C.5.2.10 境界面の区分

建築物のLOD2及びLOD3において、境界面として使用可能な地物型が異なることに注意すること(C.2.2参照)。
LOD2及びLOD3では、建築物(bldg:Building)の境界面をbldg:RoofSurface(屋根面: C.5.2.1)、bldg:WallSurface(外壁面:C.5.2.2)、bldg:GroundSurface(底面:C.5.2.3)に区分することを基本とする。

C-36 — LOD2における境界面の区分

ただし、ユースケースで必要な場合には、境界面の区分にbldg:OuterFloorSurface(屋外床面:C.5.2.4)及びbldg:ClosureSurface(閉鎖面:C.5.2.6)を使用できる。また、LOD3ではbldg:OuterCeilingSurface(屋外天井面:C.5.2.5)を使用できる。

bldg:OuterFloorSurface(屋外床面)は、bldg:RoofSurfaceの代替として使用できる。建築物を構成する境界面のうち、上を向いている面は、bldg:RoofSurfaceとなるが、屋上のように、人が滞留可能な面と屋根面とを区別したい場合はbldg:OuterFloorSurfaceを使用し、これを区分する。C-37に例を示す。

C-37 — 屋外床面の取得例

bldg:OuterFloorSurfaceとして取得しない場合は、bldg:RoofSurfaceとして取得する。

bldg:OuterCeilingSurface(屋外天井面)は、bldg:WallSurfaceの代替として使用できる。bldg:OuterCeilingSurfaceはbldg:WallSurfaceのうち下向きの面であり、天井の機能を有する面、これを区別したい場合に適用する。C-38に例を示す。

C-38 — 屋外天井面の取得例

bldg:OuterCeilingSurfaceとして取得しない場合は、bldg:WallSurfaceとして取得する。また、bldg:OuterCeilingSurfaceは下向きの面に適用することから、建築物の上向きの面(屋根)を詳細化の対象とするLOD2では出現せず、LOD3でのみ出現する。

さらに、LOD2及びLOD3においてbldg:BuildingPartを用いて一棟の建築物を複数の部分に分割して記述する場合は、各bldg:BuildingPartが接する仮想的な境界面が必要となるため、これをbldg:ClosureSurface(閉鎖面)として取得する。

C-39 — 閉鎖面の取得例

建築物付属物(bldg:BuildingInstallation)を立体として記述する場合、原則として境界面を屋根面や外壁面に分ける必要はない。ただし、建築物付属物の境界面が、建築物の境界面を兼ねている場合には、いずれかの境界面に区分する。これは、区分した境界面が、建築物の境界面にもなるからでなる。

地物を詳細な地物に区分し記述することにより、より高度な活用が可能となる。その一方で、データ作成が複雑となり、これに要する費用や時間が増大する。そのため、標準製品仕様書では、LODの定義を精緻化している。建築物についてはLOD2.0及びLOD3.0を採用することを基本としている。