高潮の被害としては、浸水による溺死や、家屋の破損・流出、船舶の損傷・衝突など、さまざまな被害が発生します。
●考えられる高潮被害の例
対象 | 被害形態の例 |
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人的被害 | 溺死、 漂流物による怪我、 漂流中の異物の飲み込み等による病気 等 |
家屋被害 | 家屋の浸水・流出・破壊、 浸水による電気製品等の障害 等 |
防災構造物被害 | 洗掘による破壊・倒壊・変異、 漂着物の大外力による破損、 ブロック堤の沈下・散乱 等 |
交通障害 |
<鉄道>線路冠水、法面洗掘、道床決壊、軌道移動、鉄橋変異、臨海線埋没 <道路>越波による地崩れ、道路冠水、漂流物衝突による変位や落橋、 橋台周辺の洗掘が原因の落橋、法面洗掘、漂流物堆積による交通閉鎖 <港湾>土砂堆積による水深低下、局所洗掘による港湾構造物の破壊、 流出物による港口閉鎖等の機能障害、港の旅客待合室に浸水 <空港>空港冠水 |
ライフライン被害 | <水道>漂流物衝突による消火栓・給水栓崩壊、河川よりの給水口の破壊 <電力>電柱倒壊・流出による送電停止、発電所浸水による障害や停電 <通信>電柱や架空ケーブルの被害、地下ケーブルの立ち上がり部切断、 電話機の冠水被害 <下水道>排水溝を通じての浸水、上水道への海水進入 |
産業被害 |
<水産業>養殖筏や魚網の流出、漁船流出・破壊、漁船発火消失 <商工業>浸水による商品価値の喪失 <農業>冠水による作物被害、流入土砂による農耕地埋没、土砂または漂流物による用水路陥没 |
森林被害 | 幹折れ・倒伏・土壌洗掘などの物理的被害、浸塩水・埋砂による生理害 |
火事 | 流出家屋台所から出火、漁船機関室からの出火、漏電による発火 ガソリン保管庫への漂流物衝突による出火、スイッチボックスへの衝突による出火、 |
石油・毒物の流出 |
船の被災による油の流出、火事の火元および延焼の原因、環境汚染 |
地形変化 | 河口砂州切断、浅瀬の変化、砂浜の変形、河川内堆砂 |
高潮の規模は台風の規模や通過するコースに大きく影響されます。
台風は、地上付近では上から見て反時計回りに強い風が吹き込んでいます(北半球にある日本の場合)。台風の進行方向に向かって右の半円では、台風の移動方向と風向きが同じであるため風が強くなります。
湾口が南側に面し、湾の軸が台風の進路と一致する場合には、高潮が生じやすくなります。
東京湾・伊勢湾・大阪湾・有明海などは、高潮の起こりやすい条件を備え、我が国で最も危険な地域といえます。また、高潮の発生頻度は、太平洋側の湾内で圧倒的に多く、日本海側では少なくなっていますが、発生しないということではありませんので、油断は禁物です。
高潮による海面上昇は、海底地形や海岸形状により大きく異なります。以下のようなところでは、特に高潮に対する注意が必要です。
ゼロメートル地帯
湾奥部
急深な海底地形