改良住宅等の管理状況を常に把握し、管理の合理化及び適正化を図るため次に掲げるところを参考とし、管理台帳を作成し備え付けられたい。
一 台帳の種類
台帳は次の五種類とする。
1) 地区現況及び土地利用計画書
2) 年度別事業量及び事業費実績表
3) 改良住宅等管理台帳I(事業別、地区別、建設年度別表)
4) 改良住宅等管理台帳II(事業別、地区別、敷地状況表)
5) 改良住宅等管理台帳III(入居者別表)
二 台帳の作成
台帳の用紙は、長期保存するために、上質の用紙を使用するものとする。この場合において、前号の1)、2)及び4)の台帳は使用頻度等を考慮して、カード式とするものとする。
第20 書類の様式
この要領に基づく申請書等は、別表を参考とするものとする。
附 則
この要領は、昭和五四年三月二六日から適用する。
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附 則 この通知による改正後の要領は、平成一二年一〇月一日から適用する。
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附 則 この通知による改正後の要領は、平成一三年四月二日から適用する。
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附 則 1 改正後のこの要領は平成一四年四月一日から適用する。
2 この要領の施行の際、小集落地区等改良事業制度要綱(昭和五七年四月五日付け建設省住整発第二六号)の規定による現に存する小集落改良住宅及び平成一三年度以前の歳出予算に係る国の補助で平成一四年度以降に繰り越される小集落地区改良事業により建設される小集落改良住宅について、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句をそれぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えてこれらの規定を適用するものとする。
第1
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小規模改良住宅
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小集落改良住宅
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第2
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小規模住宅地区等改良事業
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小集落地区改良事業
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第11
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小規模改良住宅
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小集落改良住宅
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小規模住宅地区等改良事業制度要綱第9第一項
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小集落地区等改良事業制度要綱第13第一項
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別表
書類の名称
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様式
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改良住宅等家賃算出表
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別記様式第1
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改良住宅等家賃変更算出表
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別記様式第1の2
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改良住宅等(又は地区施設等)の譲渡処分申請書
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別記様式第2
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改良住宅等(又は地区施設等)の譲渡処分申請書(副申)
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別記様式第2の2
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改良住宅等(又は地区施設等)の譲渡処分完了報告書
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別記様式第2の3
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改良住宅等(又は地区施設等)の施行者変更報告書
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別記様式第3
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改良住宅等(又は地区施設等)の施行者変更報告書(副申)
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別記様式第3の2
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改良住宅等(又は地区施設等)の施行者変更承認申請書
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別記様式第3の3
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改良住宅等(又は地区施設等)の譲受承諾書
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別記様式第3の4
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改良住宅等(又は地区施設等)の施行者変更承認申請書(副申)
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別記様式第3の5
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改良住宅等(又は地区施設等)の施行者変更完了報告書
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別記様式第3の6
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改良住宅等(又は地区施設等)の用途廃止報告書
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別記様式第4
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改良住宅等(又は地区施設等)の用途廃止報告書(副申)
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別記様式第4の2
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改良住宅等(又は地区施設等)の用途廃止承認申請書
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別記様式第4の3
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改良住宅等(又は地区施設等)の用途廃止承認申請書(副申)
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別記様式第4の4
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改良住宅等(又は地区施設等)の用途廃止完了報告書
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別記様式第4の5
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地区現況及び土地利用計画書
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別記様式第5
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年度別事業量及び事業費実績表
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別記様式第6
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改良住宅等管理台帳I(事業別、地区別、建設年度別表)
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別記様式第7
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改良住宅等管理台帳II(事業別、地区別、敷地状況表)
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別記様式第8
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改良住宅等管理台帳III(入居者別表)
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別記様式第9
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