vol.9... 渇水を乗り切る

水インフラの力


①水がピンチ!?

平成28年春から夏

平成28年夏、関東をはじめ広い地域で渇水となりました。日に日に少なくなるダムの水、給水制限の実施などの
水不足が本当に心配されました。まず、関東地方の利根川を例に、その状況を振り返ってみます。



尾瀬沼の積雪深が観測史上最低

利根川の上流域では、平成27年度の積雪が記録的に少なく、 最大積雪深(尾瀬沼観測所)が過去62ヵ年で最低となりました。
(過去62ヵ年の平均:289cm 平成27~28年:172cm)
下の写真は、利根川の上流域にある「奈良俣ダム」の 平均的な年と平成28年の4月の様子を比べたものですが、
雪がほとんど残っていません・・・




春の少雨で貯水量が大幅に減少

さらに、春になっても降水量がとても少なかったことで、利根川上流にあるダムの
貯水量が5月から6月にかけてみるみる減っていきました。
(6月13日の時点で、利根川上流8ダム合計の貯水率は37%まで低下!!)


※利根川水系8ダム
矢木沢ダム・奈良俣ダム・藤原ダム・相俣ダム・薗原ダム・下久保ダム・草木ダム・渡良瀬貯水池
→位置や写真は③水のネットワークにある首都圏水インフラマップでチェック!!





取水制限の実施~解除

このように、貯水量がとても少なくなったため、利根川水系で 「取水制限」が行われました。取水制限とは、河川からとる水の 量を減らすことで、一定の割合を決めて段階的に行います。

最初は10%でしたが、渇水が進んでいくと率を上げていきます。 取水制限の率が上がると、水道水の供給量を制限する 「給水制限」が行われたりと、私たちの生活にも影響が出てきます。
※このあたりについては、渇水うんちくで紹介しています >

渡良瀬川と鬼怒川では20%まで取水制限の率が引き上げられましたが、その後雨がたくさん降って、ダムに貯まる水も増えてきたため、9月2日に取水制限が全面的に解除されました。
ほっと一息といったところです。