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平成20年度観光の状況
第II部 平成20年度の観光の状況及び施策
第5章 観光旅行の促進のための環境の整備
第6節 観光地における環境及び良好な景観の保全
1 観光地における環境の保全
(1) 循環型社会の形成の推進
廃棄物の3R(リデュース、リユース、リサイクル)を総合的に推進し、循環型社会の形成を図るため、廃棄物のリサイクル、焼却に伴うエネルギー回収等のための施設及びバイオマスエネルギーの利活用のための施設整備等に対して、循環型社会形成推進交付金による財政支援を行い、整備の促進を図った。
(2) 沿岸域の環境改善
「海の再生」の実現に向けて東京湾、大阪湾、伊勢湾及び広島湾においてそれぞれの「再生行動計画」に基づき、関係機関と連携の下、陸域から流入する汚濁負荷の下水道等による削減対策、干潟・浅場等の整備、環境モニタリング等の各種施策を総合的に推進した。
また、海洋汚染が発生する可能性の高い海域において監視取り締まりを強化し、廃棄物や、廃船の不法投棄事犯の発生の抑制等を図っており、今後も引き続きこれらの諸施策を実施していくこととしている。
(3) 生活排水対策の推進
下水道、農業集落排水施設及び浄化槽等の整備により、観光地の河川や湖沼等公共用水域の水質保全環境の改善を図っており、今後とも引き続き実施することとしている。
堀川の水質が改善されて遊覧船が復活(島根県松江市)
(4) 廃棄物の不法投棄を防ぐ監視体制の強化等
産業廃棄物の不法投棄等の対策については、これまでも「廃棄物処理法」等による規制の強化や「不法投棄撲滅アクションプラン」等による幅広い取組を実施してきているが、更に5月30日から6月5日までを「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」とし、国と都道府県等が連携し、不法投棄等の撲滅に向けた取組を一斉に実施している。
(5) 低公害バス・トラックの普及促進による観光地の環境の保全
国と地方公共団体等が協調して、バス・タクシー・トラック事業者によるCNGバス・低燃費LPGタクシー等の導入に対する補助を行っており、今後も引き続き支援を実施していく。
また、環境性能を大幅に向上させた次世代のバス・トラックの開発・実用化を進めるためのプロジェクトの対象車種の一つである非接触給電ハイブリッドバス
※
の実証走行を上高地において実施しており、今後も、プロジェクトで開発した車両を実際のバス事業等に使用する実証運行モデル事業等を実施し、実用性の向上を図っていく。
2 観光地における良好な景観の保全
(1) 「景観法」の活用促進、基本理念の普及啓発
市町村による景観計画の策定(平成20年12月1日現在138団体が策定済)等、「景観法」の活用による良好な景観形成の推進を図るため、先進事例に関する情報提供等の取組を行うとともに、同法にある基本理念の普及や良好な景観形成に関する国民の意識向上を目的とした「景観の日」(6月1日)の行事等各種の啓発活動、多様な主体の参加を図るための景観に関する教育の促進、専門家の育成等の取組を行っており、今後も引き続き実施することとしている。
(2) 観光地における屋外広告物に関する制度の充実
「屋外広告物法」の制度の活用により、各地方公共団体等が中心となって違反屋外広告物の是正対策を行い、かつ、国と地方公共団体等が連携し、効果的な屋外広告物行政を推進した。今後も引き続き実施していくこととしている。
(3) 歴史・文化・風土を生かしたまちづくり支援
歴史的町並みや史跡等卓越した歴史的風致の残る地区(埼玉県川越市の旧城下町地区等)において、歴史的風致の保全と連携して、沿道の町並みとの調和に配慮した歴史的みちすじ等の整備を行うことにより、来訪者の快適な歩行環境の確保等を図っている。平成20年度現在、全国の84地区において取組が進められており、今後も引き続き実施することとしている。
※非接触給電ハイブリッドバス
外部電源からの電気を電磁誘導により非接触(充電用のコード等を用いない)で車両側のバッテリーに急速に大量充電できるハイブリッドバス。通常は電気で走行し、走行中の排出ガス・CO
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をゼロとすることができる。
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