平成12年全国一級河川の水質現況(概要)
国土交通省は昭和33年から一級河川における水質調査を実施し、昭和47年から全国の一級河川の水質調査結果を取りまとめ、公表している。本資料は、平成12 年(暦年)における、全国一級河川(109 水系)の水質調査結果の概要をとりまとめたものである。
1.河川の流量
○平成12年の流量は平年並
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河川の水質は流量の大小によって左右されるが、平成12年の一級河川の流量は、最近10ヶ年(平成2 年〜平成11 年)の平均値と同程度であった。また、前年との比較では、基準地点における年間総流出量の合計が15%減、低水流量の合計が2%減となっている。 |
表−1 一級河川の流量状況
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基準地点における
年間総流出量の合計
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基準地点における
低水流量※の合計
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備考
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平成12年 (A) |
2,520億m3 |
3,860m3/s |
平成12年の年間総流出量及び低水
流量の合計値は推定値。
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平成11年 (B) |
2,953億m3 |
3,930m3/s |
最近10ヵ年平均(C) |
2,661億m3 |
3,784m3/s |
(A)/(B)×100% |
85% |
98% |
(A)/(C)×100% |
95% |
102% |
※低水流量:一年を通じて275日はこれを下らない流量
2.河川(湖沼等を含む)の水質
(1)水質調査地点
○調査地点は1,094地点 一級河川の直轄管理区間約10Kmに1ヶ所
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一級河川の直轄管理区間の河川延長約10,500km(平成12年4月現在)に対して水質調査
地点は1,094 地点設けており、平均的には河川延長約10km に1ヶ所の割合で水質調査を実施
している。
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(2)水質調査結果
○平成12年に環境基準を満足している地点の割合は、前年とほぼ同じ83%、長期的には改善の傾向に
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生活環境の保全に関する環境基準の項目のうち、有機汚濁の代表的な水質指標であるBOD(生物化学的酸素要求量)及びCOD(化学的酸素要求量)をみると、平成12 年に環境基準を満足している地点の割合は平成11年より1ポイント増加し、83%となった。
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平成12年の流量が前年に比較して全国的に減少したにもかかわらず、平成12年に環境基準を満足している地点の割合は増加しており、また、過去の同程度の年間総流出量の年と比較すると明らかに満足している地点の割合は上昇していることから、汚濁負荷の削減による水質改善が着実に進んでいると考えられる。
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図−1 一級河川(湖沼等を含む)において環境基準を満足している地点の割合と年間総流出量の経年変化(全国) |
○環境基準を満足している地点の地方別割合はおおむね前年とほぼ同じ
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環境基準を満足している地点の割合を地方別にみると、北陸、中部、東北の順で大きく関東、近畿、中国でその割合が小さい。
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前年との比較では近畿が3 ポイント下回ったものの、その他地方では同程度かやや上回った。
北陸では過去最高の割合となり、東北と中部でも過去最高と並ぶ割合となった。 |