全日本空輸株式会社・ANA ウイングス株式会社 「プロペラ機への搭乗アダプターの開発等、空港・機内・搭乗時の各シーンにおけるバリアフリー化」
受賞者は、すべての人がより快適に飛行機を利用できるよう、カスタマージャーニーの各シーンで有用なハード・ソフトの開発導入をした。金属探知機で音が鳴らない車椅子モルフ利用による車椅子ユーザーの心理的ストレス解消と保安検査場での時間の短縮、外国人や聴覚障害者とのコミュニケーションをサポートする電子版コミュニケーション支援ボード、そしてプロペラ機とボーディングブリッジを接続するPBB アダプターである。バリアフリーの重要性理解を社内に広げ、現場の気づきを新たな製品に結びつける努力と波及効果を高く評価し、表彰することとした。
■ 取組みの概要
ANA グループでは、2020 年開催の東京オリンピック・パラリンピック開催を迎えるにあたり、また将来的な高齢化社会を控え、ソフト、ハード両面からバリアフリー化を推進し、すべての利用者が不安・ストレスなく、より快適に飛行機を利用できる環境の整備に努めるべく、利用者の声を参考に、空港や機内における各シーンにおいて、製品開発、導入を進めている。
● 航空機の搭乗、降機をスムーズ、快適にサポートする「PBB アダプター」の開発
今回開発したアダプターを活用し、ターミナルのPBB ※を接続することで、車椅子利用者はストレスなく、また、雨・風・雪にさらされることがなく搭乗することが可能となる。アダプターに昇降式のエレベーター機能を設置しており、フルフラットの状態で車椅子ごとの搭乗が可能となり、障害のない人同様にスムーズな搭乗・降機が可能となった。
※ PBB:パッセンジャーボーディングブリッジ(搭乗橋)
PBBアダプター
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使用シーン
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● 搭乗手続きから、保安検査場、機内までの移動を快適にサポートする「樹脂製車椅子morph(モルフ)」の開発
保安検査場で金属探知機に反応せず、かつ飛行機の座席まで乗ったまま移動できる車椅子であり、空港で樹脂製を採用するのは全国で初めてである。また、樹脂製であるため、金属の「冷たい」印象を払しょくし、温かみのある丸みを帯びたデザイン、配色が実現できている点は利用者からも好評である。
樹脂製車椅子 morph (モルフ)
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使用シーン
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● 機内、空港でのコミュニケーションを円滑にサポートする製品開発
アナウンス等での情報が聞き取れず、イレギュラー発生時に不安に感じている耳や言葉に障害のある人、外国人の人等に対して、文字と内容を容易に理解できるピクトグラムの活用と多言語対応により、空港、機内で係員とのコミュニケーションをサポートするツールとして、「電子版コミュニケーション支援ボード」を開発、導入に至った。現在、約9,000 台のタブレット端末を空港、機内で活用し、サービスを提供している。
コミュニケーションボードの例
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使用シーン
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◎ 今後期待される取組み
同社は過去にもユニバーサルな取組みを多く実施しており、今回は製品開発としてのアダプターや車椅子を対象として表彰を実施するが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、今後も全国のモデルとなるような施策の実施を期待する。
全日本空輸株式会社
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