4.2 既存資料の収集

3.4作成計画の立案の結果に基づき、原典資料とする既存資料を収集する。

  • 【手順】

  • 手順1.既存資料を入手する。必要に応じて使用申請等の手続きをとること。また、各既存資料について、測量成果の種類、内容、構造、品質等を示す製品仕様書や品質を確認できるメタデータも併せて入手すること。

    特に、民間企業が販売するアーカイブデータを原典資料とする場合には、二次利用(データの加工編集)の可否、また、これに基づき作成した3D都市モデルのオープンデータ化の可否を確認すること。なお、オープンデータを原典資料とする場合についても、利用規約を確認し、3D都市モデルの作成及びこのオープンデータ化に支障がないことを利用規約により確認すること。

  • 手順2.入手した資料の内容を確認し、3D都市モデルの製品仕様を満たす原典資料となるか否かを判定する。原典資料として使用不可との判定をした場合には、以下のいずれかの対応をとる。

    1. 3.4作成計画の立案」に戻り、作成方法を再検討する

    2. 品質要求を満たさないデータ製品を許容する

    3. 2.5.1に戻り、品質要求を下げる

なお、b又はcの対応は、データ製品の品質を下げることになるため、ユースケースの要件をデータ製品が満たさない恐れがある。そのため、原則としてaの対応をとる。しかしながら、費用や工期等の制約によりb又はcの対応しかとることができない場合には、3D都市モデルの整備主体はユースケースへの影響の程度を考慮し、b又はcいずれの対応をとるかを決定しなければならない。入手資料の確認における留意事項を以下に示す。

4-2 — 留意事項18: 仕様確認とデータ整合性確認

ID

/att/collection/1

主題

標準作業手順

分類

要件分類3: 3D都市モデル整備のための原典資料収集手順と留意事項

条文

製品仕様書やメタデータ等、その仕様や品質を確認できる内容であることを確認する。

  • 航空写真やレーザ点群データの場合は、想定されている地図情報レベルや撮影諸元(地上画素寸法、オーバーラップ率、サイドラップ率)が妥当であることを確認すること。

  • 図形を含む原典資料の場合には、適用されている空間参照系や地図情報レベル、図形データの取得基準等を確認すること。

  • 属性を含む原典資料の場合には、値の単位やコードの内容等の記載された定義文書の有無を確認すること。

  • 原典資料に不整合(例:定義域に含まれない値の存在)がある場合にはその対応を確認すること。

4-3 — 留意事項19: 対象範囲の網羅性確認

ID

/att/collection/2

主題

標準作業手順

分類

要件分類3: 3D都市モデル整備のための原典資料収集手順と留意事項

条文

対象範囲が網羅されたデータであることを確認する。

  • 3D都市モデルの整備の対象範囲の一部が原典資料のデータ取得範囲から漏れている、あるいは、データ取得範囲には含まれているが、取得条件等によりデータが欠落している場合があるため、原典資料に含まれる範囲を確認すること。

4-4 — 留意事項20: 原典資料間の不整合確認

ID

/att/collection/3

主題

標準作業手順

分類

要件分類3: 3D都市モデル整備のための原典資料収集手順と留意事項

条文

原典資料間の位置のずれ、時点の差異、取得基準の差異は、許容できる範囲におさまっていることを確認する。

  • 既存資料間の不整合に対する対処方法として「3.4作成計画の立案」において決定した以外の不整合が確認された場合には、その不整合への対処方法を決定すること。

4-5 — 留意事項21: データ構造の適用可否確認

ID

/att/collection/4

主題

標準作業手順

分類

要件分類3: 3D都市モデル整備のための原典資料収集手順と留意事項

条文

想定していた作成手順を適用できるデータ構造となっていることを確認する。

  • 数値地形図データを原典資料として使う場合、データの構造化(例:分断された図形の結合、外形線の閉合による面の作成)が必要な場合がある。構造化の要否、また、構造化にどの程度の作業が必要となるかを確認すること。